ダイハツ 新型タント[プロトタイプ]試乗│期待しといてゼッタイ損ナシ! “DNGA”第一弾に先行試乗(3/3)

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新型タントの運動性能と質感の高さはもはや感動レベルに達していた!

そしてこんだけカッチリしてるんだから、直進安定性なんて言わずもがな。ホームストレートでベタ踏みしたってハンドルにはブレひとつ伝わってこないってどういうこと!? 特にファーストコーナー飛び込みの際、ハードブレーキングに対しても車体がブルブル・バタバタしない。ピタ~っと鼻先が沈み込んで、きっちり次の操作に移るまでに減速を受け止めていなすんだから、この質感たるや感動レベルだ(そう、ちなみにカックンブレーキにならない制動の質感もとてもいい)。

日常域での使用の際には、疲労感の少なさにびっくりすることだろう。

そう、このコーナリング性能に代表される運動性能の高さこそDNGAの恩恵に他ならない。

従来設計ではボディ、サスペンションなどそれぞれのパーツを合体させて製造する手法であったけれど、DNGAではまずサスペンションアレンジ(入力のコントロール)があるのだという。そのためにボディ骨格配置も最適化するし、軽量・高剛性を追求するのだそうだ。軽量は現行比で-80kg! もともと軽量な軽自動車パッケージでコレは脅威の数字でもある。結果、新型タントの加速は13%向上し、実燃費も20km/L以上を実現させたというわけだ。

トヨタ RAV4やレクサス UXにも搭載されているシステムを贅沢にも採用

ちなみに今回、CVTも自社製だ。D-CVT(Dual CVT)はベルトとギアを併せ持ち、小さなギアで加速~低速側を、通常のCVTと同じベルト変速で高速/ハイギア域をカバーするという画期的なもの。つまり、ベルトとギアで変速するスプリットモードと通常のベルトモードを使用状況によって切り替えることで、従来CVTのネガティブ(走り出しのモタつきに代表される伝達効率の低さや静粛性)を低減した。

同様のシステムがトヨタ RAV4やレクサス UXにも搭載されている(Direct Shift-CVT)が、これほどに機構が複雑なもの=高価なものが軽自動車、しかもタントに搭載されるのはなんというか、もうスゴイの一言に尽きる。これもまたDNGAならではの展開を見越した搭載の賜物だろう。

DNGAはダイハツが近未来の世界戦略を見越した先行投資なのだ

この新プラットフォーム(おそらくパワーユニットも含めて)は軽自動車だけでなく、A/Bセグメントまでをも網羅するもの。さらに2019年以降には、同社は順次ハイブリッドやEV(電気自動車)も導入していくと宣言している。

今後はDNGAを整備したことで良品をリードタイム少なく顧客に適正価格で届けることができるようになるため、フルモデルチェンジの台数を従来年間2.5車種だったところを4車種にまで拡大するのだそうだ。その展開は世界90カ国を視野に、15タイプ21車種にのぼるという。

そう、これはダイハツの先行投資。海外展開を見据えて品質の高いプラットフォームを作成し、海外工場の生産ラインでの製造でも世界中にバラツキのない品質を届けられる、というのが真の狙いなのだ。

ひとまずその第一弾、新型タント。7月の正式発表を是非期待して欲しい。

[筆者:今井 優杏/撮影:茂呂 幸正]

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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