アウディ Q8試乗│特別な休息がとても似合う流麗でエレガントなフラッグシップSUV(1/2)

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:小林 岳夫・Audi Japan/取材協力:Snow Peak FIELD SUITE HAKUBA KITAONE KOGEN

極めて流麗でエレガントなアウディの新しいフラッグシップSUVに、いざ試乗!

アウディから新しいフラッグシップSUVの登場だ。その名もQ8と、数字からもブランドの頂点であることをむ〜ん!と漂わせているのだが、実物もまたちょっと凄い。率直に「大きい!」と見た目からして感じさせるし、どこかこれまでの同社SUVシリーズにはなかった迫力すらまとっている。

そう、これはクーペライクなルーフラインを備えた新デザインの賜物ではないかな、と考える。

アウディのSUVシリーズにはすべて頭に“Q”が付き、Q2、Q3、Q5と、コンパクトからミドルを網羅。さらにフルサイズではQ7と、顧客のニーズに答えるきめ細やかなラインナップを誇る。

その上に君臨するモデルQ8は、四輪駆動から来る勇ましさやどっしりとした存在感はそのままに、Q7よりも30mm車高を下げた。さらに全長は75mm短く、全幅は25mm広く取られている。つまり、ワイド&ローが数字上からしても実現されているということだ。そのディメンションの中で、ショルダーラインより上をリアエンドに向けてシュッと傾斜させることによって、4ドアクーペのようなドラマチックさを手に入れている。

>>アウディの新しいフラッグシップSUV「Q8」をもっと見る[フォトギャラリー]

また、アウディおなじみのシングルフレームグリルは八角形をモチーフとしていて、これが今後のQモデルの、文字通り「顔」になるのだという。

既視感を与えつつも先進を感じさせるのは、この表情に依るところも大きい。

試乗車には新色であるその名も「ドラゴンオレンジ」という大仰な名の付いたボディーカラーをまとうモノが用意されたのだが、夏の日差しの下でのギラッと感たるや! なんかもう、近づきがたいほど、なのだ。

というわけでルックスは極めて流麗でエレガント。ではその走りは?

盛夏を逃れるようにして向かった長野・白馬村にて、公道試乗が実現したのでレポートしたい。

どの領域でもナチュラルに制御されているコースティング

エンジンは3.0リッターのV6ガソリンターボエンジン「TFSI」が最初に導入される(と、しれっとプレス向け資料に書いてあるから、今後たとえばディーゼルなんかのパワートレーン追加も見込めそうだと個人的には推測している。TDIは日本でもすでに「40」ではあるけれどQ5にも導入されたし、本国には高出力版TDI「50」がQ8にラインナップしているからだ。…間違ってたらごめんなさい。しかしもし導入されるなら、コッチもかなり楽しみな一台になることは必至ですよ!)。

このガソリンV6ターボエンジン、欧州モノにはメジャーになってきた48Vのマイルドハイブリッドシステムがもれなく採用されていて、2tを軽く超える巨体を引っ張る燃費に貢献させている。

具体的には時速55~160km/h、つまりごく常用域において、ドライバーがアクセルペダルを戻すと、エンジンを停止してコースティング(惰性走行)を最大40秒に渡って行う。ドライバーが再加速、つまりもう一度アクセルペダルを踏めば、このハイブリッドシステムがエンジンの再スタートを瞬時にサポートする。

実際にこれに試乗していると、正直コースティングもリスタートも、いつ行われているのかを把握するのはかなり困難だ。今回の試乗では白馬村の一般道はもちろんのこと、長野県から東京までのロングドライブも試したのだが、どの領域でも一体いつコースティングが行われていたのか、今振り返っても「?」となってしまう。つまり、かなりナチュラルに制御がなされているということだ。

制御もやや意図的に燃費に振ったようなマイルドな印象

しかし、コースティングへの切り替えはともかく、全体的に見てみれば、ボディに対して加速はややモノ足りないかもしれない。

これこそ、2tの巨体が影響しているのがありありと感じられるのだが、長い勾配の上り坂なんかで加速を足そうと思ったら、V6らしからぬモタつきをやや感じさせるフィールとなっていた。

今回、トランスミッションも新開発の8速ティプトロニック(そう、デュアルクラッチではなくてトルコン式AT!)が採用されているのだが、この制御もやや意図的に燃費に振ったようなマイルドな印象を受けた。

このティプトロニックはマイルドハイブリッドシステムの採用によって、エンジンがアイドル状態および停止状態でのコースティングする場合には、トランスミッションのクラッチが切り離されてパワーの伝達を遮断するという。エンジン停止でのコースティング中には新搭載の電動オイルポンプがコースティング終了時に速やかにギアが入るように動く、とのことだが、もしかしたらこれが何かしらのラグを生んでいる結果につながっているのかもしれない。

いずれにせよ、クルーズ中は320PS/500Nmというスペックよりもやや絞られたような、そんな印象を受けた。

アウディ/Q8
アウディ Q8カタログを見る
新車価格:
1,088万円1,365万円
中古価格:
488万円1,093.1万円
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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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