トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ どっちが買い!?徹底比較(4/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
【トヨタ 新型ヴォクシー・新型ノア vs 日産 セレナ 総評】
以上を比較すると設計が新しい分だけ新型ヴォクシー&新型ノアが優勢だが、最も大きな欠点として衝突回避の支援機能が非設定になっている。
セレナはカメラ方式を採用した。セレナも作動する速度域は時速10~80kmで、スバルのアイサイトに比べて機能が見劣りするが、得られる安全性は決して低くない。目下のところ新型ヴォクシー&新型ノアも開発中だから、今後の一部改良やマイナーチェンジで装着されるだろう。
セレナについてはエマージェンシーブレーキと併せて車線逸脱警報の機能も装着されている。サイド&カーテンエアバッグは新型ヴォクシー&新型ノアは全車にオプション設定としているが、セレナでは20G・Sハイブリッド以上になってしまう。エアバッグは、新型ヴォクシー&新型ノアの方が装着しやすい。
価格の割安感は、新型ヴォクシー&新型ノア、セレナともに互角。
20X・Sハイブリッドは、エマージェンシーブレーキを装着して238万4,550円だ。新型ヴォクシー&新型ノアはノーマルエンジンを積んだXの8人乗りが237万円になる。新型ヴォクシー&新型ノアに衝突回避の支援機能は装着されないが、Xであればセレナ20X・Sハイブリッドがオプションにしているスライドドアの電動機能が左側に装着され、LEDヘッドランプも付く。
セレナのエマージェンシーブレーキの価格換算額は6~7万円なので、装備の違いを補正すれば割安感は同等だ。ミニバンは大半の車種が国内専売で、海外の事情に左右されにくい。そして2リッターエンジンを搭載して標準ボディを5ナンバーサイズに抑えた背の高い売れ筋ミニバンは、ヴォクシー&ノア/セレナ&ランディ/ステップワゴンに限られる。
いうなれば新型ヴォクシー&新型ノアには「後出しジャンケン」の優位があり、機能全般で見ればセレナを上まわった。
それでも安穏としてはいられない。2014年中にステップワゴンがフルモデルチェンジを行い、あらゆる部分でヴォクシー&ノアとセレナを上まわるように煮詰めてくるだろう。
となれば新型ヴォクシー&新型ノアも安全装備の充実を含めて、商品力をさらに高めないと販売面で差を付けられる。同様の競争関係は軽自動車にも見られ、お互いが刺激し合って商品力を高めて行く。日本専売の車種は人気車にならないと成り立たず、日本のユーザーの生活を見据えた開発を行う。
セダン/ワゴン/SUVなど、海外向けの商品との決定的な違いもそこにある。表現を変えれば、日本のメーカーが日本のユーザーのために開発するのは、今では軽自動車とミニバン、一部のコンパクトカーだけになった。
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