BMW 335iクーペ DCT 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 菰田 潔
- カメラマン:島村 栄二
伝達ロスを抑え、クーペがよりスポーティに
これまでのMモデルも2ペダルでも流体トルクコンバータのトランスミッションは使わなかった。
それはエンジンが発生したトルクをどれだけ駆動輪に伝えられるかという伝達効率にこだわったからだ。
流体トルクコンバータ式では86%くらいになってしまうが、乾式単板クラッチのMTなら96%くらいだといわれている。この10ポイントの差はエンジンの力を10%ダウンさせることと同じ意味がある。
そこで乾式単板式の2ペダルMTだったのだ。しかしダブルクラッチ式トランスミッションが開発され、M3でも使えるようになった。どうせ開発したのだからもっと広げようということで、今回の335iクーペとカブリオレに採用されたのだろう。335iにとっては伝達ロスの少ないトランスミッションということで、よりエコなドライビングを楽しめることが期待できる。
流体式トルクコンバータを使った6速ATもシフト時間は短いし、特に不満はなかったが、ダブルクラッチ式7速トランスミッションになってさらにダイレクトな加速感が得られるところがいい。ギヤ段数が多いことでトルク変動幅も小さく、ATでキックダウンして急加速になるケースでもスムーズである。ただし1速で走るような極低速域でアクセルペダルを踏んだり戻したりするような運転をすると、これまでのATにはない、少しギクシャクする感じもある。
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