トヨタ クラウン試乗レポート(3/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:茂呂幸正
新しいクラウンはどうか?と訊かれたら・・・
前記の乗り心地の改善が、もっとも顕著に感じられたのはハイブリッドだ。
従来はノンハイブリッド車に比べて200kg近く重い車両重量に耐えるがために、足まわりはけっこう固められていた。コーナリング時のロールは抑えられているが、やや突っ張った印象で、乗り心地も跳ね気味だった。そのあたりが今回、見直されたカタチだ。
ロールこそ増えたが、得たもののほうが大きいと思う。 あとは、物理的な宿命ではあるが、バッテリー搭載のためノンハイブリッド車に比べてだいぶ奥行きが小さくなるラゲッジルームについて、もう少し使い勝手がよくなることに期待したい。
ちなみに昨年7月よりハイブリッドにも装備を簡略化した廉価版が設定されているが、受注は1割程度にとどまっている模様。なお、ハイブリッド全体のグレード体系も見直されている。現行クラウン自体が先代ゼロクラウンの改良版的な内容であるため、もともと完成度が高く、マイナーチェンジでどこを直すのか興味を持っていたのだが、上客ユーザーを多く抱えるクラウンに相応しく、数少ない不満点にもしっかり手当てを施してきた。さすがはトヨタだ。
新しいクラウンが、時代のニーズやユーザーの嗜好に合わせて、より不満のないクルマに成長していることを、この機会に確認することができた。 購入を検討する知人に新しいクラウンはどうかと訊かれたら、太鼓判を押して薦めたいと思う。
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