“軽自動車の技術”を数多く流用し、商品力を高めたトヨタ 新型「パッソ」&ダイハツ 新型「ブーン」(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社/ダイハツ工業株式会社
新型では機能を表現して、適度な存在感を
新型のパッソとブーンには、それぞれ2つのシリーズがある。標準ボディの「X系」と、上級の「パッソモーダ」&「ブーンシルク」だ。後者はフロントグリルの形状を際立たせ、ハイ/ロービームを使い分けるバイビーム式LEDヘッドランプは丸型に変更している。
標準ボディはハロゲン、あるいはLEDヘッドランプが横長で、グリルの形状と相まってワイド感を強調した。
先代型はボディ全体に丸みがあって可愛らしさを表現したが、新型は情緒的なところにあまり捕らわれていない。機能を表現して、適度な存在感を持たせた。
ボディサイドは水平基調のデザインだ。サイドウインドウの下端は低く、側方や斜め後方の視界も良い。周囲の見やすさは、先代型の特徴を受け継いだ。
ボディサイズは先代型と同様にコンパクトで、全長はX系が3650mm、パッソモーダ/ブーンシルクが3660mmになる。全幅はすべて1665mmで、全高は1525mmだ。先代型とほぼ同じサイズに収まり、スズキ「ソリオ」と並んで、コンパクトカーの中でも最小クラスになる(トヨタ「iQ」は販売終了)。
新型のサイズで注目されるのは、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が50mm伸びて2490mmになったことだ。居住空間は前後席の間に位置するから、ホイールベースを拡大すれば後席の足元空間を拡大できる。
最小回転半径は全車が4.6mで、14インチタイヤを履いた先代型の4.7mに比べると小回り性能が向上した。前述のように前後左右ともに視界が良いから、小回りの利きと相まって狭い駐車場などでも扱いやすい。
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