絶好調の最新ボルボ、実はバリュー・フォー・マネーにも優れていた ~その魅力、デザイン性や最先端の安全性能だけにあらず~(2/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:佐藤 正勝・島村 栄二・小林 岳夫
Lクラス並みの居住性、上質かつモダンな室内・・・魅力溢れるボルボ 新型V60
次は、2018年9月にフルモデルチェンジを果たしたボルボのステーションワゴン、新型「V60」を取り上げたい。
プラットフォームは、2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、国内外から高い評価を集めるSUVモデルの「XC60」と基本的に共通で、前輪駆動車ベースながらもボンネットが長く、全長が4760mm、全幅は1850mmのボディは、伸びやかで美しい。
内装は上質かつモダンな印象で、ドリフトウッドパネル(流木をイメージした独特の風合いを持たせた木目)を用意するなど個性も強い。居住空間にはLサイズワゴン並みの広さがあり、後席の足元空間もタップリしている。大人4名が乗車して、長距離を快適に移動できる。
全車が直列4気筒 2リッターガソリンエンジンを搭載して、T5はターボ、T6とT8はターボとスーパーチャージャーを併用するプラグインハイブリッドと、凝ったメカニズムを採用した。
非常に充実した先進安全装備はXC40と同様で世界最先端をいく。価格はV60 T5 モメンタム[FF]が499万円だ。カーナビなども標準装着され、全長が4700mmを超える輸入車としては価格を割安に抑えた。
ボルボ 新型V60とライバルのドイツ製ステーションワゴン、バリュー・フォー・マネー度を徹底比較
V60のライバル車としては、まず「メルセデス・ベンツ Cクラス ステーションワゴン」が挙げられる。
2018年7月のマイナーチェンジで小排気量のガソリンターボがラインナップの中心となった。1.5リッターガソリンターボのC200ステーションワゴン アバンギャルドで価格は576万円だ。
装備については、緊急自動ブレーキを作動させるアクティブブレーキアシストは標準装着されるが、上級のレーダーセーフティパッケージは20万1000円でオプション設定になる。Cクラスステーションワゴンは、ボルボ V60に比べると装備面で約100万円は高い印象だ。機能的にも後席の足元空間などはV60が少し広く、こうした実用性の高さもV60の魅力になる。
BMWでは「3シリーズツーリング」がライバル車だ。
V60 T5 モメンタムに相当するグレードは、直列4気筒2リッターガソリンターボを搭載する320iツーリング スポーツで、価格は582万円になる。先進安全装備では、ACCやレーン・チェンジ・ウォーニング、衝突回避・被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)等の装備があるとはいうものの、自動ブレーキの夜間作動の有無などはカタログにも明記されておらず、パイロットアシスト(レベル2相当の自動運転)のような機能も設定がない。もはや性能・機能の面で全て最新のV60が圧倒する。
ちなみに現行BMW 3シリーズの発売は2012年だから、すでに6年を経過した。先進安全装備は近年になって急速に進化したから、基本設計が古いと性能面では断然不利になる。BMW 3シリーズは後輪駆動のスポーティな運転感覚を特徴とするが、機能や装備と価格のバランスから客観的に判断すれば、V60が割安だし、そもそもの安全性もV60のほうがグッと高い。V60とBMW 3シリーズを比べるとすれば、後者が次期型にフルモデルチェンジしてからだろう。
前輪駆動車のワゴンとしては「アウディ A4アバント」がライバル車になる。
V60 T5 モメンタムに相当するA4アバントのグレードは、直列4気筒2リッターターボを搭載する前輪駆動のA4アバント 2.0TFSI スポーツだ。価格は556万円になる。
安全装備は相応に充実するが、後方からの衝撃に備えるアウディプレセンスリアはやはりオプションだ。これを含んだアシスタンスパッケージの価格は22万円のプラスになる。そうなればV60 T5 モメンタムに比べて80万円ほど高い計算となる。さらにV60では標準装備のLEDヘッドライト(標準はバイキセノンヘッドライト)がオプション設定だ。LEDヘッドランプにウッドパネルやレザー内装などをセットにしたパッケージオプションもあるが、こちらもプラス39万円。V60ならば、最初から上質なファインナッパレザー(A4アバントの革シートより数段上質で柔らかな仕立てのうえ、マッサージ機能やベンチレーション機能まで備わる)や個性的なドリフト・ウッド・パネルも備わる上級グレードのT5 Inscription(599万円)が手に入ってしまう。
以上のようにドイツのプレミアムブランドに用意されるワゴンは、同サイズのV60よりも80~100万円高い。V60は世界トップクラスの先進安全装備を採用した上で、価格を割安に抑えた。
輸入車の上級ブランドは、概して価格の割安感が軽視されやすい。しかし商品である以上は、自分の好みにどの程度合っているかも価格に置き換えて、買い得度を判断したい。XC40やV60など設計の新しいボルボは、高い機能、洗練されたデザイン、そして最先端の先進装備・機能を採用した上で、攻めた価格設定にも魅力がある。このポイントは見逃してはいけない。
>>“攻め”のボルボはクルマの新しい買い方・乗り方も提案する[次ページ]
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