国産オープンカー 徹底比較(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:島村栄二
ハードトップを得たメリットを実感
ハードトップを開けるときは、解除ボタンを押しながらバックルを外し、スイッチを押すと、トノカバー部分のカウルが持ち上がり、ハードトップが折れながら収まって、約12秒でオープン状態となる。
サイドウインドウがトップ開閉のスイッチを押すと少しだけ下がり、最終的に開けるなり閉めるなりするのはドライバーが操作して行なうようになっている。
インテリアカラーは、RSはブラックとなる。VSのベージュは樹脂パネルの質感が気になるのだが、ブラックであればそれほど気にならない。居住スペースは外観から想像するよりも意外なほど広く、身長180cm以上の人も無理なく乗れる。ただし、ドライビングポジションは、着座姿勢もフットペダル位置もかなり右に寄っていて違和感を覚える。また、欲をいうとシート自体がもう少し低いほうがしっくりくる。
収納スペースはオープンカーとしてはよくがんばったほうで、見た目を崩さない中で上手く溶け込ませている。
オープンでも風の巻き込みは小さく、メタルトップを閉めると静粛性はかなり高くなり、クーペボディと同等の遮蔽感がある。ソフトトップのオープンカーに不安感を抱き、選択肢から外していた人にとって、RHTは大きなアドバンテージとなるはずだ。ラゲッジスペースは深く、標準車と同じ150Lの容量が確保されている。
ちょっと高級なスポーツカー
インテリアの構成は基本的にクーペと同じ。今回の取材車両は異なるが、Zロードスター専用にネットシートも用意されている。
インテリアについて、クーペのデビュー当初は質感の低さが指摘されたりしたものだが、ほどなく改良が施され、好印象のものとなった。ちょっと高級で、かつスポーツカーらしい雰囲気を上手く演出している。
メーターフードごと動くステアリングチルト機構は斬新で有益なアイデア。センターパネルの操作系スイッチ&ダイヤルも実に使いやすくレイアウトされている。
オープンにする際は、フロントピラーのセンターのボタンを押し、レバーを引いてロックを解除し、開閉スイッチを押せばよい。このレバーは開閉を問わず同じ方向に操作すればよいというもので、実に使いやすい。
閉スイッチを押すと、まずリアウインドウ部分が下端から持ち上がり、次いでトノカバー部分のカウルが開く。そしてトップが複雑な動きをして折れ曲がりながら収まり、カウルが閉じるという機構。サイドウインドウも自動的に下がり、開閉の際はトップの動きを妨げないよう、シートバックの角度が自動的に少し起こされ、開閉後に戻るようになっている。トップの開閉所要時間は、約15秒となる。
グローブボックスや助手席後方の室内の収納スペースの容量は比較的大きい。ラゲッジスペースは、トランクリッドの裏にゴルフバッグの積載方法が書いてあるほどで、長さと幅はそこそこ確保されているものの、高さ方向は浅い。フロア下に収納されるスペアタイヤをやめて、パンク補修kitにしてくれたほうがありがたい。
走りを予感させるコクピット
ストイックにスポーティさを追求したコクピットは、初期のS2000ではドリンクホルダーや時計も付かず、あくまで「走り」に徹するクルマとして位置仕上げられていたほど。それがやがて、徐々に利便性を備えるようになってきた。
シンプルな造形のインパネは、タコメーターを強調したデジタルメーターを採用し、VTECエンジンの吹け上がりを視覚的にも楽しめるようになっているし、エンジン始動をボタンで行なう方式を国産車でいち早く採用したことも特徴だ。
あくまでステアリングフィールを損なわないことにこだわってか、ステアリングには何の調整機構も付かない。反面、オープンカーだけに車内がホコリだらけになりやすいことに対し、オーディオに開閉式カバーを設置するなど、細かな心配りも見られる。
6速MTのみの設定で、幅の広いセンタートンネルに備わるシフトノブは、縦方向・横方向ともストロークが短く、節度感のあるシフトフィールも好印象だ。リバースが奥ではなく手前になっているところもいい。
シートはややバケット形状で、ホールド性が高い。シートクッションの高さは、もう少し低いほうが好ましいかもしれない。ラゲッジスペースは、テンパータイヤが運転席後方に配置され、フロア中央がくぼんだ格好となっており、横方向の幅もそこそこ広い。
トップの開閉は、ピラー上部両端のバックル外し、その後の動作はすべて電動で可能。所要時間は、オープンが5秒弱、クローズが6秒弱と、シンプルな動作であるだけに非常に短時間で完了する。ただし、オプションのトノカバーは驚くほど装着しにくいのが難点だ。
内装・装備の総評
「オープンカーはインテリアもエクステリアの一部」とよくいわれるが、この3台もそれぞれのキャラクターの違いが見られ興味深い。共通していえるのは、いずれもユーティリティにも配慮した努力の跡がうかがえること。また、ラゲッジスペース容量は、3台とも意外と大きかった。ロードスターRHTは、やはりハードトップを得たことによるメリットは非常に大きいといえるだろう。
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