【比較】今ブームの人気SUV3車 ハリアー・エクストレイル・CX-5を徹底比較(3/4)

【比較】今ブームの人気SUV3車 ハリアー・エクストレイル・CX-5を徹底比較
トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス ボディカラー:シルバーメタリック トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス 画像ギャラリーはこちら

日本のユーザーが抱く高級感を上手く押さえた内装が一番の魅力

トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンストヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス

今のところハリアーは国内専売の車種とあって、インパネなどの内装には、日本のユーザーの心に響く高級感がある。インパネやドアトリムは革風に仕上げられ、ステッチも入れた。標準装着されるシートには、合成皮革も使われる(本革シートは約23万円でオプション設定)。

すべて模造品だが、とても上質だ。本物でも模造品でも、大切なのは手触りや見栄えの良さ。ここまで仕上げれば、模造品でも立派だろう。本物を使い、それを理由に価格を高めた輸入車などよりユーザーは満足できる。メーターの視認性、スイッチ類の操作性にも不満はない。

フロントシートはサイズを十分に確保。肩まわりのサポート性も優れ、座面は体を適度に沈ませて、しっかりと支える。

リアシートは床と座面の間隔を十分に確保して、なおかつ座面の前側を持ち上げた。サポート性は良いが、小柄な同乗者は大腿部を少し押された感覚になりやすいので、座り心地は確かめておきたい。

足元空間は十分に確保した。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る同乗者の膝先には、握りコブシが2つ半収まる。ホイールベースは2,660mmで全長の割に少し短いが、空間効率は高い。

安全装備では、ミリ波レーダーを使った自動ブレーキを伴う衝突回避の支援機能をオプション設定した。衝突を完全に回避できることはアピールされておらず、設計は古い。試乗車のエレガンスに装着した時のオプション価格は約13万円。クリアランス&バックソナーもセットで備わり、割高ではない。

■トヨタ ハリアー(ハイブリッド)の画像ギャラリーはこちら(インテリア)

トヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンストヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンストヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンストヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンストヨタ ハリアー2.5 ハイブリッド E-Four エレガンス

現行モデルになって内装の質感がアップ、リアシートの足元空間も広がった

日産 エクストレイル 2.0 20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列車 4WD日産 エクストレイル 2.0 20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列車 4WD

エクストレイルの内装の質感は現行モデルになって向上した。インパネ中央の光沢を持たせたブラックのパネルなど、装飾も巧みだ。エアコンのスイッチは比較的高い位置に装着されて扱いやすく、メーターの視認性も良い。

そして従来モデルと同様、シートと居住空間や荷室の床には、防水加工を施した。屋外で遊んだ後も気兼ねなく愛車に乗り込めて、清掃も簡単。SUVの性格に合った配慮で、車内を汚す使い方をしなくても、遊びに出かけたい気分にさせる。

フロントシートは、バックレストが背骨に沿って湾曲するように設計され、乗員の体に馴染みやすい。サイドサポートの張り出しも適度で、背中から腰にかけてシートに包まれた感覚で、座り心地は申し分ない。

リアシートは、体をもう少し座面に沈ませて欲しい。床と座面の間隔に余裕を持たせたのは良いが、座面の角度は水平に近く、着座姿勢の安定性はいま一歩だ。

ホイールベースを先代モデルより拡大したので、足元の空間は広い。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る同乗者の膝先空間は握りコブシ3つ弱。これだけの余裕があれば、4名で移動する時も快適だ。

ちなみに7人乗りも選べるが、この3列目は完全な補助席だ。膝が持ち上がって足元も狭く、頭上も窮屈になる。短距離移動用のシートと考えたい。

エマージェンシーブレーキパッケージ装着車には、自動ブレーキを伴う衝突回避の支援機能が備わる。車線逸脱の警報機能も備えて約8万円だが、作動する速度は時速80km以下。車間距離を自動制御できるクルーズコントロールも備わらない。もう少し機能を充実させたい。

■日産 エクストレイルの画像ギャラリーはこちら(インテリア)

日産 エクストレイル 2.0 20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列車 4WD日産 エクストレイル 2.0 20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列車 4WD日産 エクストレイル 2.0 20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列車 4WD日産 エクストレイル 2.0 20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列車 4WD日産 エクストレイル 2.0 20X エマージェンシーブレーキパッケージ 2列車 4WD

インパネはシンプルな印象だが、メーターの視認性やスイッチの操作性は良い

マツダ CX-5 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボマツダ CX-5 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボ

CX-5のインパネの仕上がりは、今回取り上げた3車の中では最もシンプル。「価格の高いクルマに見せよう」という意図を感じさせないデザインといえるだろう。

それでも質感に不満はなく、水平基調の配置ということで操作性も良い。エアコンのスイッチは、少し高い位置に装着されて手探りの操作がしやすく、一種の潔さを感じる。

フロントシートは、海外展開されている車種ということもあり、サイズに余裕を持たせた。運転席の着座位置を上下に調節する機能は、持ち上げると座面が水平に近づく。若干使いにくい面もあるが、シートのサポート性は良い。

リアシートは発売直後に比べて座面の柔軟性が増した。それでもサポート性が良いとはいえないが、不満は薄れた。床と座面の間隔も十分に確保している。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座る同乗者の膝先空間は握りコブシ2つ分。窮屈に感じる心配はない。

注意したいのは衝突回避の支援機能だ。アテンザやアクセラには、ミリ波レーダーを使ったスマートブレーキサポートが設定されるが、CX-5では赤外線レーザー方式のスマートシティブレーキサポートになる。すべてのグレードに標準装着されるが、作動速度は時速4~30km。遠方の車両を検知できないから、車間距離を自動制御するクルーズコントロールも備わらない。それでも今後のマイナーチェンジなどで、スマートブレーキサポートを設定する可能性はある。

斜め後方の並走車両を検知して、気付かずにレーンチェンジなどを開始すると警報を行う、準ミリ波レーダー方式のリアビークルモニタリングは設定されている。

■マツダ CX-5の画像ギャラリーはこちら(インテリア)

マツダ CX-5 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボマツダ CX-5 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボマツダ CX-5 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボマツダ CX-5 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボマツダ CX-5 2.2 XD Lパッケージ ディーゼルターボ

内装・装備の総評

居住性は3車種ともにファミリーカーとして満足できる。フロントシートの足元空間も十分に確保されて快適だ。セダンは天井が低く、後席に座ると腰が落ち込んだり頭上が窮屈になるが、SUVなら心配はない。4名で乗った時の居住性はミニバンと同等だ。

荷室は背の高いミニバンの3列目を畳んだ状態に比べれば狭いが、ワゴンと同等の積載性は確保されている。自転車などの大きな荷物を頻繁に載せるという使い方をしなければ、不満はないだろう。

さらに3車種とも、SUVでは床が低めだ。シートの着座位置も、乗り降りしやすい高さにある。

今回の3車の実用性は、少し背の高いワゴンという印象。日常的に使いやすく、外観には野生味も漂うから、趣味性と実用性の両立を求めるユーザーにはもってこいだ。

選ぶ時に注意したいのは自動ブレーキを伴う衝突回避の支援機能だ。CX-5は時速30km以下、エクストレイルは時速80km以下の作動にとどまる。ハリアーは高速域までカバーするが、設計が古く、斜め後方の並走車両は検知しない。安全装備では先進的とされるスバルのアイサイトも、前方の検知にとどまるから、各メーカーとも進化の余地を残している。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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