トヨタ 新型カローラフィールダー 試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
新型カローラフィールダーのプラットフォームはなんと「ヴィッツ」!
トヨタ カローラシリーズのステーションワゴン版「カローラフィールダー」が、セダン版の「カローラアクシオ」とともにフルモデルチェンジを受けた。
歴史ある人気車とあって当たり前のモデルチェンジのように思えるが、新型を開発する過程では様々な苦難があった。最も辛かったのは、日本ではここ数年、すっかりワゴンが売りにくくなったこと。
確かに90年代の前半、ワゴンは一時的にブームを迎えた。しかし、その後は車内が広く多人数乗車出来るミニバンジャンルに押され、すっかり低迷してしまった。
ブームが去った今では車種数も減ってしまい、日本で買える国産ワゴン車も10車種に満たない状況だ。特に5ナンバーサイズのワゴンは、商用車から派生したプロボックスやサクシード、商用車とボディを共通化した日産 ウイングロードが主力で、ワゴン専用ボディを持つのは、カローラフィールダーとホンダのフィットシャトルくらいだ。セダンと基本部分を共通化した純粋なワゴンは、レガシィなどの3ナンバーワイドボディ車が中心になる。
これらのワゴンの中で最多販売を誇る車種が、今回ご紹介するカローラフィールダーだ。
21.2km/Lの低燃費を達成
カローラフィールダーは、5ナンバーワゴンながら商用車とはまったく別の設計で、スマートな外観と上質な内装が支持を得た。根強いファンが多くフルモデルチェンジに至ったが、2011年度の1ヶ月の販売平均はセダンのアクシオを除くと約3,000台だ。今の日本車では多い部類だが、ヴィッツの30%程度にとどまる。
国内向けの5ナンバーボディを用意するとなれば、採算が合いにくい。厳しくなったエコカー減税への対応、燃費性能の向上も考えると、軽量化も図りたい。
そこで従来型ではミディアムセダンのプレミオ&アリオンなどと共通化されていたプラットフォームを、新型ではコンパクトカーのヴィッツをベースにしたタイプに改めた。これにより軽量で空間効率が優れ、コストダウンを図ることも可能になる。
ただし、ヴィッツのプラットフォームはあくまでもコンパクトカー向けだ。ホイールベースが2,600mmに達し、1.8リッターエンジンも搭載するカローラフィールダーに組み合わせるのは容易ではない。
しかもワゴンとなればボディ後部の張り出しも大きく、その後端には大きな開口部を持つリヤゲートが備わるため、ボディ剛性の確保が難しい。その上で、ワゴンとしての上質な乗り心地や運転感覚も実現せねばならない。
新型カローラフィールダーの開発では、溶接箇所の拡大を含めて、ボディ後部を中心に入念な補強を施し、ねじれが生じにくくした。またプラットフォームの不利を補うべく、ボディの随所にさまざまな補強を加えている。それでもなお、車両重量は1.5リッターモデルが1,140kg、1.8リッターモデルが1,160kgに収まる。先代型に比べれば60~80kgは軽い。
1.5リッターモデルはJC08モード燃費が「19.6km/L」、アイドリングストップ装着車は「21.2km/L」を達成し、双方ともに購入時の税額が50%、購入の翌年度の自動車税が25%軽減されるエコカー減税の対象となった。また、エコカー補助金の交付も受けることができる。
ボディがコンパクト化されたことも、プラットフォームを変更したメリットだ。前輪から前側にボディが張り出した部分が60mm(アクシオは50mm)短くなり、取りまわし性が向上している。
さらにこの変更は、外観の見栄えにも影響を与えた。ホイールベースを先代型と同じ2,600mmとしながら全長を60mm短くしたことで、より引き締まって見える効果があるのだ。
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。