フォルクスワーゲン eゴルフ｜VW初導入のEV(電気自動車)を国内初試乗！ ゴルフとの違いを徹底評価する(4/4)
- 筆者： 渡辺 陽一郎
- カメラマン：和田 清志・フォルクスワーゲン グループ ジャパン
eゴルフは果たして買いか！？
価格の比較で見えてくるeゴルフの特長
eゴルフの価格は499万円だ。ゴルフ TSIハイライン(325万9000円)に比べて173万1000円高いが、eゴルフにはカーナビなどが標準装着されるので、装備の違いを補正した価格上昇は140万円くらいになる。
eゴルフは電気自動車だから、申請を行えば経済産業省による補助金の交付も受けられ、交付額は30万1000円だ。エコカー減税もeゴルフは免税、ゴルフTSIハイラインは減税で約8万円を節税できる。これらの金額を差し引くと、実質的な負担増額は100万円少々に収まる。
それでもリーフの最上級グレードとなるGが399万600円だから、eゴルフは100万円高い。ゴルフの運転感覚や自然に座れる後席などに、どの程度の価値を見い出せるかで価格の判断も変わるだろう。
またeゴルフは専用アルミホイールなどを装着するが、一見しただけでは電気自動車と分かりにくい。電気自動車に乗っていることを周囲にアピールしたいユーザーには、物足りなさが生じると思う。逆に電気自動車を機能的にも、見栄えの面でも普通に使いたい人には適している。
eゴルフをオススメしたいのはこんな人
前述のように電気自動車は選択肢が限られ、実質的にリーフ、BMW i3、テスラの各モデルに限られる。いずれの車種も電気自動車として専用のボディを備えて個性も強い。こういった電気自動車に馴染みにくさを感じるユーザーには、eゴルフはちょうど良い選択になり得る。
日本では総世帯数の約40％が集合住宅に住み、輸入車が活発に売れる都市部では、この比率が70～80％に高まる。集合住宅には充電設備を設置しにくいから、日本でeゴルフが好調に売れることは考えにくい。この点をフォルクスワーゲングループジャパンに尋ねると「一戸建てに住む富裕層のセカンドカーをねらっている」との返答だった。要は輸入高級SUVやLクラスセダン、あるいはVWに新たに加わった高級クーペのアルテオンなどと併用するユーザー向けというわけだ。
この需要を考えると、ゴルフではボディが少し大きい。間もなく新型に切り替わるコンパクトなVW ポロ(これも3ナンバー車になってしまうが)をベースにした電気自動車の方が、ニーズには合うだろう。
[レポート：渡辺陽一郎／Photo：和田清志]
VW New e-Golf 動画[VGJ]
フォルクスワーゲン e-ゴルフ 主要スペック表
| 主要諸元(スペック) | |
|---|---|
| 車種名 | フォルクスワーゲン e-ゴルフ |
全長 | 4,265mm |
全幅 | 1,800mm |
全高 | 1,480mm |
ホイールベース | 2,635mm |
車両重量 | 1,590kg |
乗車定員 | 5名 |
一充電走行距離（JC08モード） | 301km |
交流電力消費率 | 124Wh/km |
定格出力 | 100kW |
最高出力 | 100kW(136PS)/3,300-11,750rpm |
最大トルク | 290Nm(29.5kgf-m)/0-3,300rpm |
駆動用バッテリー | リチウムイオン電池 |
総電圧 | 323V |
総電力量 | 35.8kWh |
トランスミッション | 1段固定式 |
フロントサスペンション | マクファーソンストラット（スタビライザー式） |
リヤサスペンション | 4リンク（スタビライザー付） |
タイヤサイズ | 205/55 R16 |
車両本体価格[消費税込] | 4,990,000円 |
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1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る
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