チカラもエコもデザインも! 至れり尽くせりな欲張りクロスオーバー/ボルボ V60クロスカントリー D4 試乗レポート(2/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:阿部昌也/ボルボ・カー・ジャパン
お見事だった、ボルボディーゼル「D4」の一挙導入
今年、ボルボ・カー・ジャパンが新たに導入したのは、ディーゼルエンジン「D4」だ。
これはボルボにとっても大きなニュースで、同社が日本でディーゼルエンジンを搭載した乗用車を販売すること自体が、実に32年ぶりのことだっていうんだからそりゃ話題にならないわけがない。しかもイッキに5車種ですよ!
日本市場全体を見渡しても、長く続いたディーゼル鎖国が終焉を迎えているにせよ、世界的に見て日本で正規販売されるディーゼルエンジンの数はまだまだ出島レベル。小出しにされてる感は否めないのだ。そこにきてこのボルボのD4エンジン一挙導入エイヤ!は相当に刺激的な、ワクワクするニュースだった。
もちろん導入はD4エンジンだけじゃない。 モジュールエンジン戦略「ドライブ・イー(Drive-E)」で追加されまくったダウンサイジングガソリンエンジン群(「T3」「T5」)も数を増やしたということもあって、そしてそれが既存モデルにどんどん乗っけられて追加されちゃったものだから、結果、やたらニュースで見かけるものの、まったくの新型は今年初なう、という面白い現象が起こってしまったのである。
最新ディーゼル「D4+前輪駆動」と伝統の「直5+四輪駆動」、実に悩ましい2つの選択肢
そんな肝煎りのパワートレーン導入直後の新モデルということで、V60クロスカントリーのエンジンラインナップを見比べても、なかなかに悩ましい選択肢が用意されたことに注目したい。
先述の「ドライブ・イー」で生産されたD4エンジン(2リッター直4 直噴ターボディーゼル)+FWD(前輪駆動)に8速ATを組み合わせた「V60 Cross Country D4 SE」と、かつてV70やV50といったモデルに搭載され、熟成の進んだ2.5リッター直列5気筒ガソリンターボエンジン「T5」に、AWD(四輪駆動)と6速ATが組み合わされた「V60 Cross Country T5 AWD」だ。
もちろん熟成の進んだこのガソリンエンジンT5に、極寒の国スウェーデン仕込みで信頼感タップリのAWDの組み合わせは試したい。しかしそれはもうちょっと寒くなって雪ふってからでいいかなエヘヘ。
今回はやっぱり今が旬の、D4搭載モデルに試乗してきた。
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