トヨタのCセグメント世界戦略車「オーリス」にハイブリッド搭載モデルが登場!トヨタ オーリス新型車解説(2/3)

トヨタのCセグメント世界戦略車「オーリス」にハイブリッド搭載モデルが登場!トヨタ オーリス新型車解説
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安全装備には、Toyota Safety Sense Cを備える

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グレードは標準タイプのハイブリッド(262万473円)と、上級のハイブリッドGパッケージ(283万2545円)がある。現行プリウスと違って4WDの設定はない。

車両重量はハイブリッドが1390kg、同Gパッケージが1400kgだから、先代プリウスのGツーリングセレクションやレザーパッケージと同等だ。最終減速比も等しいため、動力性能も先代プリウスと同程度になる。

オーリスハイブリッドの装備は全般的に充実しており、標準タイプのハイブリッドでも、外装ではLEDヘッドランプと16インチアルミホイール、快適装備ではスマートエントリー、ファブリック×本革のシート表皮などを採用した。

安全装備のToyota Safety Sense C(トヨタセーフティセンスC)は、5万4000円でオプション設定される。ミリ波レーダーと単眼カメラをセンサーに使い、時速80km以下で緊急自動ブレーキを作動させたり、車線逸脱の警報をすることが可能だ。サイド&カーテンエアバッグも4万3200円でオプション設定とした。

トヨタ セーフティーセンスCトヨタ セーフティーセンスC

ハイブリッドGパッケージでは、これらの安全装備が標準装着され、車間距離制御機能のないクルーズコントロールも加わる。シート生地はウルトラスエード×本革に上級化され、アルミホイールのサイズも17インチになる。

Gパッケージの価格アップは21万2072円で、加わる装備とバランスは取れているが、必須の装備はToyota Safety Sense Cとサイド&カーテンエアバッグ程度だ。この2つの装備は合計9万7200円でオプション装着できるため、Gパッケージへのグレードアップは、ウルトラスエード×本革シート表皮などが気に入った時に限れば良いだろう。

なのでオーリスハイブリッドのベストグレードは標準タイプのハイブリッドとしたい。

走行安定性と乗り心地が向上して、燃費性能は20%以上も優れる

トヨタ 新型プリウス

次は現行プリウスと比べる。オーリスの標準タイプのハイブリッド(262万473円)に相当する現行プリウスはS(247万9091円)になる。オーリスハイブリッドが14万円少々高いが、本革シート生地が使われたりするから装備と価格のバランスは互角だ。

となれば客観的に見るとプリウスが魅力的。現行型では走行安定性と乗り心地が向上して、上質とはいえないもののオーリスと互角の水準に達した。しかも燃費性能は20%以上も優れている。

オーリスハイブリッドは、プリウスの不満をカバーする車種

トヨタ セーフティーセンスPトヨタ セーフティーセンスP

緊急自動ブレーキはプリウスSもオプションだが、赤外線レーザーではなくミリ波レーダーを使うToyota Safety Sense Pになる。緊急自動ブレーキの作動速度が高まり、歩行者も見分けられるから、安全性がさらに向上する。

また車間距離を自動調節しながら全車速にわたり追従走行できるレーダークルーズコントロールも備わり、長距離移動も快適に行える。

しかもプリウスに備わるToyota Safety Sense Pのオプション価格は8万6400円だ。オーリスハイブリッドのToyota Safety Sense Cと比べて3万2400円しか違わない。こういった点まで含めると、プリウスが買い得と判断できる。

ただし現行型プリウスは、外観が個性的で見る人により好みが分かれる。前席の中央に備わるフロントコンソールトレイも、ホワイトの加飾は洗面台などを連想させ、内装色がブラックの場合はコントラストが強すぎる。

オーリス HYBRID(欧州モデル)

さらに全長は、オーリスハイブリッドに比べて210mm長く(全幅は同じ)、最小回転半径は同程度ながら、プリウスの取りまわし性に不満を感じることもあるだろう。

オーリスハイブリッドは、こういったプリウスの不満をカバーする車種と考えれば分かりやすい。取り扱いディーラーも、従来のネッツ店にトヨペット店が加わって「アンチプリウス層」に訴求しやすくなった。優劣を競えばプリウスが勝るが、オーリスハイブリッドの存在価値も生じている。

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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