チカラもエコもデザインも！ 至れり尽くせりな欲張りクロスオーバー／ボルボ V60クロスカントリー D4 試乗レポート(4/4)

その静粛性の高さに、改めてプレミアムを感じ入る

それに、さすが60ファミリーだなと感じ入ったのは、その高く保たれた静粛性にある。

のべつまくなしアクセルを踏みつけていても、車内はぴったりと密閉されたように静かなのだ。しかし、一歩外に出て聞く車外音はやはり、ディーゼルを思い出さずにはいられないわりとにぎやかなものだ。

これだけの音をしっかり消しているところに、ある種フラッグシップよりもコンサバさを求められる、ブランドの中核モデルを選ぶ価値があると思う。

ボルボらしい温かみあるインテリアに加え、専用2トーンシートも設定

さて、何度も何度も書くけど、やっぱりボルボといえばドラマチックで温かみのある内装！なのだけど、もちろんV60クロスカントリーでもその世界観は健在。さらに、オプションのスポーツシートには専用のツートンカラーが2種、さらに専用のブラウンステッチ(ソフトベージュ以外)が用意される。

このツートンカラー、ふわっとソフトでともすればラグジュアリーなV60の印象をかくや？！と思うほどにピリッとスポーティーで、かつ若々しい印象に仕上げているのが特徴だ。

しかしひとつ難を言うならば、車高を上げているうえにサイドサポートのしっかり立ったスポーツシートを選んでしまうと、乗降性にやや不満が出る。乗り込むときに腿の裏をおもいっきり擦らなければ中に入られないし、降りるのも難しい。まあ慣れてしまえばなんということもないのかもしれないが、乗降性が気になる人はスポーツシートではなくノーマルの形状のシートを選ぶといいかもしれない。

[※注記：写真下のスポーツシート(専用ツートンカラー)は「XC60」の装着例]

これまでボルボを意識していなかった方にこそオススメしたい1台

さて、ここまで至れり尽くせりのV60クロスカントリー、プライスタグのほうも尽くしてくれる嬉しい設定だ。

なんといっても他メーカーではオプションになりがちな最上級の安全系技術「INTELLISAFE10(インテリセーフ・テン)」を、全車・全グレード標準装備にしていてなお500万円を切る(V60 Cross Country D4 SE)。価格とナカミを相対的に考えて、かなりオトクだと思う。

これも何度も何度も言っちゃうけど、まだボルボのドアを開けたことのない人こそ、試してほしい一台だ。

[レポート：今井優杏／Photo：阿部昌也]

※画像をクリックすると、より詳細な「V60 Cross Country」がチェック出来るフォトギャラリーページへとジャンプします！

V60 Cross Country D4 SE[FF] 主要諸元

全長x全幅x全高：4640x1865x1540mm／ホイールベース：2775mm／車両重量：1730kg／乗車定員：5名／駆動方式：前輪駆動(FF)／エンジン種類：「Drive-E(ドライブ・イー)」インタークーラー付 ターボチャージャー 直列4気筒 横置き DOHC 16V 直噴ディーゼルエンジン／総排気量：1968cc／最高出力：190ps(140kW)/4250rpm／最大トルク：40.8kg-m(400N･m)/1750-2500rpm／トランスミッション：ギアトロニック 8速オートマチックトランスミッション／燃料消費率：19.5km/L[JC08モード燃費]／タイヤサイズ：235/55R17(※撮影車両はオプションの235/50R18タイヤ＋7.5Jx18アルミホイールを装着)／メーカー希望小売価格：4,940,000円[消費税込み]