ホンダ 新型WR-Vの燃費やグレードの違いなどを解説|おすすめは234万9600円のZグレードだ

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ホンダでは他車種に比べて割安なSUVとして、2023年12月21日(木)に新型WR-Vが発表されました。生産や納車は2024年3月22日(金)から行われます。

そこでカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんがテストコースでの試乗を踏まえ、新型WR-Vのグレードやライバル車との違いなどを解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型WR-Vのレビュー・評価
  2. 新型WR-Vの外観(エクステリア)
  3. 新型WR-Vの内装(インテリア)
  4. 新型WR-Vの荷室
  5. 新型WR-Vのエンジン
  6. 新型WR-Vのプラットフォーム
  7. 新型WR-Vの走行性能
  8. 新型WR-Vの乗り心地
  9. 新型WR-Vの燃費
  10. 新型WR-Vのグレード構成と価格
  11. 新型WR-Vのライバル車比較

新型WR-Vのレビュー・評価

外観

4.0

★★★★☆

内装・居住性

3.0

★★★☆☆

走行性能

3.0

★★★☆☆

運転のしやすさ

4.0

★★★★☆

乗り心地

4.0

★★★★☆

燃費

4.0

★★★★☆

価格の割安度

4.0

★★★★☆

新型WR-Vの良い点

・後席や荷室が広く、4名乗車や荷物を積む用途に適する

・走行安定性と乗り心地のバランスが優れている

・価格はさらにコンパクトなトヨタ 新型ヤリスクロスと同程度に抑えた

× 新型WR-Vの気になる点

・内装の質はコンパクトSUVの平均水準で、ホンダ 新型ヴェゼルには負ける

・サイドブレーキはレバー式で馴染みやすいが、古さも感じる

・登坂路ではエンジンノイズが拡大して少々耳障りに感じる

新型WR-Vの外観(エクステリア)

新型WR-Vの外観(エクステリア)は野性的で、アウトドアライフをイメージさせます。都会的な新型ヴェゼルとは対称的です。

トヨタ車でいえば、新型ヴェゼルは新型ハリアー風で、新型WR-Vは新型RAV4に近いです。

新型WR-Vの試乗を開始すると、運転のしやすさに気付きました。ボンネットの左右が持ち上がり、ボディの先端や両端の位置が分かりやすいです。

注意したいのは後方視界で、リアウィンドウの下端を後ろに向けて持ち上げられている点です。

新型WR-Vの外観(エクステリア)に塊感や躍動感を与えるためですが、後方視界を少し損なっています。

新型WR-Vの開発者は「開発の初期段階では、もっとデザイン性を重視して後方視界が悪かった。これでも開発の過程で視界を改善させた」と述べました。

それでも水平基調なので、ボディの四隅は分かりやすく、最小回転半径も5.2mに収まります。昨今のSUVでは、運転しやすい部類に入ります。

新型WR-Vのボディサイズ

新型WR-Vのボディサイズは、全長が4325mm、全幅は1790mmなので、新型ヴェゼルと同等です。ただし全高は1650mmで、新型WR-Vが60mm〜70mm上まわります。

そのために新型WR-Vは、全長が4400mm以下のコンパクトSUVとしては、室内空間に余裕があります。新型ヴェゼルと比べても広々としています。

新型WR-Vの内装(インテリア)

新型WR-Vの車内に入ると、インパネのデザインはコンパクトSUVの平均水準です。新型ヴェゼルほど上質ではありません。サイドブレーキもレバー式で、スイッチ操作で作動する電動式は採用していません。

つまり車内は平凡ですが、逆にいえば、視認性や操作性が馴染みやすいです。

エアコンのスイッチは高い位置に装着され、直感的に操作できます。ATレバーも前後に動かすタイプで、10年前に新車で購入したクルマから乗り替えても、違和感は生じにくいでしょう。

新型WR-Vの座り心地

新型WR-Vの前席の座り心地は、サイズに余裕があり、腰をしっかりと支えます。肩まわりのサポート性も良いです。もう少し座面の前側を持ち上げる、あるいは腰を下げると、体がさらに確実にホールドされます。

新型WR-Vの後席は座面の前方が持ち上がっています。そのため、腰が適度に下がって体が安定します。

新型ヴェゼルに比べると、シートアレンジは乏しいですが、座面の造りは優れています。座り心地にボリューム感を持たせて、乗員を確実に支えます。

新型WR-Vに身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の頭上には、握りコブシ1つ弱の余裕があって新型ヴェゼルよりも広いです。膝先には握りコブシ2つ半の空間があり、前後方向の広さは新型ハリアーなどのLサイズSUVと同等です。

新型WR-Vの乗降性

新型WR-Vの乗降性も良好です。天井が新型ヴェゼルよりも高めなので、頭を大きく下げずに済みます。

前後席の間隔は新型ヴェゼルと同程度ですが、新型WR-Vの方がホイールベース(前輪と後輪の間隔)は40mm長いです。そのために後席の乗降時に、後輪の収まるホイールハウスが邪魔になりにくいです。

新型WR-Vの荷室

新型WR-Vは荷室にも余裕があります。荷室の床面を低く抑えたこともあり、後席を使っている時でも容量は458Lが確保されました。

新型ヴェゼルはボディサイズの割に荷室が広くても約400Lなので、新型WR-Vは空間効率が優れています。

新型WR-Vのエンジン

新型WR-Vのエンジンは直列4気筒1.5Lのノーマルタイプのみを搭載して、最高出力は118馬力(6600回転)、最大トルクは14.5kg-m(4300回転)です。

この性能は新型ヴェゼルのノーマルエンジンと等しいです。

新型WR-Vの駆動方式

新型WR-Vの駆動方式は、4WDは用意されず前輪駆動の2WDのみです。

新型WR-Vのエンジンの性格は、実用回転域の駆動力を重視して扱いやすく感じます。

新型WR-Vの動力性能は1.5Lエンジンの平均水準ですが、4000回転を超えると吹き上がりも活発になり、高回転域の伸びも良好です。

ただし、新型WR-Vのノイズは少々気になります。登り坂でアクセルペダルを踏み増すと、エンジン回転が高まると同時にノイズも拡大します。4気筒なので、3気筒のような粗さはありませんが、耳障りな印象をもう少し抑えて欲しいところです。

新型WR-Vのプラットフォーム

新型WR-Vのプラットフォームは新型ヴェゼルなどと基本的に共通ですが、燃料タンクは前席の下ではなく後席の下側に搭載されています。そのために新型WR-Vは、新型ヴェゼルに比べてシートアレンジが単純化されましたが、後席の座り心地は向上されています。

新型WR-Vの走行性能

そして新型WR-Vの走行安定性は、共通のプラットフォームを使う新型ヴェゼルに似ています。全高が60mm高いため、カーブを曲がる時のボディの傾き方は少し大きめですが、挙動の変化が穏やかでドライバーや乗員は不安を感じにくいでしょう。

また適度に大きな挙動変化は、ドライバーにとって車を操る楽しさを盛り上げてくれます。速く走るなら、低重心で傾き方の少ないクルマが有利ですが、運転の楽しさになると挙動の変化も大切な要素になります。

今回の新型WR-Vの試乗はテストコースで行われましたが、峠道のような曲がりくねった場所もありました。旋回軌跡を拡大させにくく、運転しやすいです。

また下り坂のカーブを曲がりながら危険を避ける操作を行っても、後輪がしっかりと接地して、回避操作を行った後で挙動が乱れる心配も抑えられます。安心感が高く、ドライバーや乗員に向けた優しさの感じられる運転感覚に仕上げられました。

新型WR-Vの乗り心地

新型WR-Vの乗り心地はコンパクトSUVでは優れた部類に入ります。時速40km以下で路面の荒れた場所を走ると、コツコツした硬さを感じられますが、タイヤが路上を跳ねるような粗さは抑えられています。速度が上昇すると快適になります。

新型WR-Vの後席は一般的に前席に比べて乗り心地が悪化しやすいですが、コンパクトSUVとしては快適です。床には振動が相応に伝わりますが、先に述べた通り後席の座面にボリューム感が伴うため、体で感じる乗り心地は快適なのです。

新型WR-Vのタイヤ

ちなみに試乗車のタイヤは、17インチのブリヂストン・トランザT005Aで、比較的上質です。指定空気圧も前輪が230kPa、後輪は220kPaなので、燃費向上のために過剰に高めることはしていません。タイヤの設定も乗り心地を快適にできた秘訣です。

新型WR-Vの燃費

その一方で新型WR-VのWLTCモード燃費は16.4km/Lなので、同じエンジンを搭載する新型ヴェゼルの17.0km/Lには達しませんが、悪くはないです。

新型WR-Vのグレード構成と価格

新型WR-Vのグレードは前述の通り2WDのみで、3種類を用意しました。

ベーシックなXグレード(209万8800円)、中級のZグレード(234万9600円)、上級のZ+グレード(248万9300円)です。

エンジンや足まわりのセッティングなどは全車共通です。

グレードによって異なるのは装備で、Xグレードにも衝突被害軽減ブレーキやLEDヘッドライトなどは標準装着されますが、推奨度が最も高いのはZグレードです。

価格はXグレードに比べて25万800円高いですが、17インチアルミホイール、LEDフォグランプ、荷室の荷物を隠すパーセルカバーなどが加わり、シート生地も上質になって車内のソフトパッドも加わります。

Z+グレードはZグレードに比べると13万9700円高く、主に外装がドレスアップされます。これは好みに応じて選べば良いでしょう。ベストグレードはZです。

新型ヴェゼルは先代型では1.5Lのノーマルエンジンが豊富に用意されましたが、現行型になってGグレードのみに絞りました。ハイブリッドのe:HEVが中心になり、価格帯も高まりました。

販売店からは「新型ヴェゼルでは予算を超えるお客様が、トヨタの新型ヤリスクロスなど他社のコンパクトSUVを選ぶ傾向が見られます」という話も聞きます。

そこで改めて、ノーマルエンジンを搭載する新型WR-Vをインドから輸入することになったのでしょう。

そのために新型WR-Vは実用性を高めて価格は割安に設定されています。

新型WR-Vのライバル車比較

新型ヴェゼルにノーマルエンジンを搭載するGグレード(239万9100円/2WD)に比べると、新型WR-V Zグレードはパーセルカバーなどが加わってアルミホイールも17インチになります。

他社のライバル車としては、新型ヤリスクロス Zアドベンチャーグレード(233万1000円/2WD)が同じ価格帯の筆頭に挙げられます。

ステアリングヒーターなどの装備は新型ヤリスクロスが充実されますが、新型WR-Vは後席と荷室が広く、エンジンノイズは小さくて乗り心地は快適です。

このように新型WR-Vは、車内の広さは新型ヴェゼルと同等で、外観は新型RAV4のようにアウトドア感覚を強め、価格は全長が100mm以上短い新型ヤリスクロスと同程度に抑えました。

ノーマルエンジンを省いた新型ヴェゼルの不利を挽回するため、買い得度を強めています。安価にSUVを手に入れたい方にはおすすめのモデルとなっています。

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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正】

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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