【国産派vs外車派】トヨタ カムリとフォルクスワーゲンパサートセダンをくらべてみた|外車のススメ Vol.18(1/2)
- 筆者: 遠藤 イヅル
あえて選ぶ外車のススメ。この企画では「国産車、じゃなくて輸入車」をテーマに、様々なカテゴリーの車種を比較検討します。第18回のテーマは、大人の深みを感じさせる、落ち着きのあるセダン対決。国産ミドルクラスセダンとして貴重な存在となった「カムリ」と、フォルクスワーゲンの旗艦を務める「パサートセダン」をご紹介します。
今や貴重な存在? 若々しい印象も併せ持つ国産ミドルクラスセダン「トヨタ カムリ」
かつてはクルマ販売の中心だったセダンは、「当たり前」の存在でした。販売店ごとにモデルの名前や仕様を変えて用意していた時代には、数え切れないほどの車種がありました。
現在では、ミニバンとSUVに押され、各メーカーとも年々ラインナップからセダンを削っており、悲しいことに存在感がますます薄くなっています。
セダンの再復活! 新型カムリ登場
そんな最中の2017年。トヨタは、「セダンの復権」を託して、新型カムリを発表しました。
10代目となる新しいカムリは、全面刷新によってロー・ワイドなフォルム、大胆なデザイン処理、そして優れた足回りなどを獲得。北米カムリのスポーティバージョン「SE」「XSE」と同じ外観を持つ、WSの追加も話題になりました。
フレッシュなイメージも功を奏し、発売以来好調な販売台数を記録。ターゲットの年齢層よりも若い世代が買っているという、嬉しい誤算も起きました。
なお、現在のトヨタのセダンは、カローラ(およびカローラアクシオ)、アリオン/プレミオ、カムリ、クラウン、センチュリーで構成されています。もはやマークII、マークXなどのトヨタを代表するセダンが消滅した今、カムリはミドルクラス級セダンとして貴重な存在になりました。
シャープなデザインが特徴のフラッグシップ「フォルクスワーゲン パサート」
フォルクスワーゲン パサートは、1973年に初代がデビュー。それまで空冷エンジンをリアに積んでいたVWから一転、水冷エンジン+FF車時代の幕開けを飾った車種のひとつでした。
現在のモデルは2015年に登場の8代目。一時期「フェートン(日本未導入)」に旗艦の座を譲ったこともありますが、基本的には一貫して、フォルクスワーゲンのフラッグシップを努めてきました。
現行型カムリの全長は4.9mを超えており、かつてのクラウン以上のサイズになりました。それと同じく、パサートもモデルチェンジのたびにボディサイズを大型化。現在全長4.8m近い巨躯に成長しました。
品があり、長期で乗れるプレミアムカー
外装は、飽きのこないVWらしい端正でシャープなもの。デザイン処理に余計な要素がなく、ストイックな雰囲気も漂います。きらびやかなのに派手さを抑えた装飾も、いたずらに華美にならない品の良さがあります。インテリアの質感もさらに向上し、プレミアムカーらしさを獲得しました。
カムリはハイブリッド、パサートはディーゼルで勝負
メイン市場の北米にはV6エンジンも用意するカムリですが、日本では2.5リッターハイブリッド1本のみ。
そしてパサートは2018年に待望のディーゼルエンジンを搭載した「TDI」を追加しており、ハイブリッドに強いトヨタvsディーゼルで定評のあるフォルクスワーゲンという、縮図のようなラインナップになりました。
ユーザーには手を出しやすい金額設定になっているカムリ
カムリはベーシックモデルの「X」「G」「G レザーパッケージ」「WS」「WS レザーパッケージ」の5グレードを展開。
価格は345万円から445万円までで、量販モデル「G」は、372万円で、スポーティグレード「WS」の販売も好調です。
もはや国産車の価格は絶対的な数値で見ると安くありませんが、装備・クルマの出来・車格を考えると、カムリシリーズは全体的に買い求めやすい価格設定になっています。
輸入Dセグメント車ではお手頃なパサート
一方パサートは、2020年6月現在、装備違いで2種のディーゼルモデル「TDIエレガンスライン」「TDIハイライン」を、専用の内外装を持つスポーティグレード「2.0TSI R-Line」の3モデルを設定。
TSI R-Lineのみが、2リッターTSIガソリンエンジンを搭載します。
価格はそれぞれ441万円、512万円、523万円です。
いわゆるDセグメントセダンでは、BMW 3シリーズやメルセデス・ベンツ Cクラスのボトムラインが500万円前後からのスタートなので、パサートも輸入Dセグメント車として賢い選択のひとつです。
装備品の差があるため、単純比較はできませんが、本革シートの有無で見ると、カムリの「G レザーパッケージ」が433万円、「WS レザーパッケージ」は445万円で、それに相当するパサート「TDIハイライン」は512万円となり、価格差が70〜80万円ほどあります。
しかし旗艦として必要十分以上の装備を持つ「TDIエレガンスライン」なら、互角の価格帯になります。
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