【ahead×オートックワン】-岡崎五朗のクルマでいきたい- メルセデス・ベンツ SL
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惚れぼれさせられる乗り心地
世界で最初の自動車を送りだしてから126年。メルセデス・ベンツが送りだすクルマは時代とともに変化してきたが、変わらないことが2つある。それは「安全」と「快適」を絶対に諦めないクルマづくりだ。
しかもその哲学は、安全と快適を重視するからスポーツカーは造らない、というような底の浅いものではない。クルマがもつ魅力を十分に理解している彼らは、高性能モデル造りに一切躊躇しない。その代わり、全身全霊をかけその高性能モデルに最高度の安全と快適を与えようとするのだ。
メルセデスのフラッグシップスポーツであるSLには、当然ながらそんな思想が色濃く反映されている。安全性については「世界最高水準」と書くだけにとどめ、ここでは快適性にフォーカスを当てたい。
走りはじめた途端、それもタイヤがほんの数コロガリしただけで足回りの圧倒的なしなやかさに惚れぼれさせられた。速度を上げると今度はフラット感が増していき、コーナーにさしかかれば、自分の運転が数レベル向上したかのような安定感できれいな弧を描く。
最廉価グレード以外に標準装備されるABC(アクティブ・ボディ・コントロール)サスペンション装着車なら、安心感と快適性の両立レベルはさらに大幅に向上。まるで手品を見せられているかのような素晴らしい乗り味を提供してくれる。
もちろん、オープン時の風の巻き込みへの対策も万全で、例え真冬の高速道路でも快適なオープンエアクルージングを楽しめる。
オープンスポーツという、快適性とはもっとも縁遠いジャンルのクルマに、これほどの卓越した快適性を与えてきたメルセデスの技術はまさに驚異的としか言いようがない。その分、1,190万円~と目が飛び出るほどの価格になったけれど、実際にステアリングを握り豊穣な乗り味を体験したなら、それも仕方がないなと思うに違いない。
車両本体価格:¥11,900,000(SL 350 BlueEFFICIENCY)
全長×全幅×全高(mm):4,612×1,877×1,314
車両重量:1,685kg
乗車定員:2人
エンジン: DOHC V型6気筒
総排気量:3,498cc
最高出力:225kW(306ps)/6,500rpm
最大トルク:370Nm(37.7kgm)/3,500-5,250rpm
駆動方式:後輪駆動
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