先代の反省を踏まえて開発、ケタ違いに“魅力度”が増した新型「プリウスPHV」(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
コスト面の高さから販売が苦戦していた先代プリウスPHVだが・・・
2015年の12月に登場したプリウスの売れ行きは絶好調。目下のところ、日本国内で最も多く売れるクルマとなっている。
今後の展開も気になるところで注目されるのが、現行プリウスをベースに充電機能を備えたプラグインハイブリッド「プリウス PHV」だ。2016年10月26日に発表(販売店の受注開始は9月上旬)が予定されている。
プリウスPHVは先代型も設定されていたが、売れ行きは正直なところ低調であった。充電も可能なリチウムイオン電池の総電力量は4.4kWhで、アウトランダーPHEVの12kWhに比べると大幅に小さかった。
しかも、先代のプリウスPHVの価格はプリウスよりも50万円ほど高く、経済産業省による補助金(交付額は最終的な改良を行った2015年6月時点で12万円)を差し引いても、ユーザーの負担が約40万円は増えてしまう。そして、ベース車となるプリウスの燃費性能も優れているので、40万円の差額を走行コストの節約で取り戻すのはほぼ不可能であった。
このような事情もあって先代プリウスPHVは低迷し、2011年の発表時点では1ヶ月に約3,000台を売る計画だったが、大幅に下まわった。
先代の反省を踏まえ「新型プリウスPHVは、必ず成功させる」
新型プリウスPHVは、先代型の反省も踏まえて開発されている。
先代プリウスPHVが先代プリウスに充電機能を加えただけのクルマだったのに対し、新型プリウスPHVでは外観や内装のデザイン、装備などをベース車のプリウスとは大幅に変更する。PHVで重要となる、充電された電気で走るEVの機能も大幅に向上させた。
従って新型プリウスPHVは、充電可能なプリウスというよりプリウスの“上級モデル”に位置付けられる。クラウンとクラウンマジェスタのような関係で、別の車種と考えても良いほどだ。
このような関係にすれば、「価格の上昇分を走行コストの節約で取り戻せるか」という損得勘定だけで判断されるのも避けられる。
開発者は「今のところ充電の可能なトヨタ車はプリウスPHVのみ。新型を必ず成功させるために、さまざまな工夫を凝らした」と言う。
日本仕様の詳細な情報が得られたので、内容を具体的に見ていこう。
まずは外観だが、前後のデザインやフェンダーは、プリウスとは別の造りになる。
共通なのは前後のピラー(天井を支える柱)とドア程度だ。造形的に最も異なるのはフロントマスクで、バンパーの下側を彫りの深い形状に変更した。ヘッドランプは4灯式のLEDで、プリウスのバイビームLEDヘッドランプとは形状が違う。
この4灯式LEDは、燃料電池車のMIRAIと併せて開発された。ランプの形状もMIRAIに似ており、プリウスPHVが、プリウスとMIRAIの間に位置することを表現している。
このフロントマスクの採用で、空力特性は不利になった。そこでボディ後部の形状を変えて、外観を伸びやかに見せると同時に空力特性も向上させる。
リヤゲートはCFRP(炭素繊維を使った強化樹脂)で成形され、リヤウインドーの下端が波打つような形にすることで、空力に貢献している。Cd値(空気抵抗係数)は、プリウスが0.24、プリウスPHVは少し悪化するものの0.25に抑えた。
このほかの外装では、オプションなどによってソーラータイプのルーフパネルを採用する。
発電された電力は、走行中には電装品へ供給してエンジンの負荷を減らし、停車中はニッケル水素のサブバッテリーを経て駆動用リチウムイオン電池に供給される。
ボディサイズは全長が4,645mm、全幅が1,760mm、全高が1,470mmとなる。全長はプリウスに比べるとボディ形状の変更で105mm伸びた。
ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2,700mmで等しいため、フロントオーバーハング(前輪よりも前側へボディが張り出した部分)が25mm、リヤオーバーハングは80mm拡大している。
このオーバーハングの長いボディ形状もMIRAIに似た印象だ。全幅と全高に変更はない。
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