シエンタ/フリード/ソリオを徹底比較 ~ハイブリッドで低燃費なコンパクトミニバン~(1/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・島村栄二
小さくても車内は広くスライドドアを備えた注目車を徹底比較
クルマを実用的に使いたい場合、必要な機能を満たしていれば、ボディはなるべく小さい方が好ましい。当たり前の話だが、運転がしやすく、燃費性能が優れ、価格も安くなるからだ。
以前はボディが小さいと広い室内を確保できず、長距離を移動する時は疲れやすかった。今ではこういった不満が解消され、空間効率の優れたプラットフォームに、背の高いボディを組み合わせて広い車内を確保している。走行安定性も向上し、背の高い小さなクルマで高速道路を走っても、危険を感じる場面はほとんどない。
上質な乗り心地や運転感覚、優れた危険回避性能などを求めると、今でも低重心のセダンやクーペを選ぶ価値は十分にある。それでも日常的な移動を中心に考えれば、コンパクトな車種で十分と思わせる時代になった。小さなクルマの技術力が進歩して、「満足度のハードル」を超えるようになったといえるだろう。
その代表が2015年7月にフルモデルチェンジを受けた「トヨタ シエンタ」、8月に一新された「スズキ ソリオ」などだ。
「シエンタ」は3列シートのミニバン、「ソリオ」は2列のコンパクトカーだが、いずれも全高は1,700mm前後に達して車内が広い。両車とも後部のドアはスライド式で、狭い場所での乗降性も優れている。実用性は抜群に高い。
そこで今回は、新型になった「シエンタ」と「ソリオ」に、「シエンタ」のライバル車となるコンパクトミニバンの「ホンダ フリード」も加えて、空間効率の優れた3車種を比べてみたい。2列と3列シートが混在するが、背の高い5ナンバーサイズのボディにスライドドアを備えることは共通だ。
また3車種とも、モーターを駆動するハイブリッドを設定して燃費の向上を図っている。
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