”セクシー”過ぎる紳士、ボルボ 新型V90 T6 AWD R-DESIGNを操る歓び

”セクシー”過ぎる紳士、ボルボ 新型V90 T6 AWD R-DESIGNを操る歓び
ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏 画像ギャラリーはこちら

わずか1年でラインナップを完成させた”90”シリーズ

ボルボの勢いが止まらない。2016年デビューの新型XC90、そして今年2017年デビューの新型S90・V90・V90クロスカントリーと、瞬く間に”90”シリーズを完成させてしまったのだから。今回ご紹介するのは、その中でも特にスポーティな仕立ての”S90/V90 T6 AWD R-DESIGN”。レポートを書いてくれたのは、モータージャーナリストの今井優杏さん。曰く、R-DESIGNは「セクシー」である、と。うむむ、気になる・・・。そんな新型S90/V90 T6 AWD R-DESIGNのひと味違うファーストインプレッションをお届けする。

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ボルボシリーズ随一の艶っぽさを漂わせる”R-DESIGN”

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

実に18年ぶりという長いブランクを経て、ラインナップに大型セダンとステーションワゴンであるS90/V90を復活させたボルボ。

中でも、V90の試乗記は私めの稚筆によりすでに同サイト内で公開されているのだが、今回はそのスポーティモデルであるS90/V90 T6 AWD R-DESIGNに試乗が叶ったのでレポートしたい。

そして先に書いておくけど、もし!このS90/V90 T6 AWD R-DESIGNが欲しくてちょっと悩んでる、なんて人は、書いてる本人がこんなこというのもナンだけど、コレ読むのを中断してでもすぐに販売店に在庫の問い合わせしてみることをおススメしておく。内輪の情報なのだけど、実はこのS90/V90 T6 AWD R-DESIGN、日本向けに用意されている台数が非常に少ないんだそうだ。ページビューを犠牲にしてまでのこの告白を、勇気ある告白として暖かく受け取ってもらえることを切に願っている。

だって先に言っとくけど、S90/V90 T6 AWD R-DESIGN、ボルボ史上初めてなんでないの? と思うくらいにセクシーなのだ。しかも、このサスペンション、通常モデルよりだいぶイイんです。これはいやらしく結論を先延ばしにして、最後まで読んでもらおうっていう作戦ですけども。むふふ。

全てをいちから自社開発した新開発プラットフォーム・パワートレインを採用

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

まずは少しこのモデルをおさらいしてみようと思う。

冒頭に述べた通り、S90/V90はボルボの放つ大型セダン/ワゴンである。

ボルボは2014年から”DRIVE-E”(ドライブ・イー)という100%自社製のパワートレーン戦略を打ち立て(ザックリ言えばすべてのパワートレーンを2リッター直4直噴以下に抑えることで低コスト化と高効率化を叶え、またPHVなど電化にも対応させたというもの。詳しくは過去記事をご参照いただきたい)、さらに先に発売された大型SUV「XC90」から新プラットフォーム”SPA”(スケ-ラブル・プロダクト・アーキテクチャ)を採用してきた。総額1兆3,000億円(!!)もの巨額を投じ、自社のプロダクトの強化を図ってきたのだ。

それに加えて、デザインでも大きく方向性を変え、XC90はこれまでにない勢いで人気車種というスターダムにのし上がった。

もとより、安全に関しては世界中のメーカーを牽引するボルボだから、洗練されたパワートレーンにエッジの効いたデザインを備えれば鬼に金棒、となるのは当然なのかもしれない。

そんな「手札が全て揃った」状態の、まさに第2弾となったのがXC90同様に新開発DRIVE-E・SPAをベースに生まれたS90/V90だったというわけだ。

そして全ての優先順位は”デザイン”にあり

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

このS90/V90に関して、ユニークなエピソードがある。

なんと開発に際してのプライオリティーが、1.デザイン 2.安全 3.走りだったというのだ。そして、デザインが優先されたのは、おそらくボルボ史上、初めてのことだという。

これを見て、読者諸兄はどう思われるだろうか? 私は、ボルボからの挑戦状を受け取ったような気分になった。

ボルボの安全技術は、本当に凄まじいレベルにある。その自信がなければ、こんな順位でクルマを開発することは逆に不可能だ。テクノロジーに自信があるから、最も目につくところ=デザインを強化する。そんな自信の裏返しにも感じた。

乗ってさえもらえれば、所有さえしてもらえれば、私どものクルマの良さを、きっと理解してもらえると信じています、そういうオファーなのだろう、と。

そんなS90/V90には、3つのパワートレーンが用意されている。

・T8:ツインエンジンAWD(2.0リッターガソリンスーパーチャージャー/ターボチャージャー+電気モーターのプラグインハイブリッド)

・T6 AWD :2リッターガソリンスーパーチャージャー×4輪駆動

・T5:2リッターガソリンターボ×前輪駆動

専用内外装に加え、大径20インチタイヤ&ホイールを採用

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

今回試乗したS90/V90 T6 AWD R-DESIGNにはその名の通りT6 AWDが採用されている。スポーティグレードを謳うだけあって、320psを発生させるパワフルなエンジンだ。さらに走破性に信頼のおけるAWDの組み合わせで全方位的に守備範囲が広い。

ほかにはルックスとして専用トリムがサイドウインドウやフロントバンパーになされるほか、専用ホイール、専用スポイラー、専用フロントグリルなども用意される。

タイヤサイズは通常モデルであるインスクリプションと同じ20インチ。いやはや、ボルボ(というかボルボカージャパン、というべきか)は本当に攻めたサイズのタイヤを導入してくるよなぁ、としみじみ思う。ボルボというメーカーのイメージからすれば、アタリの柔らかさや、乗り味的にはもうちょっと優しい印象になるはずの小さめタイヤを選択してもいいんじゃないのと思うのだけど。

「いや、絶対にこっちの方がカッコイイですから!」なんてナカノヒトの声が聞こえてくるようだが、それもまあその通りで、実際に実物を見ればこの20インチタイヤからもたらされる勇ましさは本当に惚れ惚れしてしまう。

>>”セクシー過ぎるボルボ” VOLVO V90 T6 AWD R-DESIGNをフォトギャラリーでもチェック

定番の明るい北欧調内装ではなく、あえての”夜”仕様で勝負

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

さて、唐突に話は冒頭に戻る。

先延ばしにしていた話題をひとつ、紐解く時間が来てしまったようだ。

S90/V90 T6 AWD R-DESIGNが、とてもセクシーだったという点について、である。

今回、専用内装色としてS90/V90 T6 AWD R-DESIGNに用意されたのはオールブラック! 通常モデルであれば木目が充てられていた部分にはカーボンが施され、随所にメタルパーツがキラっと光って、なんとも夜っぽい雰囲気なのだ。セクシーというのに語弊があれば、そう、色気。色気がある。

私は個人的にボルボのお家芸ともいえる、白系レザーにウッドパネルを施した内装が非常に大好きで愛しているために、最初はこのオールブラックに「?」と思った。もったいない、せっかくのS90/V90 T6 AWD R-designを、ブラック内装で乗るなんて、と。

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

しかしですよ。しばらく試乗をしているうちに、えもいわれぬセクシーな気分になってきたのだ。昼じゃなくて、夕方・・・トワイライトに街が染まる頃に素敵なダンディーと待ち合わせして、うんと背伸びして修善寺あたりの温泉にお忍びで行っちゃいたい、みたいな感じ。大人にだけ許された遊び場に行くのに、まさにぴったりなのだもの。

ボルボの白系内装は、それこそとてもクリーンで上品で、清潔なイメージ。いうなれば、それがこれまでボルボの客層を、ある意味限定していたような気もする。これなら、ヤンチャな大人こそ乗りたいと思うだろう。だって本当に、うっとりするくらい色っぽいの。

実はS90/V90のインテリアを手がけたのは、元ベントレーにいたデザイナー。ボルボらしさを存分に残しつつも、雰囲気を異にしているのは、このデザイナー氏の手腕だろう。

強化されたスポーツサスだが、その滑らかさに驚愕する

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

さらに、乗ってその滑らかさに驚愕した。S90/V90 T6 AWD R-DESIGNのアシまわりについて、だ。

S90/V90 T6 AWD R-DESIGNには専用のスポーツサスペンションが装着されている。

このスポーツサスが「え、あなたほんとにスポーツなのですか」と聞き直したいくらいにしなやかでいてハリのある、絶妙のセッティングなのだ。いうなれば、「ムッチリ」という感じ。中になにか柔らかいものが詰まっているようなイメージで、硬くてパンパンと弾くような、よくあるスポーツフィールとは完全に味付けを分けている。とにかく初期のアタリが柔らかく、一般道走行ではむしろコンフォートを感じるくらいなのだ。しかし、ワインディングに持ち込めば、AWDと相まってかっちりと手応えあるハンドリングを味わわせてくれるのだから唸るしかない。

数値で言えばバネレートをノーマルサスより50%上げ、リアのスプリングも違う部品を使用しているというのだが、強化アンチロールバーやスポーツチューンドされた電動パワーステアリングの感触も“スポーツ”ということから連想されるような既成概念に、こちらもいい意味でとらわれておらず、本当に乗り心地の素晴らしいものだった。だいたいこんなに肉薄の低扁平20インチタイヤでここまでコンフォートを出せるなんて! 驚愕でしかない。

「ええ仕上がりやなぁ・・・」としみじみ

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

このシャシーをグイグイ押し出すT6エンジンとAWDも文句なし。ついでに言うなら8速ATがこれまた文句なし。シームレスで賢く、シフトラグなど微塵も見せず、快適なドライブを提供してくれた。試乗中、なんども「ええ仕上がりやなぁ」と感激したのも仕方ないことだったと思う。

ナビなどのインターフェースの美しさ、そして安全技術に関してはもちろんほかの「90」シリーズと共用しているから、そのあたりの商品力は言わずもがな。

正直、今の世界のベンチマークたり得るくらいの実力を持っていると感じさせられた。クルマ好きほど、今のボルボはチェックしておくべきだと思う。あと、世のヤンチャ系おじさま達も。

[レポート:今井優杏/Photo:茂呂幸正]

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VOLVO V90 T6 AWD R-DESIGN(4WD) 主要諸元

ボルボV90 T6 AWD R-DESIGN 試乗レポート/今井優杏

全長x全幅x全高:4935x1880x1475mm/ホイールベース:2940mm/車両重量:1840kg/乗車定員:5名/駆動方式:電子制御AWDシステム(四輪駆動)/最小回転半径:5.9m/エンジン形式:「Drive-E」直列4気筒インタークーラー付ターボチャージャー&スーパーチャージャー DOHC 16V ガソリン直噴エンジン/総排気量:1968cc/最高出力:320ps(235kW)/5700rpm/最大トルク:40.8kg-m(400N・m)/2200-5400rpm/トランスミッション:ギアトロニック 8速オートマチックトランスミッション/使用燃料:無鉛プレミアム/燃料消費率:12.5km/L[JC08モード燃費]/サスペンション形式:(前)ダブルウィッシュボーン式(後)マルチリンク式/タイヤサイズ:255/35R20(前後)/メーカー希望小売価格:7,690,000円(消費税込)

※試乗・撮影車はオプション装着車

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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