ホンダ CR-Z 新型車解説(3/3)
- 筆者: オートックワン 編集部
- カメラマン:茂呂幸正
CR-ZはCR-Xの進化系だ!
さて、皆さんはあのホンダの名車CR-Xを覚えていらっしゃるだろうか。当然だろっ!と聞こえてきそうだが、知らない人にも簡単な説明をしておきたい。
CR-Xは、1983年から1997年まで製造販売されていたハッチバックタイプのFFコンパクトスポーツのクルマだ。当時は20代の若者に絶大な人気を誇り、今では伝説と称されることもあるホンダの、いや日本の名車の1つだ。
今回のCR-Zのスタイリングが、このCR-Xを踏襲していることはお気づきの方も多いはず。つまりCR-ZはCR-Xの進化系とも言うべきクルマなのだ。
実は両車のCRとはCompact Renaissanceの頭文字“CR”をとったもので、それに未知数を表すXと、一から創造するという原点のZEROをそれぞれに配したのがこの2台のネーミングの由来となる。
それだけに運動性能や車体剛性に関しては、ハイブリッドカーらしからぬ力の入れようが伺える。
まずサスペンションは鍛造アルミ製ロアアームを採用し、ワイドトレッドで軽量な高剛性サスペンションを装備する。タイヤ周りはインサイトより-5kg(4本)軽くした軽量アルミホイールに、高いグリップ力を生むスポーティタイプのタイヤを装着した。
また、お馴染みの低重心プラットフォームを採用しており、前後車重配分6:4、シビックTYPE-Rよりも-15mm下げ、最低地上高を150mmとしている。
居住空間は、2人乗りと割り切ってほしい。スペック上では乗員定員4名と表記されているが、リアシートはあくまで緊急用とお考えいただきたい。
リアシートでの長時間移動は正直言って拷問以外のなにものでもない。ただ2人乗りのクルマとしてみればインテリアは広くもないが狭くも無い。
それなりのゆとりは備わっているといった印象だ。特に助手席との間隔は思ったよりも余裕はある。それにインパネに奥行きがあるせいか閉塞感もない。
それでもあくまで2人乗りということは覚えておいていただきたい。一方でラゲッジスペースは、リアシートの全可倒時で小型スーツケースが2個、またはゴルフバッグが2個積めるといった容量を確保しており、最大で401Lの積載量を誇る。
最後は装備に関して。
実は先にお伝えした3モード・ドライブ・システムをはじめ、白色LEDポジションランプ、VSA、エコアシスト機能は全車標準装備となる。この他にもシャークフィンアンテナというホンダ初の装備の他に、β(ベータ)にはリトラクタブルタイプキーというこちらも国内ホンダ初のアイテムが設定される。
ハイブリッド・スポーツ、ホンダCR-Z・・・
また一歩、クルマが未来へ前進した。
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