【比較】GLA・チェロキー・V40クロスカントリーを徹底比較 ~手頃なサイズの輸入車SUVが魅力的!~(4/4)

【比較】GLA・チェロキー・V40クロスカントリーを徹底比較 ~手頃なサイズの輸入車SUVが魅力的!~
メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD 画像ギャラリーはこちら

小さくても立派な外観でメルセデス・ベンツらしさが濃厚

メルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバーメルセデス・ベンツ GLA250 4マチック スポーツ 4WD ボディカラー:ポーラーシルバー

GLA250 4マチック スポーツが搭載するエンジンは、直列4気筒の2リッターターボ。動力性能はノーマルエンジンでいえば3.5リッターに匹敵する。設計の新しい小排気量ターボらしく、クセのないエンジン特性が持ち味だ。実用回転域の駆動力が高く、5000回転を超えた領域の吹き上がりも活発で十分な性能だろう。

操舵感は骨太だ。軽快で機敏に曲がるタイプではないが、舵角に合わせて正確に車両の向きが変わり、運転感覚を上質に仕上げた。設計の新しいSUVとあって後輪の接地性も優れ、低重心のため走行安定性も満足できる。

乗り心地はタイヤが18インチでもあるから硬めだが、突き上げ感を抑えてAクラスに比べると重厚だ。このあたりもブランドの特徴で、メルセデス・ベンツらしさを感じる。

GLAは、コンパクトで運転のしやすいAクラスに魅力を感じながら、「外観や運転感覚がちょっと物足りない」と感じるユーザーにピッタリ。外観はフェンダーの張り出しを強調してホイールとタイヤが大径になり、外装パーツも加えたため存在感が増している。

価格はAクラスのA250 シュポルト 4マチックに比べて30万円ほど高いが、価値観は外観のとらえ方次第だろう。AクラスをSUV仕立てにしたことで、ヒエラルキーに収まらないクラスレス感覚が生じた。

実用的には割安で空間効率も高いAクラスの方がオススメなのだが、個性を求めるユーザーには、GLAも魅力的だと思う。

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前輪駆動がベースになってもジープの持ち味を色濃く感じさせる

ジープ チェロキー トレイルホーク 4WD ボディカラー:ディープチェリーレッド クリスタルジープ チェロキー トレイルホーク 4WD ボディカラー:ディープチェリーレッド クリスタル

ジープ チェロキーは、前述のように駆動方式を前輪駆動に変更した。まさに新世代のチェロキーに発展したが、試乗すると従来型の持ち味を巧みに残していることに気付く。コーナーではボディがゆったりと傾き、操舵感も少しルーズだ。座り心地の柔軟なシートを含め、前輪駆動に刷新しながら「ジープブランド」のイメージで車両全体のバランスを取った。このあたりは、チェロキーよりも先に前輪駆動へ切り替わったフォード エクスプローラーにも似ている。

「こういう味付けにするなら、素直に後輪駆動を踏襲すれば良かったのに」とも思うが、開発や生産の合理化を考えればそうもいかないのだろう。

またジープの味わいを残しつつ、舗装路上での走行安定性は明らかに向上した。従来型に比べて挙動の乱れが少なく、低重心のライバル2車と比べてもさほど腰高ではない。高重心のSUVの中では車両の向きを適度に変えやすく、鈍さを感じさせない走りを味わえる。ジープ パトリオットやコンパスに比べると、同じ前輪駆動ベースのジープでも、ブランドイメージとの調和が一歩進んだ。前輪駆動のメリットを上手に活用している。

トレイルホークが搭載するエンジンはV型6気筒の3.2リッター。JC08モード燃費は8.8km/Lだから、最大トルクが同等以上になるGLA250 4マチック スポーツの14km/Lに比べて大幅に見劣りする。古いといえばそれまでだが、3.2リッターエンジンは、2リッターのターボに比べて動力性能の高まり方が自然だ。外観はスポーティーな印象になったが、典型的なSUVを好むユーザーにも適する。

■ジープ チェロキーの画像ギャラリーはこちら(走行シーン)

V40に高い動力性能と4WDを求めるユーザーには最適

ボルボ V40クロスカントリー T5 4WD ボディカラー:カスピアンブルーメタリックボルボ V40クロスカントリー T5 4WD ボディカラー:カスピアンブルーメタリック

V40クロスカントリーの運転感覚は、外観と同じくV40に似ている。ライバル2車に比べて操舵感が機敏で、クルマの向きを変えやすい。V40よりも少し背が高いが、走行安定性は影響を受けておらず、峠道を軽快に走れる。

乗り心地もV40に似ていて、街中では硬めに感じる。SUVというジャンルを前提にすれば、動きを鈍く抑えても柔軟性が欲しいところだが、V40クロスカントリーはSUVに当てはめるのではなく、V40の味付けで良いと思う。

直列5気筒の2リッターターボは、ノーマルエンジンでいえば3リッター並みの性能を発揮する。実用的にはV40の1.6リッターターボで十分だが、3000回転付近からのパワーの盛り上がりは、2リッターターボらしくボリュームがある。この運転感覚にSUV風の骨太な外観が良く似合う。

そしてV40クロスカントリーを選ぶメリットとして、2リッターのターボと4WDを割安に買えることもある。同じエンジンを積むV40 T5-Rデザイン(2WD)よりも価格が約41万円安いからだ。V40 T5-Rデザインにはカーナビとレザーパッケージが装着され、これをV40クロスカントリーにオプション装着すると約40万円。つまり差額が埋まるが、駆動方式の違いは残る。外装も異なるので一概に優劣は付けられないが、V40クロスカントリーの価格は戦略的だ。V40に高い動力性能と4WDを求めるユーザーにはピッタリだ。

このようにV40クロスカントリー、ジープ チェロキー、メルセデス・ベンツ GLAは、性格がまったく違う。もはや従来のSUVという区分は、成立しなくなったと言えるのかもしれない。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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