日本版コンシューマレポート-トヨタ プリウス ユーザー試乗レビュー-(4/6)

日本版コンシューマレポート-トヨタ プリウス ユーザー試乗レビュー-
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プリウスのユーザー評価・レビュー/試乗

ハイブリッド車の走行評価は実に難しい。

今回試乗したユーザーのうち、ハイブリッド車所有率は10.5%。ほとんどの方は、初めてハイブリッド車を運転したのだろう。ハイブリッド車と聞くと「普通の車と、なんだか違いそう」「電気っぽいイメージ」など、特殊車輌というイメージを描くはずだ。

そして今回、データ集計した結果「車内がとても静かだった」が年代別全体で65.8%と目立った。ディーラー周辺での低速走行では、EVモードの場合が多い。また信号で停止すればアイドルストップする。だから当然「静かだ」と感じる。

これは、ハイブリッド車の「ほんの一面」にしか過ぎない。「プリウス」のカタログに記載されているように、エンジンと電気モーターの様々な作動の組み合わせ、さらにはエネルギー回生などを実感するには、短時間試乗では不可能だ。

実際、コメントを見ても、ハイブリッド車特有の運動特性についての詳しい感想がない。リコール問題で話題となった、回生ブレーキ(とアンチロックブレーキの連動性)についても、コメントはほとんどない。やはり、短時間でハイブリッド車を思い切り走らせることは難しい。

選択肢回答では、「実物より大きなクルマに乗っている感じがした」が50代以上で58.3%。その反対に「実際より小さいクルマに乗っている感じがした」が40代で50.0%。こうした回答は、前述の「プリウスの真骨頂である室内の広さ」とボディの大きさ感との関係で考えれば、結局は「同じ印象」なのだ。

視界について、50代以上と20代で目立ったネガティブな意見は、やはり後方視界が原因だ。

乗り心地について、「モノ選びに厳しい」50代以上で41.7%が硬いと判断した。トヨタ本社関係者の間でも「プリウスの乗り味が硬い」という声をよく聞く。

筆者も、日米欧各地で第三世代「プリウス」を試乗しているが「硬い」と感じる。やや専門的な表現を使うと、「路面からの入力に角(カド)がある」感じだ。その「初期入力がボディ全体に響く」感じがある。この現象は、コンクリート路面のアメリカで顕著に分かる。

また今回のユーザーコメントのなかに、タイヤのロードノイズの指摘が数件あった。こうした各現象について当然、トヨタ側も対応を考慮しており、今後カイゼンされていく。

プリウス エンジン

また、40代の30.0%で「エンジンパワーが大きくて驚いた」と回答。その原因としてエンジンの排気量が挙げられる。第一世代、第二世代「プリウス」は1.5リッター、それが第三世代で1.8リッター化された。

これは、アメリカのフリーウエイ、ドイツ・アウトバーンなどでの高速巡航の際、最大回転数を下げて燃費を稼ぐことが大きな理由だ。また、市街地走行でも1.8リッターのパワー&トルクによって、電気モーターアシスト量の活用範囲が広く設定出来る。

さらに、ECOモード/POWERモードの切り替えでも、1.8リッターの余裕がモノを言う。ハイブリッド車というと電気系技術にばかり注目が集まる。だが、他の自動車メーカー関係者は第三世代「プリウス」について「実は、「内燃機関(=エンジン)の進化が大きい」と指摘する声が多い。

プリウス/試乗に関するユーザーコメント

・エンジンが動き出すときの違和感がもっとあると思った (tenullさん 埼玉県)

・サイズが大きくなったので、取り回しや見切りが悪いイメージがありましたが、そのようなことはなく車内は広いが扱いやすく感じました (ヒロムさん 愛知県)

・車というより、マシンと言った方が良いかもしれません。メーターから操作感から既存の車とはかなり変わっていると感じました。・・・言葉でうまく説明できないので、一度乗ってみれば判ると思います! (arderさん 千葉県)

・静かなのですが、強めの加速時には、エンジンと、モーターが、同時に働くので、かなりうるさいです (キムラさん 大阪府)

・第1世代と同じようにかったるいかと思っていたが、意外に加速もよく、十分自家用車として使えると思った。また、エクステリア、インテリアの質感も初代(社用車として使用)から大きく向上している (クワノさん 富山県)

・意外とハイブリッドカーを意識することなく、自然な運転感覚で良い意味で違った (クマさんさん 富山県)

・発進時の電気的な挙動が以外に無く、ハイブリッド感があまりなかった (バンさん 埼玉県)

・タイヤの音がこんなにも大きいのかとちょっとびっくり (ニシタキさん 兵庫県)

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

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