トヨタ クラウン、アスリートに初の“2リッターターボ”搭載、世界初採用「ITS Connect」も [詳細解説](1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
「トヨタ クラウン」は日本を代表する高級セダン。初代モデルの登場は1955年だから、今年で生誕60周年を迎えた。
日本の最長寿モデルは、1951年に「トヨタ ジープ」として発売されて1954年に車名を変えた「トヨタ ランドクルーザー」だが、クラウンもこれに次いで長い歴史を誇る。
現行型は14代目で、2012年12月に発売された。従来型に比べてフロントマスクを大幅に刷新させ、存在感の強い顔立ちに仕上げている。2.5リッター直列4気筒のハイブリッドを設定したことも特徴だ。このクラウンロイヤル&アスリートが、2015年10月1日に比較的大きなマイナーチェンジを実施した。
エンジンからサスペンション・安全装備にまで改良が加えられたので、その概要をご紹介しよう。
アスリートへ「2リッター直4ターボ」が新たにラインナップ!
従来型のエンジン構成は、ロイヤルが2.5リッターV6と、2.5リッター直4ハイブリッドの2機種。
アスリートはロイヤルの組み合わせに加えて、3.5リッターV6が用意されていた。それが、今回のマイナーチェンジによりアスリートは新たに「2リッター直4ターボ」が加わったことが、今回のクラウンマイナーチェンジにおける大きな変更点だ。このエンジンは2.5リッターV6の後継だが、後輪駆動のみの組み合わせ。だから4WDは従来と同じく2.5リッターV6を積む。
ややこしいので、マイナーチェンジ後にアスリートに用意されるエンジンラインナップを以下に整理しよう。
2リッター直4ターボ(2WD)
2.5リッター直4ハイブリッド(2WD/4WD)
2.5リッターV6(4WD)
3.5リッターV6(2WD)
ロイヤルサルーンは変更がなく、
2.5リッター直4ハイブリッド(2WD/4WD)
2.5リッターV6(2WD/4WD)
と至ってシンプルである。
アスリートへ新たに搭載された2リッター直4ターボは「8AR-FTS」型で、「LEXUS IS200t」「NX200t」に搭載されているエンジンと等しい。
気筒内に燃料を噴射する直噴式と、吸気ポート内の噴射を併用するD-4STを採用して、最高出力は235馬力(5200~5800回転)、最大トルクは35.7kg-m(1650~4400回転)。最大トルクは3.5リッターのノーマルエンジンと同等で、実用回転域の駆動力に余裕を持たせた。
IS200t、NX200tの2リッターターボと比べると、最高出力は若干異なるが最大トルクの数値は同じ。トランスミッションはIS200tと同様の8速ATを備える。
ちなみにアスリートへ従来から搭載されている3.5リッターV6の動力性能は、最高出力が315馬力(6400回転)、最大トルクは38.4kg-m(4800回転)だ。3.5リッターエンジンの最高出力は2リッターのターボを80馬力上まわり、高回転域における吹き上がりの良さが特徴。ATは2リッターターボと同じく8速で、最終減速比を含めてギヤ比も共通化。
2リッターターボのJC08モード燃費は、アイドリングストップなどの装着と相まって「13.4km/L」。従来型のアスリートと現行ロイヤルが搭載する2.5リッターV6は「11.4km/L」だから、2リッターターボの燃費数値は118%になる。
最高出力は116%、最大トルクは144%と向上率が大きい。つまり2リッターターボは、2.5リッターノーマルエンジンと比較して、高トルクかつ燃料消費量を抑えられることがメリットになっているといえるだろう。
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外観については、ロイヤルはフロントバンパーの形状を変更。上下方向に厚みを持たせ、存在感と上質感を強調している。
ロアグリル(左右のフォグランプを結ぶブラック塗装の部分)も従来型に比べて低く設定。フォグランプの周囲をクロームの装飾で囲み、低重心とワイド感を強めた。
スポーティなアスリートは、見る角度によって表情を変える立体メッシュ形状のフロントグリルを採用。シャンパンカラーセレクションパッケージとして、色彩を自由に選べる仕様を設けたこともアスリートの特徴だ。
なお、ロイヤル、アスリートともにバイビームLEDヘッドランプ、LEDデイライト&クリアランスランプも装着して、安全性と見栄えを向上させている。内装にも手を加えて、装飾類などを上質に仕上げた。
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