MOTAトップ 記事・レポート 特集 自動車評論家コラム トヨタ 80スープラ、日産 R32、R33…価格高騰の理由とは!? ちょっと古い日本車にアメリカの若者たちが熱狂するワケ 2ページ目

自動車評論家コラム 2019/5/29 18:01

トヨタ 80スープラ、日産 R32、R33…価格高騰の理由とは!? ちょっと古い日本車にアメリカの若者たちが熱狂するワケ(2/2)

日産 R32型 GT-R(右ハンドル仕様)
日産 R32型 GT-R(右ハンドル仕様)トヨタ 新型スープラ RZ[プロトタイプ/直6 3.0Lターボ/2019年春発売予定・5代目モデル]カーセンサーブースには80スープラが展示されていた【オートモービルカウンシル2019】トヨタ 新型スープラ RZ[プロトタイプ/直6 3.0Lターボ/2019年春発売予定・5代目モデル]画像ギャラリーはこちら

JDMファンから「神」とあがめられる車は?

JDMを愛するアメリカの若者たちにとって、究極のJDMは「日本で販売されていた右ハンドルの車をアメリカで乗る」ことである。

単にアメリカで人気の日本車(左ハンドル)に乗るだけではなく、日本で実際に使われてきた右ハンドル車に乗ることが最高にクール、そしてその車とオーナーは「神」とあがめられる存在になる。

そこまでの魅力は何なのか? ロサンゼルス郊外のガーデナという町で定期的に開催されているJDM好きが集まる集会を取材した際、彼らは日本車の魅力をこんな風に語っていた。

JDM好き外国人オーナーたちの声

日本車は信頼性が高く、そしてカスタムパーツの種類がものすごく多い。多様な日本車に対応しているので、どれを選ぶのか悩むほどに選択肢が豊富。

車そのもののクオリティが高いので、20年、30年経過した車でも安心して乗れる。カスタムのベース車として最高の素材。

■日本車は独自のデザインスタイルがある。アメリカ車やドイツ車にはない、独特の個性だ。そして、アフターパーツメーカーのクオリティもすこぶる高い。

私たち日本人は、日本車といえば個性は薄くても、壊れない、燃費がいい、整備性が良いと言った理由がまっさきに思い浮かぶが、海外では日本人が思いつかない視点で日本車を高く評価してくれている。とても光栄なことだ。

右ハンドル禁止の国で、どうやって乗るの?

しかし、アメリカは右側通行&左ハンドル車の国。FMVSS(日本でいう国交省)の基準により右ハンドル車の輸入や販売は禁じられている。一部の例外を除いては…。

そう、この例外こそが「25年ルール」と呼ばれるありがたい規定で、ざっくりいうと製造から丸25年が経過した海外の車はハンドル位置や衝突実験のデータ、シートベルトの有無などFMVSSのすべての基準から除外される。

日産 R34型 GT-R(カナダ登録車)

製造から21年でEPA(排ガスに関わる規制)から除外され、25年でFMVSS除外となる。それで、2014年から日産 R32型GT-R(1989~)、2018年からトヨタ 80系スープラ(1993~)や日産 R33型GT-R(1993~)などに25年ルールが適用され始め、日本から中古車としてアメリカに輸出されるケースが激増し、日本での中古車価格が高騰しているのだ。

ちなみにR33型 GT-Rは1995年1月からの販売なので25年ルールの適用は2020年1月~となる。(製造日ベースだともう少し早い)

2019年に25年ルールが適用され始める車とは?

また、排ガスに関する基準EPAは州ごとに基準が異なっておりほとんどは21年超で除外となるが、世界で最も厳しいと言われるカリフォルニア州においては、EPA除外となるのは製造から38年となる。カリフォルニアで日産 R32型GT-Rを登録したければ、1989+38=2027年以降になるのだ。

ちなみに、カナダでは25年ではなく15年でOK。ただし、カナダに登録できる住所があることが必須条件となる。

そして今年2019年には1994年に製造された三菱 ランサーエボリューションII、日産 シルビア ニスモ270R、スカイラインGT-R V-Spec II(R32)、スバル インプレッサ WRX STI、トヨタ セリカGT-Fourなどが海を渡り、到着を心待ちにしているアメリカのユーザーの元に届けられることになるのだろう。

ちなみに、製造から「25年以上」はかなり厳しくチェックされる。基本は月換算だが、州によっては、「日数」で換算するところもある。製造日がわからない場合は、車検証の初度登録日などでチェックするそうだ。

日本では自動車税や重量税の増税に苦しめられる、ちょっと古い日本車も、海外では25年経過を心待ちにして、やがて「神」とあがめられる存在になるというわけだ。

[筆者:加藤 久美子/撮影:加藤 久美子・MOTA編集部]

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