軽スポーツモデルの真打、「スズキ アルトワークス」の実燃費を測ってみた【燃費レポート】(1/6)
- 筆者: 永田 恵一
現行の8代目で“復活”したスポーツモデル
1979年5月に初代モデルが登場した「スズキ アルト」は、初代モデルから「移動の道具として、生活必需品の1つとして、クルマを必要とする人々のための軽自動車」という生活に密着し一貫したブレないコンセプトを掲げ、軽自動車としてはもちろん、乗用車としても最もベーシックな存在であるといえる。
特に初代アルトは、当時の軽自動車としても非常に簡素な造りということに加え、「軽自動車の平均乗車人数は2人」という点に着目、当時軽乗用車に課せられていた物品税を後席の狭さと引き換えに逃れられるボンバン(ボンネットバンの略)と呼ばれた軽商用車とすることで、当時の軽自動車の中古車の中心価格帯に匹敵する47万円という低価格を実現。
爆発的なヒット車となっただけでなく、車に課せられる物品税が廃止され消費税が導入されるまでの約10年間、軽自動車のほとんどが商用車登録ばかりになったということでも軽自動車業界に大きな影響を与えた。
そして、現行型となる8代目アルトは2014年12月に登場した。特徴は、「車重の軽さ」と「低燃費」。
車重に関しては現行アルト以降のスズキ車と同様に、薄くて強い高張力鋼板の多用や樹脂製フロントフェンダーの採用、ボディ構造の抜本的な見直しなどにより、最軽量のベーシックなFグレードのFF+5速MTで「610kg」、販売の中心となるFF+CVTというパワートレーンを持つグレードで「650kg」と、20年ほど前の軽自動車並で先代アルトに対して60kgも軽い車重を20年前とは比較にならないほど強化されている衝突安全性と現代に相応しい装備内容を持ちながら実現したことで大きな注目が集まった。
燃費に関しては超軽量である点に加え、エンジンは大幅な改良を受けた660ccの3気筒NA(CVTで最高出力52ps&最大トルク6.4kgm、5速MTと後述する5AGSで最高出力52ps&最大トルク5.9kgm)を搭載。
トランスミッションはCVTと一部グレードに設定される5速MTに加え、新しい試みとしてMTをベースにクラッチ操作とシフト操作を自動化した5AGS(オートギアシフト)と呼ばれる5速AMTを低価格グレードの2ペダルとして設定。
さらにCVT搭載車は、減速エネルギーをエンジンルーム内の鉛バッテリーと助手席下に配置されるリチウムイオンバッテリーに貯めることでオルタネーター(発電機)を介してエンジンのパワーを使った発電によるパワーロスを軽減するエネチャージ、13km/h以下のスピードからエンジンを停止するアイドリングストップ、エアコンの構成部品の1つであるエバポレーターの中に蓄冷材を入れることで特に夏場のアイドリングストップ時間の延長に貢献するエコクールをセットで採用した。
結果、カタログに載るJC08モード燃費は、CVTのFF車で燃費日本一であるプリウスの量販グレードに匹敵する軽自動車ブッチギリナンバー1となる「37.0km/L」、アイドリングストップを持たない5AGSのFF車も「29.6km/L」という低燃費を実現。
低燃費と低価格が最大の特徴となるアルトであるが、それでいながら簡素な造りの中でも個性的なデザイン、ポップなデザインを持つインテリアという要素もあり、「安いクルマだけど安っぽさを感じず、惨めな気持ちにならない」ということも、軽自動車を含む日本車におけるベーシックカーとして人気を集めている大きな要因となっている。
加えて現行アルトは標準グレードだけで終わらず、6・7代目モデルでは設定されていなかったスポーツモデルを現行の8代目で“復活”させた点もスズキらしいところであった。
その第1弾となったのが、昨年3月に加わった「アルト ターボRS」。
標準グレードの発表時点から追加が予告されていたターボRSは、最高出力64馬力&最大トルク10.0kgmというスペックを持つターボエンジンと5AGSというパワートレーンに、専用サスペンション、エアロパーツなどを纏うスポーティな内外装を持つ比較的ライトなスポーツモデルで、同時期にホンダから本格的な軽オープンスポーツの「S660」が登場したことや価格がFF車で129万3,840円と安かったこともあり、ターボRSもそれなりの注目を集めた。
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