アウディ Q8試乗│特別な休息がとても似合う流麗でエレガントなフラッグシップSUV(2/2)

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:小林 岳夫・Audi Japan/取材協力:Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN
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22インチは「クルマは四の五の言わずに見た目第一!」な方にオススメ!

さて、今回の試乗ではスポーティーな装備を備えたSラインと、ノーマルモデルを乗り比べたのだが、乗り心地は断然ノーマルに分がある。

Sラインにはスポーツサスペンションに22インチホイールが採用されて、これはもう、本当にメチャクチャかっこいい。

ホイールアーチの下、タイヤハウス隙間を埋めるようにドーンと鎮座まします22インチタイヤが、足元をキュっと引き締めて、それはそれは惚れ惚れするような佇まいだ。

しかし、実際に試乗してみるとやはり、ものすごいスポーツフィール!

白馬村あたりは豪雪地帯でもあり、夏のコンクリート路面には轍も荒れも多発する。そんな中での22インチ、そりゃ〜もう盛大に色々を拾ってくれてしまうのだ。

今回、試乗車にはパッケージオプションとなるアダプティブエアサスペンションが装備されていたので、コンフォート側も試してみたのだが、これを選択するとややフワフワとした人工的な柔らかさが室内にもたらされるため、乗員の好みがハッキリ分かれそうなフィールとなった。特にリアシートはこの揺れを好まない人も多いだろうから、22インチを選択するならば、日常的に後席に乗員を(とくに揺れには敏感な子供さんを)乗せない、かつ「クルマは四の五の言わずに見た目第一!」みたいなヤンエグ層(って今言わないよね)にオススメしたい。

20インチは好印象な乗り味ながら、やはり持ち味とも言えるドヤ感はスポイルされてしまう

20インチに乗り換えれば、この印象は一転する。

スポーティなSUV、という見た目そのままに、それなりに路面状況をドライバーや室内に伝えるものの、後席の居住性をきっちり確保し、見違えるほどコンフォートだ。実はサスペンションもノーマルでは柔らかめのモノが選択されていて、減衰自体もマイルドになっている。こちらはコーナリングもより「クワトロ」の味わいをじっくりと堪能出来て、アウディらしい室内空間が実現されていた。

しかし、何度も言うが、20インチにするとやや、ルックス的にはQ8の持ち味とも言えるドヤ感がスポイルされてしまう…悩ましい。

ごく個人的にはワタクシ、独り身であるから多分買うなら22インチを選んでしまうと思うけど、家族持ちには握りこぶしで20インチを勧めてしまうと思う。あと、用途にもよる。22インチのスタッドレスタイヤはかなり選択肢が少ない。ともすればスノータイヤになってしまう可能性もある。ガチのウインタースポーツ愛好家の方で、Q8を買う予定があるなら、スタッドレスだけはインチダウンする、というのも視野に入れる必要があると思う。これは老婆心ですが。

先進的かつスタイリッシュになったインテリア

インテリアは先に発売されているA8以降の、最新世代のものが備わっている。大型のディスプレイが上下2面に分割されてレイアウトされているのが最大の特徴。

これにより、見た目がかなりスタイリッシュになったと同時に、ナビゲーション関係や、先述した可変ダンパーの設定などがかなり容易に、かつ直感的にタッチディスプレイにて行えるため、操作しやすくなったのは大歓迎だ。正直、前の世代のインターフェイスは使いこなすのにかなりの鍛錬が必要だったと感じていたから。

この装備でこの世代でこの価格なら、意外にお買い得

さて、最後に、注目したいのはフラッグシップモデルとは思えない価格設定だ。

実にベースモデルである「Q8 55 TFSI quattro」で992万円!なんと驚異の1千万円切り!

盛り盛り装備の「デビューパッケージSライン」ですら1千102万円と、いや、十二分に「高級車価格」ではあるけれど、ここ数年来のアウディの嘘みたいな強気な値段設定からすると、ちょっと嬉しくなってしまうプライスタグではないですか?

実際、同社ラインナップを見渡しても、この装備でこの世代でこの価格なら、意外にお買い得な選択肢かもしれない。

Q8がとても似合うグランピング施設「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA」

実は今回、アウディジャパン様は我々報道陣に向け、素敵なおもてなしをご用意くださった。

まだ出来たばかりのグランピング施設「Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA」を体験させてくださったのだ。ついでに調子に乗って人生初のパラグライダーまでご相伴に与った(楽しかった!)。

その目眩のするような特別感に、なんとQ8がベストマッチングしたことか!

こういった休日をナチュラルに選択するような人々にとってはきっと、この価格設定はオトクな選択肢になる(はず)。せめて自力で登りつめることのできるよう努力しようと朝日に向かってヨガをしつつ、邪念だらけで誓った私であった。

[筆者:今井 優杏/撮影:小林 岳夫・Audi Japan/取材協力:Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN]

アウディ Q8 主要スペック比較表

車種名

Q8

Q8

Q8

グレード名

55 TFSI クワトロ 4WD AT

55 TFSI クワトロ デビューパッケージ ラグジュアリー 4WD AT

55 TFSI クワトロ デビューパッケージ Sライン 4WD AT

価格(消費税込み)

919万円

1020万円

1020万円

全長×全幅×全高

4995mm×1995mm×1705mm

4995mm×1995mm×1690mm

5005mm×1995mm×1690mm

ホイールベース

2995mm

2995mm

2995mm

駆動方式

4WD

4WD

4WD

車両重量

2140kg

2210kg

2170kg

乗車定員

5名

5名

5名

エンジン種類

V型 6気筒 DOHC

V型 6気筒 DOHC

V型 6気筒 DOHC

総排気量

2994cc

2994cc

2994cc

エンジン最高出力

250kW(340PS)/6400rpm

250kW(340PS)/6400rpm

250kW(340PS)/6400rpm

エンジン最大トルク

500Nm(51kg・m)/1370rpm

500Nm(51kg・m)/1370rpm

500Nm(51kg・m)/1370rpm

トランスミッション

8速AT

8速AT

8速AT

使用燃料

ハイオク

ハイオク

ハイオク

燃料消費率(JC08モード燃費)

10.3km/L

10.3km/L

10.3km/L

燃料消費率(WLTCモード燃費)

--km/L

--km/L

--km/L

燃料消費率(WLTC:市街地/郊外/高速道路モード)

--km/L

--km/L

--km/L

タイヤサイズ

275/50R20

275/50R20

285/40R22

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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