キャデラック 新型スポーツセダン「ATS」[2013年モデル]試乗レポート/岡本幸一郎(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:佐藤正勝[ATS Premium]/茂呂幸正[ATS Luxury]
直4・2リッター直噴ターボエンジンの実力を試す
セーフティのデモに続いて、一般道も試乗した。
パワートレインも、これまでのキャデラックのイメージとは一線を画する。V8の半分のシリンダー数で、排気量もわずか2リッターという直4 直噴ガソリンターボエンジンを搭載するのだ。これが最高出力276ps[203kW]と強力。6速ATが組み合わされる。実際にも性能的には十分で、燃費も良好だ。
さらにラミネートガラスやアクティブ ノイズ キャンセレーションの採用が効いてか、静粛性がかなり高いことも印象的だった。
ATSラグジュアリーには付かず、上級のATSプレミアムのみに与えられる装備として、走りに関して違いのある点というと、タイヤが17インチから18インチになるほか、機械式LSDや、一般的なオイルダンパーに替えて、磁性流体減衰力制御システムであるマグネティック ライドコントロールが与えられ、クイックレシオのステアリングが与えられる。
LSDや同種のダンパーというのは、競合車に対しても珍しい装備といえる。
ニュルブルクリンクで鍛えた、軽快で一体感ある走り
このところキャデラックでは、ドイツ・ニュルブルクリンクでの開発に積極的で、ATSも剛性感のあるボディ、遅れや鈍さを感じさせないステアリング応答性、ひきしまった足まわりなどにより、かつてのキャデラックとは一線を画する、軽快で一体感のあるハンドリングを実現している。
ニュルブルクリンクで走りを鍛えたというだけに、限界性能もかなり高そうだ。往年のキャデラックというイメージとは正反対にあり、最近では同社のCTSやドイツのDセグメント車に近い感覚だ。
ちなみに前後重量配分について、車検証を確認すると、きっちり前後の軸重が同じ数値になっていた。欲をいうと、足回りにもう少ししなやかさが欲しいところだが、まだおろしたての新車だったせいもありそうで、もう少し距離を走った個体に乗ると、また印象が違ってくるかもしれない。
ライバル車を上回るバリュー、そして独自性
そんなATSは、もちろんこの斬新なデザインもATSを選ぶ、ひとつの大きな理由となりうるだろうし、ATSラグジュアリーが439万円、前述の安全装備やその他諸々の装備が標準付くATSプレミアムが60万円高の499万円という価格設定も、内容を考えると非常に割安感がある。
これは、ATSが仮想敵としている「メルセデス・ベンツ Cクラス」、「BMW 3シリーズ」、「アウディ A4」あたりのドイツのプレミアムブランド車に対しても優位点であり、装備の充実度は、むしろ上回るほどだ。ATSは、ドイツ勢の圧倒的に強い日本のDセグメント市場において、彼らに一矢報いる存在となるに違いない。
[レポート:岡本幸一郎/Photo:佐藤正勝(ATS Premium)/茂呂幸正(ATS Luxury)]
CADILLAC ATS Premium[2013年モデル] 主要諸元
全長x全幅x全高:4680x1805x1415mm/ホイールベース:2775mm/乗車定員:5名/ハンドル位置:左/車両重量:1580kg(スライディングルーフ装着車は1600kg)/エンジン種類:直4 ガソリン直噴 DOHC インタークーラー付ターボチャージャー エンジン/総排気量:1998cc/最高出力:276ps(203kW)/5500rpm/最大トルク:35.9kg-m(353N・m)/1700-5500rpm/燃料消費率/市街地燃費[Urban]:約8.6km/L(11.6リットル/100km)/燃料消費率/郊外燃費[Extra urban]:約15.9km/L(6.3リットル/100km)/燃料消費率/総合燃費[Combined]:約12.2km/L(8.2リットル/100km)[※燃費は全て欧州値]/駆動方式:後輪駆動(FR)/トランスミッション:6速AT/タイヤサイズ:[前]225/40RF18 88W・[後]255/35RF18 90W(ランフラットタイヤ)/車両本体価格:499.0万円[消費税込み]
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