フォレスター・アウトランダー・CX-5 徹底比較 -個性派ユーザー注目の新型SUVが出揃った!-(4/4)

フォレスター・アウトランダー・CX-5 徹底比較 -個性派ユーザー注目の新型SUVが出揃った!-
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先代に比べ操舵感は穏やかだがライバル2車に比べると機敏に良く曲がる

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先代フォレスターは、高重心のSUVでは良く曲がる部類だった。現行型は操舵感が少し穏やかになったが、それでもライバル2車を含めたほかのSUVに比べると、機敏でスポーティーだ。水平対向エンジンの低重心も魅力。現行型はドライバーの視線が30mmほど高まり、感覚的には腰高になったが、走行安定性はSUVを意識させない。後輪の接地性を確保した上で、自然に曲がる。

2.0i-Sアイサイトが装着するタイヤは、18インチ(225/55R18)のブリヂストン・デューラーH/L400。乗り心地は街中では少し硬いが、SUVらしく足まわりが柔軟に伸縮して粗さは感じない。

注意したいのはターボモデルの2.0XT。同じタイヤを装着しながら足まわりの設定が異なり、かなり硬い印象だ。逆に2.0i-Lアイサイトの17インチは、操舵感が穏やかになる代わりに乗り心地も快適。グレードによって乗り心地と操舵感が異なるので、購入するなら2.0i-L、2.0i-S、2.0XTのすべてを試してから結論を出したい。

動力性能は、エンジンは先代型と同じだが(後期型で新型に変更した)、ATが4速から無段変速式のCVTに変わり、加速感に余裕が生まれた。車両重量は1490kgに達するものの、ノーマルタイプの2リッターでも力不足は感じない。最大トルクの発生を現状の4200回転から3600回転くらいに下げると、さらに余裕が増すが、一般的には十分な性能だろう。

現行型になってXドライブも備わり、走破力を向上。後席も含めて居住性も満足できる。価格は全般的に割安で、買い得なSUVに仕上げた。機能に対して価格の安いグレードを求めるなら、2.0i-Lアイサイトを選ぶと良い。

快適な乗り心地、運転感覚が優しく飽きのこないSUVに仕上げられた

三菱 アウトランダー三菱 アウトランダー

先代型は外観と同様、運転感覚もスポーティ。機敏に良く曲がる半面、危険回避時などは後輪の横滑りを誘発しやすかった。開発者は「先代型を開発した時は、企業イメージの統一を図るため、全車種にわたり元気の良い走りを表現した。そのために走行安定性が少し低かったが、現行型では改めた」と言う。

このコメント通り、現行型の走りはバランスが良い。過敏だった操舵感が適度に穏やかになり、後輪の接地性は大幅に向上。タイヤは18インチ(225/55R18)のトーヨーA24だが、乗り心地は快適だ。外観や内装イメージ通り、上質な印象に仕上げた。S-AWCを装着すれば、速度を高めて曲がった時でも旋回軌跡が拡大しにくい。

改善を要するのはエンジンノイズ。2300~3000回転付近は、常用回転域でもあるから、音量と音質をマイルドに抑えて欲しい。

動力性能は、排気量が2.4リッターとあって幅広い回転域で十分と受け取られる。高速道路や峠道の登坂路に差し掛かっても力不足を感じにくい。4000回転を超えて車速の上昇が活発になるが、排気量に余裕があるから不都合は生じない。

現行アウトランダーは、外観が丸みを持つこともあってSUVらしさが乏しい。個性に欠ける印象も受けるが、運転すると乗り味の優しいクルマだと気付く。第一印象でインパクトの強い車種は概して飽きやすいが、アウトランダーは逆だ。使い込むほど体に馴染んでくる。

車両の性格を考えると、後席の座り心地はもう少し向上して欲しいが、3列目の補助席も装着されてミニバン的な機能も併せ持つ。SUVらしさが希薄な代わりに、ユーザーの趣味性や用途を限定しない間口の広さが魅力だ。

SUVの性格にピッタリなディーゼル、正確性の高い操舵感も満足できる

マツダ CX-5マツダ CX-5

CX-5はさまざまな面で目立ち度が強い。特にクリーンディーゼルターボは圧巻。発進時は唐突に飛び出す印象を抑えるため、スロットルの開き方を穏やかにしたが、最大トルクが発生する2000回転前後で巡航している時の走りは余裕満点だ。軽くアクセルを踏み込めば高い駆動力が沸き上がり、快適な運転を楽しめる。

このディーゼルは、SUVとの相性が良い。SUVは長距離の移動に向くが、実用回転域におけるディーゼルの駆動力も、長時間の運転を安楽にしてくれる。長距離移動に伴う燃料代の節約という点でも有利だ。

ただしターボの装着もあってエンジンは重く、前輪側の荷重は2リッターのガソリンを約100kg上まわる。峠道では少し曲がりにくく、タイヤはトーヨー・プロクセスR36の19インチ(225/55R19)を装着したい。17インチに比べて、外側に位置する前輪を中心に、旋回時の踏ん張り感が増すからだ。乗り心地は少し硬いが、適度な引き締まり感があって粗さはなく、快適性を損なわない。

また、プラットフォームやサスペンションの設計が新しいため、小さな舵角から車両が正確に反応する。ボディの重さは感じるものの、運転が楽しいと感じさせる。

注意したいのは取りまわし性。全幅が1840mmと幅広く、最小回転半径はライバル2車の5.3mに対してCX-5は5.5mだ。ライバル2車と違ってボンネットも見えにくい。ひとまわり大きなクルマと感じられる。ライバル2車にも当てはまる話だが、斜め後方の視界も良好とはいい難い。

そこで狭い道の通行、車庫入れなどを試し、不満がなければ買い得といえるだろう。特にディーゼルは2リッターガソリンとの「エンジン価格差」が38万円と安い。エクストレイルは69万円、同じ組み合わせのアテンザでも40万円だ。CX-5はディーゼルが本命になる。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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