ボルボ V60 パフォーマンスアップグレードソフトウェア試乗|走りの質感を高めるECUプログラム(1/3)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:渡 健介
目的地にいかに早く快適で安全に移動できるか
自動車メーカーは、標準モデルをさらに高性能化したモデルを送り出す部門を持っているが、ボルボの場合それはポールスターを意味する。
ボルボV60/S60ポールスター(従来モデルベースのチューンドコンプリートカー)の国際試乗会で会ったポールスター社のエンジニアと話をすると、彼らはレース活動でポールスターレーシング(現在のシアン・レーシング)に帯同するため、ヨーロッパ中をクルマで移動していると語った。
さらに彼らが言ったひと言が”ふるっている”。いわく、V60/S60ポールスターのコンセプトは「自分たちが目的地までいかに速く快適で安全に移動できるのか、そこをメインに開発しました」。”要はバランス”と語ったそこに、チューンの難しさが見え隠れするのだが、筆者は自動車ライターの職についた始まりがクルマをチューニングする媒体だったため、チューンの難しさを嫌というほど知っている。
だから彼らから「要はバランス」・・のひと言を聞いた時に、あ、このヒト達はチューンとは何たるかを見抜いているな、と感じた。
>>パフォーマンスアップグレードにより引き上げられたV60の走り[フォトギャラリー]
単純に最高性能だけを高めるだけではないECUプログラム
そのコンセプトを一般顧客向けに、さらに乗り味なども洗練させたモデルが、コンプリートカーのポールスターであり、今日の”ポールスター・エンジニアード”に受け継がれている。そして走行特性をより俊敏に変化させ、スポーツ性をさらに強調したいと言う要望に応えた商品のひとつが、「ポールスター・パフォーマンス・ソフトウエア」である。
これはエンジンの頭脳、ECUを変更する事による出力アップと、アクセル操作によるレスポンス、トランスミッションのシフトスケジュールの変更という走りにまつわる一連の制御を、もうワンステップ上に引き上げたモノ。AWDモデルでは前後輪の駆動配分までも変化させて、操縦特性をよりスポーティーな方向に向ける。
出力アップと言っても、それは単純に最高性能を高めるものではない。低速から中速域、つまり市街地や郊外路など、日常でもっとも多く使う領域での扱いやすさを重視しつつ、その幅をさらに上にも広げている。
もちろん、速さや俊敏性につながるものなので、ユーザーどなたにもお薦めできる、という類のものではない。スポーツドライビングを好み、アスリート感覚を持つユーザーにこそ価値が見出せるだろうと思っていた。
>>ノーマルよりも圧倒的に強まるスポーツ志向[次ページへ続く]
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