トヨタ プリウスC(「アクア」北米仕様) 海外試乗レポート/川端由美(2/3)
- 筆者: 川端 由美
- カメラマン:ケニー中嶋/トヨタ自動車 取材協力:カリフォルニア州政府観光局
長く乗って実感する「プリウスC」の本当の実力
はじめは欧州製コンパクトのようなデザインがアメリカの地でどれだけ通用するか心配だったが、それは杞憂だったようだ。
断崖絶壁に張り付くように走る、ビッグサーのあたりでクルマを止めて景色を眺めていると、「これ、プリウスより燃費がいいの?」と若いカップルに話かけられたし、ファーマーズ・マーケットに立ち寄ろうとクルマを止めると、「ハイブリッドだね、Cool!」と声をかけられる。つい、こちらも笑顔がほころぶ。
ヴィッツと多くの部品を共有するものの、プラットフォームやボディなどは専用設計されている。運転席に座った印象は、ヴィッツよりほど見晴らしは良くないが、居心地はよい。
着座位置が低められたこととステアリングの取り付けが変更されたことで、ドライビング・ポジションが適正に取れるようになった。なによりも、シートのかけ心地が格段に向上している。腰の収まりが悪く、長い時間座っていたくないヴィッツのシートと比べて、プリウスCは長距離ドライブでもヘタリを感じない。約1000マイルの道程を後にして、心底そう思ったのだから間違いない。
後席のすわり心地もいい。座面にはびしっとアンコが詰まっていて体を支えてくれるし、バックレストがほどよく傾斜していてコンパクトカーと思えないほどリラックスできる。
PCH1(パシフィック・オーシャン・ハイウェイ1)でカリフォルニア州を縦断
モントレーからサンタバーバラまでは海岸線に沿って走るルートが続く。気持ちいいワインディングルートを走っていると、このクルマの足回りの確かさに気付かされる。ヴィッツよりバッテリーを積んだ分、車両重量が重くなったものの、しっかりとタイヤにトラクションがかかるようになっている。
途中、雨模様の日もあったが、ステアリングへ伝わってくるインフォメーションが豊かで、運転していて安定感が高い。大きなSUVでなくても、路面の状況がよく分かると安心して運転できることを実感する。
試乗する前には、73ps/111Nmを生む1.5リッターエンジンと60ps/169Nmを生むモーターの組み合わせで力不足を感じるシーンはないだろうと思っていたが、その期待を上回る走りっぷり。17マイルズ・ドライブやビッグサーのあたりのアップダウンの激しい崖沿いの道でこれほどしっかり走ってくれるとは予想外だった。理論上、モーターは発進時に最大トルクを発揮する。プリウスCでもモーターからのトルクが低速域で大きな助けになっている。
途中、PCH1のがけ崩れに遭遇して、ハイウェイを迂回することになった。合流でぐっと加速していくときもモーターが活躍する。アメリカのハイウェイは制限速度が日本並みに低いため、いったん流れに乗ってしまえば力不足を感じるシーンはない。ただし、さらに加速をしようとすると、エンジン回転数をぐっと高めるものの、なかなか加速しない。リニアな加速感を得られないのは、トヨタのハイブリッドに共通する難点だ。日本ほどアップダウンはないこともあって、高速での追い越し以外は力不足を感じることはほとんどなかった。
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