スズキ 新型MRワゴン 試乗レポート/藤島知子(2/3)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:オートックワン編集部
iPhoneみたいな操作感覚が気持ちイイ「タッチパネルオーディオ」
ブラウンを基調にしたシートは、織り込まれたように見えるファブリックを採用していて、ノーブルな印象すら与えてくれるし、これは4代目マーチのシートよりも断然見栄えがいいと感じる出来映え。
ベンチタイプなのに背中まわりのフィット感がいいので、座り心地が優しいし、妙に癒されてしまう。
車内を明るくモダンに引き立てるホワイト色のダッシュボードは、汚れが拭きとりやすい形状の四角いシボを採用。
この時点で、実用面や生産性の悪さを理由に言い訳をせず、オシャレ感を追求したクルマづくりに拍手を送りたい気持ちになりました。
そして、このクルマの立ち位置を思い知らされる最大のトピックは、全車に標準装備されるタッチパネル式のオーディオ。しかも、バックモニター付!
Powerボタンをタッチすると、メーター側からつながっているフラットなブラックパネルの上にCD、USB、AM/FM、Muteの文字が浮かび上がる。
左右にはラジオ局や音楽のトラックを選択する矢印や音量の文字が配置されていて、これを指の腹でパネルをなでると操作できてしまう。
これって、いま最もホットなiPodやiPhoneみたいな操作感覚で気持ちイイし、トレンド感と機能性がマッチして、最高に気分が上がる装備といえる。
タッチパネルだけなら後付けナビでもあったけど、パネルごとクルマ側に埋め込んでしまったのはスズキが初めて。
これまでもスズキはダッシュボード内蔵式のオーディオのデザインにはコダワリをみせるメーカーだったけれど、高級車よりも先にこうしたトレンド商品を取り入れてくる気合いの入れように、軽自動車のヒットメーカー・スズキの潔さを見た気がした。
車内のスペースユーティリティについては、前後のタイヤ間がワゴンRより広いとあって、前後の乗員の距離は1,000mm。会話していると「前の座席が遠い」と感じるほど、後席の膝周りのスペースは広い。
後席が左右独立式となる「X」グレードと「T」グレードは、160mmの前後スライドと6段階のリクライニングが可能。背もたれのレバーを引けば、座面ごと床側に沈んでフラットな荷室スペースが確保できる。
天井が高くて、ラゲッジ下の収納などポケット類も豊富なので、日常用途の幅は広がりそうだ。
この記事にコメントする