日産 スカイラインクロスオーバー 試乗レポート/松田秀士(1/3)
- 筆者: 松田 秀士
- カメラマン:島村栄二
クーペとSUVが融合したニュークロスオーバー
スカイラインセダン、そしてクーペに続く第3のモデルとして今回デビューしたのがスカイラインクロスオーバーだ。
一般的に、SUVモデルはセダンがベースになっていることが多いが、スカイラインクロスオーバーではクーペとSUVの融合がテーマ。
そのコンセプトをもう少し分かりやすく説明すると、SUVの持つアクティブ感・4WD・見晴らしの良さと、クーペのエレガントなスタイル・高いハンドリング性能・加速のよさを高い次元で融合させたモデルということ。
米国でのターゲットユーザーは主に女性だが、日本国内ではユニセックスなイメージとして受けそうだ。そのために、フロアが高すぎず低すぎず快適な乗降性を確保し、アラウンドビューモニターや車線逸脱防止支援システムなど、走る楽しさを安全・快適にサポートする先進装備によって個性的ながら間口の広いSUVを目指しているといえるだろう。
日産ではこれをニュークロスオーバーと位置づけている。
そのシルエットの第一印象は、「不思議なクルマを作ったものだ」という驚きだった。
ロングノーズ、ショートデッキと言っても良いくらい、まるでスポーツカーのようなフォルムを持ったSUVだ。アーチ状のルーフからリヤエンドにかけては、リアウィンドウがかなり寝ていてまるでクーペのよう。
サイドビューは、ドア周りのショルダーラインにウェーブをつけるなど、個性的な演出が気にかかる。ある程度心構えをもって実車と接してみたが、エクステリアから受けるそのインパクトはやはり大きい。
SUVなので車高は高いが、セダン&クーペよりも大きなタイヤを使うことで存在感を演出している。
車高の低いセダンやクーペをベースにしているから、SUVらしい車高を確保するにはサスペンションストロークを伸ばさなければならない。そうすると、サスペンションアームの角度がさがる。そしてバランスの取れた位置にセッティングをし、さらに大きなタイヤで迫力を演出しているのだ。
ただし、エクステリアではフェンダー上のウィンカーランプ以外のグリル、ヘッドライトやリヤコンビネーションランプなどの部品は、セダンやクーペとは共用せず全て専用設計とするなどこだわりの造りだ。
インテリアはかなりシック、そして包まれ感と柔らかさによる癒しを覚える。フロントガラスが近く、キャビンフォワードのコンセプトで登場したプリメーラを連想した。
しかし、これはロングノーズ・キャビンリヤワードというプロポーションによるものだった。つまり、クーペのようなロングノーズを確保したいためにキャビンを後方に移動したことで、センターにあるドライバーの着座ポイントがAピラーに近づいた結果なのだ。
デザイン重視の設計なので、リヤの居住スペースは広いとはいえない。背もたれも若干立ち気味だ。
ただ、ヘッドクリアランスは十分にあってくつろげるが、メインステージはフロントにある2つのシートだろう。
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