目指したのは「4人乗りのコペン」ダイハツ キャストスポーツ 試乗レポート(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:小林岳夫・茂呂幸正
ダイハツがコペンで考える「軽スポーツのあり方」とは
ダイハツ コペンは確かにハンドリングの楽しい軽スポーツだが、サスペンションのストローク量も車体を考えれば驚くほど多く、しなりとロールを生かしてコーナリングをするようなソフトな性格に味付られている。その辺は同じ軽オープンでもホンダの「S660」と明確に性格を分けているところだ。S660はもっと地を這うようだし、もっと路面のインフォメーションを拾いまくる。
コペンにはMTも用意されているのだが、このMTもアジアで商用車用に使っているユニットを逆輸入したもの。つまりスポーツを思わせるショートストロークではなく、パタンパタンとゆっくり操作しながら味を引き出すような実用系MTなのだ。
つまりコペンをベースにしたキャスト スポーツもそれなりに癒し系。だからコペンのそれをベースにしたアブソーバーもギンギンに固めました!というのでは無論ない。
今回の試乗コースでは、むしろクルマの特性を引き出すには酷なんじゃ……とおもうほどに勾配の強い山道を選択してみたのだが、キツイRの連続ではこのロールを生かしてコーナーをクリアするには若干のテクニックが必要になる感じ。あくまでも山道をバンバン走るためだけに選ぶ人には、もう少し固めてくれてもいい。
しかし、だからこそ普通に一般道を走るには、なんならノーマルサスよりも心地がいいのだ。
小さなギャップはササっといなし、大きなギャップはゴクっと乗り越える。それでいて適度なインフォメーションがハンドルから返ってくる「対話感」は健在。
ホント、軽自動車にモノ足りなさや接地感への不安を抱いていた人にはエエ塩梅だと思う。実用域でちゃっかりスポーツを味わえるのだもの。
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