【比較】GLA・チェロキー・V40クロスカントリーを徹底比較 ~手頃なサイズの輸入車SUVが魅力的!~(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
内装の仕上げは上質で前席は長距離を移動する時も快適
メルセデス・ベンツ GLAの内装は、Aクラスとほぼ同じ。インパネを見ると丸型の空調吹き出し口に特徴を持たせながら、メルセデス・ベンツらしく細部までていねいに造り込んだ。インパネの中央付近は水平基調にデザインされて操作性も良い。
居住性はAクラスと同等で、前席はサイズに余裕があり、背もたれは肩までしっかりとサポートする。腰の当たる部分を硬めに造り込み、長距離を移動する時でも快適に仕上げた。座面は適度に柔軟で、ホールド性も十分に確保する。サポート性を高めながら、乗員の体が拘束された印象にならないことも特徴になる。
後席はホイールベースが2700mmに達する3ナンバーサイズのボディを考えると、足元が少し狭い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ半。例えばホンダ フィットの場合、同じ測り方をして握りコブシ2つ以上なので、ファミリーカーとして使うユーザーは居住性を確認した方が良い。
着座位置も少し低く膝が持ち上がる。座面の柔軟性は適度だが、もう少し前方を持ち上げほうが、大腿部のサポート性は良くなる。
装備では衝突回避の支援機能に注目したい。GLAはCPAプラスの名称で、ミリ波レーダーを使った衝突回避の支援機能を全車に標準装着した。これに19万5400円のレーダーセーフティパッケージを加えると、斜め後方の車両を検知して警報したり、車間距離を自動制御するクルーズコントロールの機能なども備わる。
アメリカのSUVらしいリラックスできる室内空間が特徴
欧州車のメルセデス・ベンツ GLAとボルボ V40クロスカントリーは、運転姿勢が5ドアハッチバックに近い。その点でジープ チェロキーは、内装の造りがSUVのパターンに沿っている。前席は床と座面の間隔が十分にあり、一般的なSUVの着座姿勢になる。
前席の座り心地は柔軟で、乗員の体が包まれる感覚だ。これもアメリカ車に多いタイプで、少しルーズな座り心地ともいえるがリラックスできる。
後席も前席と同様、床と座面の間隔を十分に確保した。腰が落ち込まず、足を前に投げ出す姿勢にならないことで、空間効率も優れている。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座った同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ分だ。前席の下に足が収まりやすく、広々と感じられる。頭上の空間も握りコブシ1つ以上と余裕を持たせた。
背もたれの高さが少し低くなるが(これ以上高いと後方視界に影響する)、座面は適度に柔軟。ミドルサイズのSUVらしく、ファミリーユーザーにも適する。
チェロキーは背が高いこともあって、居住性は今回取り上げた3車の中では最も快適だが、荷室には注意したい。床が高く、荷物を大きく持ち上げる必要があるからだ。
装備は欧州車のライバル2車と同様、ミリ波レーダーを使った衝突回避の支援機能、車線逸脱警報、横方向や斜め後ろの並走車両を検知する機能を用意する。
これらはセーフティパッケージとしてオプション設定され、シートの電動調節機能やリアゲートの電動開閉機能と併せて32万4000円だ。安全装備に限れば18万円前後でプラスされ、快適装備まで含まれるものの、割安なセットオプションとしている。
内装はスポーティーな仕上がりで安全装備に力を入れた
車内の造りは、基本的にベース車のボルボ V40と同じだ。今回取り上げたライバル2車に比べると、デザインや色彩が華やか。スポーティーな雰囲気を重視している。保守的だった従来のボルボ車とは指向性が違う。
この変化はシートの座り心地にも当てはまり、運転席は硬めの仕上がりで、肩の周辺まで含めて乗員の体をしっかりとホールドする。リラックス感覚を重視したチェロキーとは対称的だ。
後席は腰が少し落ち込む座り方。日本のユーザーの感覚でいえば、座面にもう少し柔軟性があると良い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座った同乗者の膝先空間は握りコブシ1つ半から2つ弱になる。V40がベースとあって、居住性や開放感はSUVというよりも5ドアハッチバックだ。GLAに近い印象を受ける。
装備は全般的に充実しており、特にボルボの得意な安全面が注目される。衝突回避の支援機能は、ミリ波レーダーとカメラを併用することで、車両だけでなく歩行者や自転車も見分ける。側方や斜め後方の並走車両も検知し、後退しながら車庫から出る時に、左右から接近する車両の存在も知らせる機能も採用した。前後左右に安全センサーを張り巡らしたと考えれば良い。
いずれの装備も標準装着され、購入時の価格がその分プラスされないのはうれしい。
このほか歩行者対応のエアバッグをオプション設定するなど、ボルボの得意分野である安全装備にかなり力を注いでいる。
デザイン・スペックの総評
今回試乗した3車の全高は、チェロキー(トレイルホーク)が1740mm、GLA250 4マチック スポーツが1495mm、V40クロスカントリーが1470mmになる。チェロキーの最低地上高が220mmに達することを考えても、室内高に余裕がある。居住空間が広く、後席まで快適に仕上げた。
一方、GLAとV40クロスカントリーは、天井が低く後席も狭まるが、スポーティーな雰囲気を感じる。腰高感も生じにくく、立体駐車場を使えることもメリットだ。
チェロキーは従来のSUVが持つイメージに合うが、GLAとV40クロスカントリーは、5ドアハッチバックの派生型。一種のスパイスとしてSUVの仕立てを採用した。
この3車に共通するのは、衝突回避の支援機能を充実させたことだ。特にV40クロスカントリーは、自転車や歩行者も認識する。日本車にもカメラ方式は増えているが、車線を検知して逸脱時に注意を促すタイプが多い。V40クロスカントリーのように対象物を見分け、なおかつ側方や後方の検知機能まで備えた車種は少ない。
日本のメーカーが衝突回避の支援機能を実用化した時期は早かったが、その後の進歩で輸入車に遅れを取った。昨今は安全性を理由に輸入車を選ぶユーザーも増えている。
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