新型プリウスPHV発売!326~422万円という“高めの値段”をプリウスとの価格差から考える(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
昨年から発売延期されていた“プリウスPHV”がいよいよ2月に登場!
地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出規制が強まることも視野に入れ、最近の欧州車にはプラグイン(充電可能な)ハイブリッドが増えた。
VW(フォルクスワーゲン)、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMWなどは、いずれもプラグインハイブリッドを用意しており、日本でも購入できる。
トヨタ プリウスは1997年に世界初の本格乗用ハイブリッドとして誕生した実績があり、いわば老舗だ。そこで2012年に、3代目となる先代プリウスにPHV(プラグインハイブリッド)を用意した。
この後、ベースのプリウスが2015年12月に現行型へフルモデルチェンジされた後、2017年2月15日に改めてプリウスPHVも新型となって登場した(当初の予定では2016年10月下旬頃に発表される予定だったが、延期されていた)。
▽[動画]石原さとみさんが登場した発表会の様子
先代とは“全く異なるクルマ”として生まれ変わった
新型プリウスPHVは、基本的には現行プリウスに充電機能を加えたクルマだが、ボディや内装に大きな変更を施しているなど先代とは全く別の車種と考えても良い程だ。
外観では、フロントマスクがかなり異なる。ベース車のプリウスは個性的な形状で賛否が分かれるが、プリウスPHVは比較的馴染みやすく、上質な雰囲気も感じる。すべてのグレードに4灯式LEDヘッドランプが装着され、アダプティブハイビームシステムも採用した。
Toyota SafetySense P(トヨタ セーフティセンス P)の単眼カメラセンサーが対向車や先行車を検知すると、左右16個のLEDを必要な箇所だけ消灯させ、ハイビーム状態を維持しながら相手車両の眩惑を抑える。
テールランプと後ろ姿も異なる。
プリウスのテールランプは縦長に配置されるが、プリウスPHVは横長だ。そして、リアウィンドウには波打つような形状の「ダブルバブルウインドウ」を採用して個性的に仕上げた。
外観の変更を受けたことで、新型プリウスPHVの全長は105mm伸びて4,645mmになった。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はプリウスと同じ2,700mmだから、前輪よりも前側が25mm、後ろ側は80mm伸ばされた。
ボディの前後を除いた中央部分は、ベースとなったプリウスに準じる。ボンネットを比較的短く抑え、フロントウィンドウの角度を寝かせ、サイドウィンドウの下端は後ろに向けて大きく持ち上げた。この形状は最近の流行だが、斜め後方や真後ろの視界は損なっている。試乗車で確認したい。
それでもボンネットは手前の部分が少し視野に入り、車幅やボディ先端の位置が多少は分かりやすい。
最小回転半径は標準装着される15インチタイヤ仕様が5.1m、オプションで17インチを選ぶと5.4mになってプリウスと等しい。全長が伸びたものの、取りまわし性はプリウスに近い。
中央の11.6インチ大型ディスプレイが目を引くインテリア
室内空間では、インパネの中央付近の形状がプリウスとは異なる。11.6インチの大型ディスプレイを縦長に装着したからだ。プリウスPHVでは、最廉価のSを除いた全車にこのディスプレイとSDナビゲーションシステムが標準装着される。
大型ディスプレイの採用で、通信サービスの「TコネクトDCMパッケージ」が使いやすくなった。DCMでは盗難などのセキュリティサービスを利用できたり、カーナビの地図画面が自動更新される。オペレーターのサービスもある。DCMのサービスは有料だが、プリウスPHVを購入すると3年間は無料サービスが付帯される。
画面の大型化でカーナビも見やすい。進行方向が画面の上側になるように表示すると、地図画面で前方の広い範囲を確認できる。
居住性はベース車のプリウスと同じだ。前席はおおむね快適。フロントウィンドウを大きく寝かせたが、圧迫感は生じない。
後席はホイールベースが2700mmと長いために足元空間はタップリしているが、天井を後方に向けて傾斜させたから、頭上は少し狭い。着座姿勢も腰が少し落ち込む。大人4名の乗車を妨げることはないが、長身の同乗者は窮屈に感じる場合があるので注意したい。
荷室の容量はプリウスと異なる。プリウスでは駆動用電池を後席の下に搭載するが、プリウスPHVでは荷室の下側に配置したからだ。
後席の下には充電器が収まる。この配置によって荷室の床はプリウスに比べて160mm高く、積載性が少し悪化した。荷室の床面積はプリウスと同様に広く、リアゲートも大きく開くが、背の高い荷物は収納しにくい場合がある。
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