キャデラック ATSセダン プレミアム[2015年モデル] 試乗レポート/今井優杏(4/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:茂呂幸正
エレガントな内装にマッチしたオトナな足回り
さて、実は2013年のATS日本導入の際、最も気になったのはアシの異様な締まりであった。キャデラックというブランドイメージを100%裏切るくらいにガチガチに固められたセッティングは、さすがニュルでガシガシ鍛えられただけあってかなり攻めていた。しかも設定されていたのは18インチがサマータイヤ、17インチがランフラットタイヤと、双方路面のアタリ的にはややガツガツが気になったのは否めない。
しかし今回、その異様なほどのカタさはほぼ上手にいなされていた印象である(2015年モデル:18インチのランフラット・サマータイヤ)。もちろんそれなりに締まった方向ではあるが、リア席でコーヒーも飲めんわ、という感じではない。エレガントな内装にマッチしたオトナな足回りとなっていたのは好印象だった。
これには接着などの工法を工夫して軽量化・高剛性化に取り組んだことも高影響を与えているようだ。
静粛性の向上も追記したい。
古くからGMとの密接な関係性にあるBOSE製アクティブノイズキャンセレーションは、今やイヤホン型にまで小型化されているが、その技術でエンジンの低回転時に発生する音を相殺し、快適性の向上に努めている。
ヴァリューとプラスアルファの魅力を備えた新型ATS
つまるところ、このATSの利点は“チャラい見た目に反してカッチリした走り”にある。
しかも我々の試乗した“プレミアム”グレードは諸々くっついて499万円。ナビゲーションシステムを含むCUE統合制御ナビゲーションだけ別売りの35万円だが、あれこれオプションを選択しなくても最初から安全モノも快適モノもくっついてきちゃうシンプルさだ。さすがクルマにヴァリューとプラスアルファを求める北米市場において育ったキャデラック。だからこそ、どっかの家具屋さんじゃないけど『お値段以上』のアレコレがみっちり詰まっているのである。
スタイリッシュなセダンが気になるならば、ショッピングリストに加えても損はない。その独特の内外装の世界観を、是非味わってほしい。
※画像をクリックすると、より詳細なキャデラック ATSセダン プレミアムをチェック出来るフォトギャラリーページへとジャンプします。
CADILLAC ATS SEDAN Premium[FR] 主要諸元
全長x全幅x全高:4680x1805x1415mm/ホイールベース:2775mm/車両重量:1580kg/駆動方式:後輪駆動(FR)/エンジン種類:直列4気筒 インタークーラー付ターボ DOHC 直噴ガソリンエンジン/総排気量:1998cc/最高出力:276ps(203kW)/5500rpm/最大トルク:40.8kg・m(400N・m)/3000-4600rpm/トランスミッション:6速オートマチックトランスミッション/タイヤサイズ:(前)225/40RF18 88W(後)255/35RF18 90W/メーカー希望小売価格:4,990,000円[消費税込み]
※試乗・撮影車には「CUE 統合制御 ナビゲーションシステム」(350,000円)と「有償ペイント(ブラックダイヤモンドトゥリコート)」(129,000円)等をオプション装着。
この記事にコメントする