【2024年】メルセデス・ベンツ 新型GLC 220d VS レクサス 新型NXのサイズや価格などを徹底比較|新型GLCの上質感はライバルの新型NXを凌ぐ

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:小林 岳夫/メルセデス・ベンツ日本/MOTA編集部
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人気を高めたメルセデス・ベンツの中で、特に設計の新しい車種が、2023年3月にフルモデルチェンジを行った新型GLCです。

グレードは初代モデルにも設定されていたディーゼルエンジン搭載の四輪駆動モデル「GLC 220d 4マチック」のみとなっています。

そんな新型GLCのサイズや価格、ライバル車のレクサス 新型NXとの比較をカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型GLCのおすすめポイント
  2. 新型GLCのレビュー・評価
  3. 新型GLCの走行性能
  4. 新型GLCの基本スペック・価格表
  5. 新型GLCのボディサイズ
  6. 新型GLCの燃費
  7. 新型GLCの発売日と納期の目安
  8. 新型GLCのカラーバリエーション
  9. 新型GLCとレクサス 新型NXライバル比較

新型GLCのおすすめポイント

・内装が上質な仕上がりになっており、居住性も優れる

・ディーゼルエンジンで低燃費

新型GLCのレビュー・評価

新型GLCの総合評価 4.0 ★★★★☆

外観

4.0

★★★★☆

内装

5.0

★★★★★

走行性能

5.0

★★★★★

運転のしやすさ

3.0

★★★☆☆

乗り心地

4.0

★★★★☆

燃費

4.0

★★★★☆

価格の割安度

2.0

★★☆☆☆

新型GLCの良かった点

・ディーゼルは低燃費で運転感覚も優れている

・内装は上質で後席を含めて居住性も優れている

新型GLCの気になった点

・乗降性があまり良くない。全幅もワイドで気を使う

・2Lのディーゼルエンジン車としては価格が高め

新型GLCの実用面で気になったのは乗降性です。サイドシル(ドアを開いた時に下側に張り出す敷居の部分)が太く、乗員は足を大きめに開いて跨ぐ必要があります。

側面衝突時の安全性を向上させた結果ですが、子供や高齢者のいる世帯では、乗降性を確認しましょう。

新型GLCの総合評価の解説

外観

新型GLCはエンジンを縦向きに搭載する後輪駆動ベースのSUVです。全長は4720mm、全幅は1890mmとされ、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2890mmと長いです。

後輪駆動ベースなので、前輪駆動に比べて前輪が前寄りに設置され、ボンネットが長いです。背の高いSUVですが、外観がスマートに見えます。

内装

車内に入ると、インパネのデザインが斬新です。試乗車はAMGレザーエクスクルーシブパッケージを装着したので、ブラックのインパネには光沢があり、縦縞が入るなど個性的です。

インパネにエアコンの吹き出し口が5つ並ぶデザインも面白いですね。

シート

前席の座り心地は、メルセデス・ベンツらしく少し硬いです。背中から腰、大腿部までをしっかり支えるため、長距離を移動する時でも疲れにくいです。

峠道ではホールド性が優れ、着座姿勢も乱れにくいです。

後席の広さは、身長170cmの大人4名が乗車して、膝先空間は握りコブシ2つ分です。

全長が4700mmを超えるSUVでは、特に広くないですが、床と座面の間隔を十分に確保しました。足が前方に投げ出されず、大人4名が快適に乗車できます。

荷室

荷室はSUVとあって床が高いですが、荷室長を十分に確保しました。リヤゲートの角度を立てたから、背の高い荷物も積みやすいです。

荷室を広げるために、後席の背もたれを前側へ倒すと、助手席の背もたれも電動で前側に傾き、後席のヘッドレストが前席に引っ掛かりにくく配慮しています。

エンジン

新型GLCのエンジンは、直列4気筒2Lクリーンディーゼルターボです。最高出力は197馬力(3600回転)、最大トルクは44.9kg-m(1800〜2800回転)で、そこに17馬力のモーターを備えるハイブリッドシステムを加えました。

動力性能は、排気量が2Lに収まることを考えると余裕があります。アクセルペダルを踏んだ瞬間、高い駆動力が一気に立ち上がる特性は抑えましたが、吹き上がりは滑らかで力強いです。

4000回転を超える領域まで良く回ります。ノイズも小さく、低回転域で街中を走る時など、ディーゼルを意識させません。

安全装備・快適装備

ドライバーズパッケージにはエアマチックサスペンションも含まれます。コンフォートモードにすると、時速50km以下では若干の粗さを残しますが、穏やかな乗り心地になってメルセデス・ベンツのブランドイメージに合った快適性が得られます。ボディをしっかりと造り込んだことも、乗り心地の秘訣です。

このほか安全装備も進化して、自車が右左折する時、直進車両を検知して衝突被害軽減ブレーキを作動させます。作動速度域も高まりました。

運転支援機能も、路上の白線を認識する性能が良くなり、制御の正確性が向上しています。

新型GLCの走行性能

試乗車には、前述のドライバーズパッケージが装着され、この中には後輪操舵のリアアクスルステアリングも含まれています。低速域では、後輪を前輪と逆方向に操舵するため、最小回転半径は5.1mです。非装着の5.5mに比べて小回りの利きが良いです。

新型GLCの外観は水平基調で、後方視界も悪くないから、ボディが大柄なSUVでは車庫入れもしやすいです。

峠道などのカーブを曲がる時は、約2トンに達する車両重量や1600mmを超える全高をあまり感じません。カーブへ進入する時にはボディが相応に傾きますが、挙動の変化に唐突感がなく穏やかなので、不安定な状態に陥りにくいです。

速度の高いカーブでは、リアアクスルステアリングが後輪を前輪と同じ方向に向けるため、後輪の接地性が高まって走行安定性をさらに向上させています。

新型GLCの基本スペック・価格表

グレード

エンジン

ステアリング

価格(税込)

GLC 220 d 4マチック

(ISG 搭載モデル)

2.0L直4直噴ディーゼルターボ

820万円

2022年のブランド別輸入車販売台数ランキングでは、メルセデス・ベンツが1位になりました。ブランド全体で5万2391台を登録しています。かつて1位の常連だったVW(フォルクスワーゲン)は2位でした。登録台数は3万2229台ですから、2万台以上の差を付けられています。比率に換算すると、メルセデス・ベンツの売れ行きはVWの1.6倍で、圧倒的に多いです。

人気を高めたメルセデス・ベンツの中で、特に設計の新しい車種が、2023年3月にフルモデルチェンジを行った新型GLCです。

今回は新型GLC220d・4マチック(ISG搭載車)を試乗しました。試乗車にはAMGラインパッケージ(オプション価格は60万円)+AMGレザーエクスクルーシブパッケージ(66万円)+ドライバーズパッケージ(49万円)などが装着されています。

新型GLCのボディサイズ

全長

全幅

全高

ホイールベース

新型GLC

4720mm

1890mm

1640mm

2890mm

新型GLCの燃費

WLTCモード燃費は、新型GLC 220d 4マチックが19.1km/Lです。2023年4月上旬時点で、ディーゼルが使う軽油価格は1L当たり約150円ですから、1km当たりの走行コストは7.9円でになります。

下記で比較するレクサス 新型NX350h Fスポーツ4WDのWLTCモード燃費は19.9km/Lですが、使用燃料はプレミアムガソリンで、1L当たりの価格は約180円です。そうなると1km当たりの走行コストは9円です。つまり走行コストは、GLCが1km当たり1.1円安いです。

新型GLCの発売日と納期の目安

プレミアムミドルサイズSUVのGLCは2016年2月に発売されました。2023年3月には2代目が発表されました。ボディサイズはほぼ先代と変わっていませんが、グレードは初代モデルにも設定されていたディーゼルエンジン搭載の四輪駆動モデル「GLC 220d 4マチック」のみとなっています。2023年3月下旬より、2代目の納車も始まっています。

新型GLCのカラーバリエーション

ボディカラー

備考

ポーラーホワイト

オブシディアンブラック

オプション価格8万円

ノーティックブルー

オプション価格8万円

グラファイトグレー

オプション価格8万円

モハーベシルバー

オプション価格8万円

ハイテックシルバー

オプション価格8万円

スペクトラルブルー

オプション価格8万円

セレナイトグレー

オプション価格8万円

ダイヤモンドホワイト

オプション価格18万円

ヒヤシンスレッド

オプション価格18万円

新型GLCとレクサス 新型NXライバル比較

新型NXの総合評価 4.0 ★★★★☆

外観

4.0

★★★★☆

内装

4.0

★★★★☆

走行性能

4.0

★★★★☆

運転のしやすさ

2.0

★★☆☆☆

乗り心地

3.0

★★★☆☆

価格の割安度・燃費・維持費

3.0

★★★☆☆

新型NXの良かった点

・運転感覚が軽快で峠道をスポーティに走れる

・ハイブリッドはノイズが小さく走りが滑らか

新型NXの気になった点

・ボディ後部のピラーが太く、後方視界が悪い

・乗り心地や振動の伝わり方に改善の余地を残す

新型GLCに相当する国産のライバル車には、レクサス 新型NXがあります。現行NXの登場は2021年で設計が新しいです。

ボディサイズは全長が4660mm、全幅は1865mmとされ、新型GLCに比べて若干コンパクトながら同程度の大きさです。新型NXは新型GLCと違い、前輪駆動をベースにしたSUVです。

新型NXの前席は、基本的には新型GLCと同様の考え方でデザインされています。骨盤をしっかりと支えて、着座姿勢が乱れにくいです。長距離の移動に適したタイプです。

後席は足元空間が新型GLCに比べて少し広いです。前席に似た座り心地ですが、新型GLCよりも少し柔軟です。

新型NXは短距離の移動も視野に入れ、馴染みやすい座り心地に仕上げました。乗員が着座姿勢を変えやすいです。

荷室の広さは同程度です。後席を使った時の荷室床面長は、新型GLCが960mm、NXは982mmです。これだけの容量があると、大きな荷物も積みやすいです。

特に新型GLCは後席の背もたれを2段階に調節できます。大きな荷物を積む時は、背もたれの角度を立てることも可能です。

後席の下側に足を入れて、リヤゲートを電動で開閉する機能は、新型GLCは3万8000円のオプション、新型NXは全車に標準装着しています。

グレード比較

レクサス 新型NXで新型GLC220d 4マチックに相当するグレードは、直列4気筒2.5Lハイブリッドを搭載する新型NX350h・Fスポーツ4WDです。

2.5Lハイブリッドでは、モーター駆動の性格が強く表現され、静かで滑らかに吹き上がります。実用回転域の駆動力を中心とした動力性能は、新型GLCの2Lクリーンディーゼルターボが圧倒的に高いですが、新型NXでは登り坂などでエンジン回転が高まった時を除くと、静かな走りが特徴です。

カーブを曲がる時の新型NXの挙動には、今のレクサスの考え方が反映されています。車両の向きが機敏に変わり、軽快感が伴います。

峠道では、後輪を若干横滑り気味にして、素早く曲がることも可能です。この時も、挙動変化が穏やかで扱いやすいです。今では古典的な走り方ですが、そこも含めて、レクサスは運転の楽しさを追求しています。

それだけに新型NXの乗り心地は、新型GLCに比べると、硬めに感じる場面があります。ステアリングホイールを保持する掌に、路上のデコボコが振動として伝わってきます。要は新型GLCに比べて、スポーティ指向が強いのです。

車両価格の比較

車両価格は新型GLC220d 4マチックが820万円で、AMGラインパッケージ(60万円)だけを装着すると880万円になります。新型NX350h・Fスポーツ4WDの価格は、同程度の装備水準で644万6000円ですから、新型GLCは200万円少々高いです。

両車を比べると、プレミアムブランドらしさは新型GLCが濃厚です。特に操舵感、乗り心地、ディーゼルの特性はバランスが良く、上質なクルマに乗っていることを感じさせます。

これに対して新型NXは、全般的に新鮮味が強いです。外観はボディ後端のピラー(柱)が太いために後方視界は悪いですが、躍動感を持たせました。峠道などを走ると、適度に機敏に曲がります。

総合評価

SUVは重心が高く挙動の変化も大きめですが、新型NXは、そこを運転の楽しさに結び付けました。

単純に速さを競えば、低重心のセダンやクーペが勝ちますが、楽しさに重点を置くと、挙動が適度に変化するSUVの新型NXに注目すべき点があります。

つまり新型GLCはメルセデス・ベンツ、新型NXはレクサスのブランドコンセプトを明確に反映させた商品です。上質感では新型GLCが新型NXを上まわり、軽快な運転感覚では、逆に新型NXが勝っています。

なお欧州のプレミアムブランドは、SUVの価格を高めに全般的に設定します。機能や装備と価格のバランスだけで捉えると、日本車の新型NXが割安と判断されます。そこまで含めて、好みや用途に応じて選び分ければ良いでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/メルセデス・ベンツ日本/MOTA編集部】

メルセデス・ベンツ/GLC
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新車価格:
839万円998万円
中古価格:
202万円1,081.6万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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