トヨタ「シエンタ」の新型と旧型を比較してみた(2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
内装のデザイン&居住性
旧型シエンタの登場は2003年だから、12年後に発売された新型と質感の点で差が付くのは当然だ。新型はインパネにステッチ風の処理を施すなど凝っている。
メーターは旧型ではインパネの中央に装着していたが、新型はハンドルの奥側の高い位置に備わる。新型は視線移動を抑えたが、メーターの位置が高いために少し圧迫感が伴う。またシンプルだった旧型のインパネを好むユーザーもいるだろう。
新型を選ぶ時に注意したいのは、オートエアコンを備えた上級の「G」とマニュアルエアコンタイプの「X」では、空調機能だけでなくインパネの質感も異なること。実用的には「X」でも良いが見栄えが劣る。開発者は「販売ディーラーからも、Xにオートエアコンを標準装着して欲しいという要望が寄せられている」と言う。
シートの座り心地はどうか。1列目は旧型に比べるとボリューム感が増して快適になった。体が座面に少し沈んだところでしっかりと支える。背もたれの下側は腰を包む形状でサポート性も良い。床と座面の間隔は旧型を25mm下まわり、着座姿勢をセダンに近付けた。
2列目は、新型では中央にアームレストと収納設備を備えた6人乗り、ベンチタイプの7人乗りを用意した。6人乗りの2列目は、トヨタ「ヴォクシー&ノア」などの完全に分割されたキャプテンシートではなく、中央の形状が異なるだけだ。
座り心地は7人乗りが少し柔軟。6人乗りに備わるアームレストに、角度の調節機能が付かないことも気になる。とはいえ旧型に比べるとサポート性が向上して進化した。
3列目は新旧で機能が根本的に違う。旧型は片手で2列目の下に格納できることがメリットで、シートのサイズは小さかった。新型では3列目を格納するには2列目を持ち上げねばならないが、シートは大幅に拡大された。座面の奥行寸法は、1列目が490mm、2列目は460mm、3列目は420mmと短いが、低床化で床と座面の間隔が増して座り心地は向上した。
1列目から3列目までのヒップポイント間隔は、旧型に比べて10mmしか拡大していない。大人6名の乗車に支障はないが、旧型の全長は新型に比べて135mm短かったから、空間効率は新型になって少し下がったとも受け取られる。
それでも旧型と同様に薄型の燃料タンクが採用され、全高が1700mm以下の小さなミニバンとしてはかなり快適だ。3列目の居住性はトヨタ「ウィッシュ」やトヨタ「プリウスα」を上まわり、トヨタ「アイシス」と同等かそれ以上になる。
新型では床の位置にも注目したい。路面と床の間隔は、スライドドア部分で計測すると、旧型は385mmだったが新型は330mmに抑えた。この低い床面が、新型の乗降性や居住性を向上させている。
進化度数:7点/10点(大幅に進化した)
動力性能
新型シエンタは直列4気筒1.5リッターエンジンを搭載するが、ノーマルタイプとハイブリッドがある。一方、旧型はノーマルタイプのみだ。
ノーマルエンジン同士で動力性能を比べると、旧型が少し優れていた。トランスミッションは両車とも無段変速式のCVTだが、車両重量は旧型が100kg軽い。加えて最高出力は同等ながら、最大トルクは旧型が14.4kg-mで、新型は13.9kg-mに下がった(発生回転は両車とも4400回転)。新型では2000~3000回転付近の駆動力が不足気味で、4000回転を超えた領域での加速は活発になるがミニバンとの相性はいまひとつ。最大トルクの発生回転域をもう少し下げると、動力性能を有効活用できるだろう。
一方、ハイブリッドでは、ノーマルエンジンで力不足を感じる回転域がモーターの駆動力で効果的に補われる。ハイブリッドは燃費の良さが特徴だが、排気量に対してボディが重い新型シエンタの場合、低回転域で軽くアクセルを踏み増した時などもモーター駆動のメリットを感じる。
進化度数:1点/10点(もう少し頑張りましょう)
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