遂に、軽をお手本に造られた新時代の小型車が現れた!/新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」試乗レポート(5/6)

遂に、軽をお手本に造られた新時代の小型車が現れた!/新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」試乗レポート
新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎 画像ギャラリーはこちら

スタビライザーの追加などにより、より自然なハンドリング性能を得る

新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎

走行安定性は、先代型では旋回時にボディが唐突に傾いて不満だったが、新型ブーン/パッソは満足できる。旋回時や車線変更におけるボディの傾き方は小さくないが、姿勢の変化が穏やかに進行するから挙動を乱しにくい。

背景には新型のさまざまな改良がある。

ボディの各部に補強を施し、先代型では非装着だったスタビライザー(ボディの傾き方を制御する棒状のパーツ)を前後の足まわりに組み込んだ。

新型ブーン/パッソのリアサスペンションはトーションビーム式だから、構造的にスタビライザー効果を発揮するが、別途装着することで横方向の剛性などを向上させている。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)を50mm伸ばして2490mmとした効果も大きい。

さらに、ステアリングの支持剛性も高めて、操舵感の曖昧さを払拭した。操舵に対する車両の反応は、スポーティーカーではないから少し鈍いが、おおむね自然な感覚で運転できる。

後輪の接地性や操舵感覚には更なる改善を望みたい

新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎

その上で気になったのが後輪の接地性だ。

通常の走行では問題ないが、危険回避時には後輪の踏ん張り感が若干削がれやすい。この傾向は新型ブーン/パッソのプラットフォーム(2004年に発売された初代モデルから基本構造を変えていない)が備える特性で、同じベースを使う「bB」や「クー」(生産を終了)では、さらに助長されていた。

またステアリングのギヤ比が少しスローで、ハンドルを左端から右端までいっぱいに回すロック・トゥ・ロックが3.6回転に達する。なので操舵が忙しい。

新型ブーン/パッソでは先代型に比べると走行安定性を引き上げたから、12%ほどクイックにしてロック・トゥ・ロックを3.2回転程度に抑えると、駐車場などでの取りまわし性も良くなる。

新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎

この点をダイハツの開発者に尋ねると、以下のような返答であった。

「走行安定性は先代型に比べるとかなり向上したが、後輪については、もう少し改善を加えて高める余地がある。ステアリングのギヤ比を先代型と同じ値にしたのも、そのためだ。

現状でクイックにすると、後輪の接地不足がさらに強調されやすい。とはいえ今にして思えば、もう少しクイックにする方法もあっただろう」。

乗り心地の不満はほぼなし

新型「ダイハツ ブーン/トヨタ パッソ」[BOON CILQ(ブーン・シルク)/PASSO MODA(パッソ・モーダ)] 試乗レポート/渡辺陽一郎

乗り心地は硬めだが、1~1.3リッターエンジンを主力に搭載するほかのコンパクトカーと比べると、平均水準には収まる。

タイヤは14インチ(165/65R14)で、試乗車の銘柄は「ダンロップ エナセーブ EC300」。低燃費性能に寄与するエコタイヤで、指定空気圧は転がり抵抗を抑えるために前後輪とも250kPaと少し高い。

その割には、前述の改善でタイヤが路上を細かく跳ねる粗さを防いだ。ほかのコンパクトカーから新型ブーン/パッソに代替えしても、乗り心地の不満は感じないだろう。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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