トヨタ 新型 クラウン ハイブリッド[14代目・2012-2013年モデル]公道試乗レポート/渡辺陽一郎(1/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
V6 3.5リッターから直4 2.5リッターへ、イッキにダウンサイジング
2012年12月末に発売され、既に試乗レポートもお届けしているトヨタの14代目新型「クラウン」シリーズ。ただし注目のハイブリッドシリーズは1月末からの生産開始ということで、前回の試乗レポートでは限られたテストコース内での印象を先行してお届けした。その後いよいよ正式に生産が始まり、ナンバーがついた新型クラウン ハイブリッドが用意出来たことから、トヨタは2013年3月に再び「トヨタ クラウン」試乗会を実施した。新型クラウン ハイブリッドで初となる公道でのファーストインプレッションを、自動車評論家 渡辺陽一郎氏が速攻でお届けする!
「何を言ってるの!?」と驚いたのが、現行クラウンの発表時にスピーチされた「ゼロクラウンを超えた」というキーワード。「ゼロクラウン」とは、2003年に登場した12代目のニックネームだ。新しいクラウンを追求すべく、プラットフォームから刷新して大幅な進化を遂げたが、ゼロクラウンが登場したのは既に10年前。2012年末に登場した14代目の現行型を超えて当然。そうでないと、2008年に投入された13代目を買ったユーザーの立場もなくなる。
真意を開発者に尋ねると、「進化の度合いがゼロクラウン以上に大きく、革新的なフルモデルチェンジを行ったという意味」とのことらしい。
ハイブリッドはV型6気筒の3.5リッターから直列4気筒の2.5リッターエンジンにサイズダウン。今までのクラウンの歴史を振り返っても、「小さくすること」はほとんどなかった。フロントマスクは賛否両論なものの、大幅な変更の象徴でもあるだろう。フルモデルチェンジの内容を知った時の驚きは、確かにゼロクラウンを超えていた。
そこで今回は、ハイブリッドに絞って試乗してみたい。現行クラウンは2012年12月に発売されたが、ハイブリッドの生産は2013年に入ってから。そこでハイブリッドで一般公道を走れる報道試乗会は、2013年3月の開催となった。
発売早々、70%を超える販売比率を叩き出した新型クラウンのハイブリッドモデル
先代13代目クラウンはハイブリッドを独立したシリーズに位置付けたが、現行型では「クラウン ロイヤル」と「クラウン アスリート」にそれぞれハイブリッドモデルを組み込んでいる。ハイブリッドがスタンダードになったともいえそうだ。
グレードはロイヤル、アスリートそれぞれに各3種類を設定。ハイブリッド以外のエンジンは、ロイヤルがV型6気筒の2.5リッターガソリンエンジンで、アスリートには2.5リッターのほかに動力性能の高い3.5リッターも選べる。
直列4気筒の2.5リッターをベースにした現行ハイブリッドの動力性能は、ロイヤル、アスリートともに、エンジンとモーター駆動を合計したシステム最高出力が220馬力になる。先代型に積まれたV型6気筒の3.5リッターをベースにしたタイプに比べると、125馬力のマイナスだ。その代わりJC08モード燃費は、14km/Lから23.2km/Lへ飛躍的に向上した。現行レクサスGS450hに積まれる先代クラウン ハイブリッド改良型のV6仕様でも18.2km/Lだから、燃費数値で5km/L、比率にすれば27%上まわる。
車両価格は先代ハイブリッドの標準仕様が540万円、現行ハイブリッドロイヤルサルーンが469万円だから、機能の差はあるものの71万円の値下げになった。燃費と価格の両面でハイブリッドを選びやすい。その結果、クラウンの受注台数の約70%がハイブリッドになる。
ここで懸念されるのは、直列4気筒の採用に伴う振動やノイズ、動力性能などだ。開発者も「クラウンとなれば質の低下は許されず、慎重に開発を進めた」と言う。この成果を試乗して探ってみたい。
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