ダイハツ「ハイゼットキャディー」はウェイクの販売不振が生み出した軽商用車の隙間商品?【新型車解説】(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:ダイハツ工業株式会社
軽商用車であれば高い天井が歓迎される!?
このような状況なのに、ウェイクは2016年5月に行った一部改良で、実質的な値上げをしたから不可解だ。
例えば最も安いウェイクDの価格は135万円で改良前と同額だが、標準装着されていたLEDヘッドランプをオプション設定に変更した。オプション価格はLEDフォグランプなどとセットで5万9400円だから、LEDヘッドランプに限定しても4万5000円相当の装備を省いたことになる。
もともとウェイクは、軽乗用車では価格が高めだった。しかも同じダイハツ車の「タント」は、ウェイクに比べて全高が85mm下がるものの、十分な室内空間が備わって左側には開口部がワイドなスライドドアも装着する。そして価格はウェイクよりも割安だから、タントは今でも販売ランキングの上位に入り、後発のウェイクが太刀打ちできない。
つまりウェイクの高い天井はユーザーのニーズを超えていて、そこに価格の上乗せが生じたから、売れ行きが伸び悩んだ。
ところが軽商用車であれば、乗用車と違って作業性が重視され、高い天井が歓迎されるかも知れない。この可能性に賭けたのがハイゼットキャディーだろう。
気になる価格帯は・・!?
そうなると価格も重要だ。
金額だけを見るとウェイクよりも安いが、セットオプションが多い。装備の違いを差し引きすると、後席を省いたことによる価格の低下は約10万円と換算できる。ウェイクの後席は左右独立式で240mmスライドできる機能が備わり、コンパクトな折り畳みも可能。価格を10万円下げても、割安とはいえない。
そしてウェイクでは、ターボが4万円弱の価格換算で装着されるが、ハイゼットキャディーでは約9万円に増える。車両重量は自然吸気のノーマルエンジン車でも970kgと重く、ターボを希望するユーザーも少なくないから、ウェイクと同じく割安に抑える必要がある。
JC08モード燃費は、2WDでノーマルエンジンを積んだDが25km/L、ターボのXが22.4km/Lだ。ウェイクの25.4km/L・23.8km/Lに比べると少し下がる。
エコカー減税は、2WDのノーマルエンジン車は自動車取得税と同重量税が免税、ターボは60/50%の減税だ。ウェイクは軽乗用車だから基準が異なり、ノーマルエンジン車も60/50%の減税にとどまるので、ハイゼットキャディーが少し有利な面もある。
軽自動車税はグリーン化特例の期間を除くと、自家用の軽商用車であれば年額5000円だ。軽乗用車は年額1万800円に値上げされたから軽商用車は安い。
注意したいのは車検期間で、軽乗用車は初回車検が3年後、その後は2年ごとだが、軽商用車は初回から2年ごとだ。購入して3年弱で代替えするユーザーは、軽商用車だと車検を1回取らねばならない。
以前は、商用車だと任意保険に年齢条件を付帯できず、35歳以上に限定できるユーザーなどは保険料が割高になったが、今は個人ユーザー(法人を除く)については年齢条件を付帯できる自動車保険が増えた。それでも年齢条件を付帯したいユーザーは注意したい。
スマートアシストIIは必ずほしいところ
グレードを選ぶ時は、赤外線レーザーと単眼カメラを使って緊急自動ブレーキを作動できるスマートアシストIIは必ず装着したい。
快適装備も考えると、ノーマルエンジン車であれば電動格納式ドアミラーなどを装着したデラックスSAII(132万3000円/2WD)、ターボならX・SAII(142万200円/2WD)を推奨する。
前述のようにターボは価格が割高だが、ノーマルエンジンではボディが重いために登坂路などで力不足を感じる。大きな交差点を右折する時なども、慣れないと発進加速が鈍く対向車と接近する心配が伴う。ハイゼットキャディーだけを使うなら問題ないとしても、小型&普通車と併用するユーザーは注意が必要だ。X・SAIIも積極的に検討したい。
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