トヨタ 新型スープラ 3モデルにイッキ乗り! 公道試乗で見えたそれぞれの“個性”とは(1/4)
- 筆者: 山田 弘樹
- カメラマン:茂呂 幸正
新型スープラ 3モデルに試乗! それぞれの個性を確かめる
新型スープラは、トヨタとしてはもちろん、近代のミドル級スポーツカーとして考えても、恐ろしく妥協のないFRスポーツカーだ。そのベンチマークとなったのは、ポルシェ 718ケイマン。
駆動方式こそミッドシップとFRとの差はあるが、新型スープラはこれに真っ向から勝負を挑んでいる。普段の立ち居振る舞いこそ、洗練を軸とした軽やかさと華やかさに満ちているが、その志はものすごく熱い。
2シーターに割り切った新プラットフォームの採用に至った背景
新型スープラの核となるのは間違いなく、新規に開発されたプラットフォームだ。2シータークーペとして割り切られたシャシーの寸法は、全てが走りのために用意されている。
これはトヨタとBMWが共同で開発した全く新しいプラットフォームであり、ご存じの通りBMWはZ4にこれを転用している。スープラの開発責任者である多田哲哉氏によれば、「当初トヨタとBMWはお互いの素材からベストなものを持ち寄り、新しいスポーツカーを開発する予定だった」という。
しかしスポーツカーに対する高い理想や構想をすり合わせるに従って、まったく新しいプラットフォームを作り上げた方が良い、という判断がなされた。そしてトヨタはクーペを、BMWはオープンスポーツを選んだというわけだ。
つまりよく新型スープラに対して言われる「中身はBMWなんでしょ?」という意見は、合っている部分もあるけれど、本質的には違うのである。
“走り”を最優先したことで生まれたピュアスポーツカー
エンジンやトランスミッションといった良質なパーツはBMWのものを有効活用する。またスイッチ類、特にインフォテインメント系の「iDrive」システムなどはそのまま流用した。
ちなみに新型スープラのウインカーは右ハンドルにも関わらず左にあるのだが(日本仕様の輸入車のようだ)、これをわざわざトヨタ自社製で右レバーに改めるだけで、かなりのコストになる。それがユーザーに跳ね返るなら、安くした方がいいという割り切りが、何より“走り”を優先した多田チーフエンジニアの考えである。
確かに日本仕様で右ハンドルの輸入車などは、イギリス仕様などを使っているのだろう。ほとんどが左ウインカーのままだ。オーナーとして慣れてしまえばさしたる問題ではない。
その一方でインテリアなどは、メーターやナビといった主要装備がBMW製だけにそう思えないのがたまに瑕だが、98%がトヨタ自生だという。
つまりお金をかけるべきところ(この場合プラットフォームだ)には掛け、開発コストを省くところは(BMWのパーツを使うことで)省く。
BMWとのジョイントは一義としてこの時代に、現実的な価格のスポーツカーを誕生させるためにあったといえる。
新型スープラはトヨタ×BMWによるドリームプロジェクト
むしろトヨタとBMWという二大カンパニーの共演は、やりたいからといってできるというものではない。
漏れ聞く話しではお互いのトップ同士が偶然出会ったとき、「今度一緒に面白いことやろうぜ!」と意気投合したことからこのプロジェクトが始まったと言われているが、とにもかくにもこれは走りを愛する者同士が意志を共にした、ひとつのドリームプロジェクトだと言えるだろう。
実際その言葉が大げさではないくらい、新型スープラの走りはピュアだった。そう、先進的というよりもピュア。電動化や環境性能が叫ばれる昨今で、潔いほどにそのキャラクターを走りへと振っている。
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