ついに出たBMWのミニバン/BMW 2シリーズグランツアラー&アクティブツアラー試乗レポート(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
前輪駆動ながら、しっかりとのBMWが備える後輪駆動の特徴を受け継ぐ
そして前輪駆動でもBMWを実感させるのが操舵感だ。ハンドルを切り始めた時の小さな舵角から、車両の向きが正確に変わる。後輪駆動を採用するBMWの手応えを上手に演出した。
カーブを曲がる時の挙動もBMWらしい。3シリーズなどのセダンに比べて着座位置の高さは感じるが、ボディが唐突に傾くことはなく、動きが穏やかだから安心感が伴う。旋回中にデコボコを乗り越えても、ハンドルにショックが伝わりにくく、操舵角も影響を受けにくい。後輪駆動のBMWが備える特徴を受け継いだ。
ホイールベースを2780mmに伸ばしたことも影響している。機敏に向きを変える印象は薄れたが、安定性は優れ、背の高いボディには良い効果を得ている。
気になったのは乗り心地だ。細かな路面のデコボコを伝える安っぽさはなく、骨太な印象だが路面状況によって硬く感じる。
タイヤは17インチ(205/55R17)で常識的なサイズだが、Mスポーツには専用に設定された足まわりが備わり、これが硬さに結び付いた。ドライバーにとってはBMWらしい運転感覚が魅力といえるが、購入するならノーマルサスペンションのスタンダードやラグジュアリーも試したい。
正確な操舵感と穏やかな乗り心地の「グランツアラー」、機敏な運転感覚の「アクティブツアラー」
グランツアラーの個性を探るために、2列シートの『218d アクティブツアラーラグジュアリー』にも試乗した。218dはグランツアラーと同じ2リッターのディーゼルターボを搭載する新しいグレードになる。
これはMスポーツではないから乗り心地が快適かと思ったが、意外なことにグランツアラーよりも硬い。アクティブツアラーでは、すべてのグレードにMスポーツサスペンションが装着されるからだ。しかも前述のとおりホイールベースが110mm短いため、硬さがさらに強調された。
特に後席に座ると、背もたれ付近から振動が伝わる印象があった。これにはアクティブツアラーの後席が、グランツアラーよりも後輪に近いことが影響している。アクティブツアラーはホイールベースが短いのに、後席の足元空間は、グランツアラーの2列目を後端までスライドさせた時と同等だ。その分だけ着座位置が後輪に近づいたから、振動も伝わりやすい。
ちなみにタイヤは17インチ(205/55R17)をオプション装着していた。アクティブツアラーを購入するなら標準装着される16インチ(205/60R16)も試したい。
218dアクティブツアラーの動力性能は、同じ2リッターのディーゼルターボを搭載したグランツアラーと同じだが、ボディが短く3列目シートも装着しないために車両重量は110kg軽い。なので動力性能にはさらに余裕が生じた。ホイールベースが短いから、操舵感も機敏な印象だ。
このように同じ2リッターのディーゼルターボを搭載し、Mスポーツサスペンションと17インチタイヤという条件も等しいグランツアラーとアクティブツアラーだが、両車の違いはボディの長さと乗車人数にとどまらない。アクティブツアラーは運転感覚が機敏で、BMWの特徴を分かりやすく表現した。文字どおり峠道などをアクティブに走る使い方に対応できる。
一方のグランツアラーは、正確な操舵感などBMWの特徴を受け継ぎながら、長いホイールベースによって運転感覚と乗り心地を少し穏やかに仕上げた。高速道路を長時間にわたって走るグランドツアラー的な用途に適する。ボディの長さの違いを運転感覚に明確に反映させるクルマ造りは、いかにもBMW的だ。
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