「激変デザインの真実」トヨタ 新型「シエンタ」デザイナーインタビュー[前編]/トヨタ 郷 武志【DESIGNER’S ROOM】(1/3)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:原田淳
団塊ジュニアとポスト団塊ジュニア世代では、求めるデザインの方向性が違う
オートックワン(以下AO):12年ぶりのモデルチェンジということで、いつもと違う気持ちだったと思いますが、どんな考えでデザインに臨みましたか。
トヨタ自動車デザイン本部 トヨタデザイン部主幹 郷 武志さん(以下G):旧型には良かったところと変えたいところ、両方ありました。その中で大きく変えようと思ったのは、想定ユーザーが変わったことが理由です。
ユーザー調査をしたところ、旧型は団塊ジュニア世代がメインで、優しいデザインを好む方が多かったのですが、新型はポスト団塊ジュニア世代がメインで、主張の強いモノを好む傾向にあります。それに合わせて開発していきました。
エクステリアイメージは「トレッキングシューズ」!?
AO:エクステリアはトレッキングシューズをイメージしたそうですが、これはデザイン側から出たアイディアでしょうか。
G:デザインを始めるにあたり、国内の各拠点からアイディアを出してもらったときに、この提案があったのです。ファッション感覚にあふれていて、男女を問わず受け入れられそうだと思い採用しました。トレッキングシューズではプロテクターも機能のひとつであることから、乗員を守る造形をイメージしました。
旧型の優しいデザインは女性には好評でしたが、男性が乗るには抵抗があるという声も聞かれました。ダウンサイザーの方が多くなってきたこともあり、ジェンダーレスなデザインを目指したのです。
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