スズキ SX4セダン 試乗レポート

  • 筆者: 竹岡 圭
  • カメラマン:原田淳
スズキ SX4セダン 試乗レポート
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こだわりを感じさせる出で立ちの世界戦略コンパクトセダン

イメージ
フロントスタイルリアスタイル

欧州で大人気、日本でも徐々にカテゴリーが認められつつあるスポーツクロスオーバーSUVから、超コンサバティブなセダンにスタイルを変えて登場したSX4セダン。実は今年の1月に中国で、5月にインドで、排気量は1.6Lなもののすでに生産販売が開始されており、日本は3カ国目の登場となる。ちなみに今年の秋からは、欧州でも北米でも排気量違いやディーゼルエンジン搭載車として発売される予定の世界戦略車だったりするのだ。

日本でのターゲットは、いわゆる子離れ層。一台のクルマに乗って家族でワイワイ出かけることが少なくなった、もうそんなに大きなクルマやパワフルなクルマはいらなくなったといったものの、やっぱりクルマにはこだわりがある。つまりコンサバティブなセダンとは言っても、人と同じクルマはイヤだというニーズ向けにとリリースされたというワケである。最近人気的にはセダンはあまり芳しくないのが現状ではあるが、確かにパッと見て印象に残る人とは違った顔立ちであることは間違いなさそうだ。

オールマイティ性の高い研究し尽くされたパッケージング

インパネ
フロントシートリアシート

ライバルとは違うスタイルをということで、ハッチバックのSX4の面影を残したワイルドなマスクと、全高1545mmという、小さめのタワーパーキングギリギリの背高ノッポのスタイルというパッケージングは実に特徴的だ。しかも、その高さを生かし室内高も1235mmとハッチバックのSX4と同じだけ確保し、ヒップポイントを620mmと高めに設定しているところも注目ポイントである。

実はこのヒップポイントはワゴンRと同じくらいに設定されており、乗降性のよさを研究し尽くした数値なのである。得意の軽マルチワゴン開発の積み重ねで落としどころは心得ているというワケなのだ。このあたりもターゲット年齢を考慮した、日常の使いやすさを十二分に考え尽くされた結果と言えるだろう。なので、後席のスペースも十分に広い。大人が2名ゆったりと寛げる広さが確保されている。

さらに、ラゲッジに至っては515Lという驚くべき容量。ゴルフバッグが5個入るという、セダンのトランク容量としてはかなりの大きさである。これはハッチバックのラゲッジが小さいという声を反映していることもあるが、ウェッジシェイプされたデザインを生かしたパッケージングだと言える。さらに後席をトランクスルーにすると、1000Lは優に超えるというから、ともするとワゴン的な使い方までできそうと、予想以上にオールマイティ性が高いのだ。

本当にこだわったのは走りのよさ

走行
エンジンシフト

見た目も中味もライバルとの違いにこだわったSX4セダンだが、もちろんクルマであるからして走り味で勝負しないことには数あるセダンの中に埋もれてしまうということは心得ている。だからして、本当にこだわったのは走りのよさなのだ。

確かに走り出してすぐに体に伝わってくる感のは、イイ意味で国産車のような感じがしないという感覚だ。まずは、フォルクスワーゲンゴルフに負けないというガッチリとしたボディが効いている。それに加えて、ドッシリとしたステアフィールのセンター付近の座り感は、輸入車のCセグメントのセダンとも同等と勝負できること間違いナシなのである。

しかし直線番長というワケでは決してない。ワインディングではキビキビ感がバッチリ演出されていると言っていいほど、スポーティレベルでのライントレース性が高い。つまり、足がよく動いているのである。エンジンも1.5Lは思えないほどパワフルで、大人4名+大荷物でも楽勝という感じでなので、世界戦略車としては申し分ない出来映えだと思うのだ。ただし、狭い日本に於いては、小回りが利かないのは少々ツライところ。これはベース車がクロスオーバーSUVであることも原因のひとつらしいので致し方ないのだが、最小回転半径5.3mの数値は、このサイズにしては少々大きめだ。

違いがわかる大人に是非味わって欲しい1台

フロントランプリアランプ

そしてもうひとつ。スズキらしいのなぁと思うのが価格設定である。いつもは、パッと見の泣く子も黙るような価格に驚かされるが、今回の149万1千円~165万9千円という数字からは、あまりインパクトが感じられないというのが正直なところである。

ところが、よくよく見てみると、上級グレードの1.5GではSRS運転席&助手席エアバッグは当然のこと、カーテンエアバッグ、フロントシートサイドエアバッグ、ディスチャージ式ヘッドランプ、オートライト機構、オートエアコン、キーレススタート、8スピーカーオーディオ、スイッチ付きステアリングホイール等々、いわゆる高級装備がなんでもかんでもついてこのお値段なのである。これはよくよく見なくてもかなりお買い得!ライバルたちと比べても、このパッケージングで、この走り味で、このお値段と言うと、かなりアドバンテージは高いハズだ。

きちんとしたコストパフォーマンス、違いがわかる大人に是非味わって欲しい1台だと言えるだろう。この辺りをきちんとアピールすれば、セダンの復権にひと役買ってくれるかもしれない存在なのだ。

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竹岡 圭
筆者竹岡 圭

OLを経て、自動車専門誌を皮切りに、モータージャーナリスト活動を開始。国内外のレース、ラリーなど自らモータースポーツ活動に関わりながら、海外のモーターショーを精力的に回るなど、なにごとにも積極的に取り組んできた結果、近年は一般誌、女性誌、Web媒体、新聞、TV、ラジオなど、その活動はとても多彩なジャンルに広がっている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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