BMWのカラーをしっかり受け継いだPHV、「330e/225xe」試乗レポート(3/3)
- 筆者: 大谷 達也
- カメラマン:佐藤正勝/BMW
エンジンで前輪、モーターで後輪を駆動する4WD
いっぽうの225xeは、BMW初の前輪駆動車(FF)としてデビューした「2シリーズ アクティブツアラー」がベース。FFらしいコンパクトなボディながら、背を高くすることで広々とした室内空間を実現したことが特徴です。
ただし、同じPHVでも330eとはずいぶん成り立ちが違っていて、こちらは3気筒 1.5リッターターボエンジンを搭載。さらに最高出力88psのモーターを組み合わせることで2.5リッター相当のパフォーマンスを実現しているのですが、エンジンとモーターの力が一緒になって後輪を駆動する330eとは異なり、225xeはエンジンで前輪を、そしてモーターで後輪を駆動する4WDとなっています。
ただし、いつでも4輪に駆動力がかかっているわけではなく、ときにはエンジンによって前輪だけを駆動していることもあるし、またあるときはモーターだけで後輪だけを駆動していることもあるのでご注意を。
前輪駆動がベースといっても、やはりBMWはBMWで、操作系の正確な反応ぶりは330eとまったく同じ。エンジンは1.5リッターでもターボとモーターの助けがあるので、走りは十分に力強く、330eに近い「駆け抜ける喜び」が味わえます。
ただし、やはりBMWは前輪駆動車作りの経験が浅いせいか、振動や騒音の処理はやや苦手。パンクしても一定距離は走行できるランフラットタイヤを装着しているため、乗り心地のゴツゴツとした印象を拭えない点も残念といえば残念です。
BMWのカラーをしっかり受け継いだ330eと225xe
実は、同じことは330eについてもいえます。しかも、こちらは乗り心地のゴツゴツ感だけでなく、高速道路を真っ直ぐ走っているときにもハンドルの落ち着きがあまりよくない、という傾向が見られます。
もっとも、これは330eだけでなく、歴代BMWの多くに見られる一種の伝統といえるもの。好意的に解釈すれば「コーナリングはめちゃくちゃ楽しいから、その分、高速道路はちょっとガマンしてね」というメッセージと受け止められないこともありません。
また、ランフラットタイヤは前述のとおりパンクしても一定距離は走行できるのが大きなメリット。
高速道路を走行中、急激に空気が抜ければタイヤそのものが壊れてスピンする恐れがあるし、高速道路の路肩に停車してタイヤを交換すれば大型車に突っ込まれて大惨事を招くことだってまれに起きます。言い換えれば、乗り心地が少し悪いのと引き替えに、大きな安心感を得られるのがランフラットタイヤともいえるのです。
BMW 330e M Sport 主要諸元
全長x全幅x全高:4645x1800x1430mm/ホイールベース:2810mm/車両重量:1770kg/乗車定員:5名/駆動方式:後輪駆動/エンジン種類:直列4気筒DOHCガソリンエンジン/エンジン総排気量:1998cc/エンジン最高出力:184ps(135kW)/5000rpm/エンジン最大トルク:27.5kgf-m(270N・m)/1350-4600rpm/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/動力用主電池:リチウムイオン電池/モーター種類:交流同期電動機/モーター最高出力:88ps(65kW)/2500rpm/最大トルク:25.5kgf-m(250N・m)2500rpm/トランスミッション:電子油圧制御式8速AT/燃料消費率:17.7km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:(前)225/45R18(後)225/40R18/メーカー希望小売価格:5,990,000円[消費税込]
BMW 225xe Active Tourer Luxury 主要諸元
全長x全幅x全高:4350x1800x1550mm/ホイールベース:2670mm/車両重量:1740kg/乗車定員:5名/駆動方式:4輪駆動/エンジン種類:直列3気筒DOHCガソリンエンジン/エンジン/総排気量:1498cc/エンジン最高出力:136ps(100kW)/4400rpm/エンジン最大トルク:22.4kgf-m(220N・m)/1250-4300rpm/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/動力用主電池:リチウムイオン電池/モーター種類:交流同期電動機/モーター最高出力:88ps(65kW)/4000rpm/最大トルク:16.8kgf-m(165N・m)3000rpm/トランスミッション:電子油圧制御式6速AT/燃料消費率:17.6km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:205/55R17/メーカー希望小売価格:4,880,000円[消費税込]
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