スズキ 新型ジムニー&ジムニーシエラ最新情報|145万円で手に入る本格クロカンの詳細スペックを徹底解説

スズキ 新型ジムニー・ジムニーシエラがフルモデルチェンジ

日本独自の軽自動車という枠の中に納まるサイズながら、ラダーフレームや副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドサスペンションなど本格的なクロスカントリー4WD車に必要な要素を兼ね備えたことで唯一無二の存在感を放ち続けているスズキ ジムニー。

3代目モデル(JB23系)は1998年10月の軽自動車規格が現在のものに改定されたタイミングでリリースされ、2018年2月までおよそ20年にも渡って改良をしながら生産が続けられていたが、ついに2018年7月5日に4代目となる新型ジムニーが登場した。

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ラダーフレームや副変速機付パートタイム4WDなどは先代より継承

前述したラダーフレームや副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドサスペンションなどのジムニーの特徴は全て受け継がれた新型ジムニーは、引き続き、全てのグレードで5速MTを選ぶことも可能となっている。

エンジンは新世代のスズキ軽自動車用エンジンであるR06A型ターボエンジンが採用され、登録車のジムニーシエラは先代の1.3リッターから、新開発の直列4気筒DOHCのK15B型1.5リッターエンジンへ変更された。

車両感覚がつかみやすいスクエアなスタイリング

新型ジムニーのルックスは、道なき道を行くときも車両感覚がつかみやすく、かなりスクエアなデザイン。最近は複雑な曲面が組み合わされたデザインの車両が多いなかで、新鮮なイメージを与えてくれる。

一部ではメルセデス・ベンツ Gクラスに似ているという声もあるが、本格的なクロスカントリー4WDに必要な要件を満たしたらこうなったということだろう。そもそもジムニーを必要とする層とGクラスを必要とする層はバッティングしないから問題ないハズだ。

気になる価格は新型ジムニーが145万8000円から。登録車の新型ジムニーシエラは176万400円からとなっている。詳しい内容などは次項で説明したい。

新型ジムニーの価格は145.8万円から

新型ジムニーには3つのグレードが用意される。必要最低限の装備のみを用意し価格を抑えた「XG」が145万8000円、あると嬉しい装備を追加した量販グレードとなる「XL」が158万2200円、そして先進安全装備を含む多くの装備を標準とした上級グレード「XC」が174万4200円となる。なお、価格は全て5速MTのもので、ATは9万7200円高となる。(いずれも消費税込)

一方、登録車となる新型ジムニーシエラは176万400円からで、グレードは2種類が用意される。ジムニーの「XG」に該当する簡素なグレードは用意されず、量販グレードとなる「JL」が176万400円で、装備を充実させた上級グレード「JC」が192万2400円となる。こちらも5速MTの価格で、ATはジムニーと同じく9万7200円高である。

新型ジムニー・ジムニーシエラは、歴代モデルのデザインを各所に採用

新型ジムニーのエクステリアデザインは先代に比べてかなり四角いものとなっている。しかし、事前情報なしに見たとしても、ひと目でジムニーだと分かるデザインに仕上がっているのは、歴代ジムニーのデザインを各所にちりばめているからだ。

例えばフロントマスクの灯火類を囲ったグリルデザインや丸型のヘッドランプ、ヘッドランプから独立したターンランプに独特な形のクラムシェルフードなどは初代から受け継がれたものだし、5つの穴から構成される5スロットグリルは先代から引き継いでいる。

そしてリアバンパーに埋め込まれたリアコンビランプは、2代目に採用されたもののリバイバルだ。また、Aピラー付け根にある特徴的なスリット処理も歴代のボンネットに入れられたもののオマージュとなっている(新型は実際には穴は開いていないが)。

ジムニーとジムニーシエラの外観の違いを比較してみた

軽自動車のジムニーと登録車のジムニーシエラ、基本となるボディは共通のものを使用している。そのため、外観での違いは大きく張り出したオーバーフェンダーと、それに合わせて拡大された前後バンパーが差異となる。

バンパーは左右だけでなく、前後方向でも拡大されているため、ジムニーシエラの方が全幅で+170mm、全長で+155mm大きくなっている。それに伴いトレッドも130mm拡大されており、これはアクスルの延長によって実現しているそうだ。

また、先代同様、ジムニーのタイヤが16インチなのに対してジムニーシエラは15インチが装着されており、タイヤの外径の差によってジムニーシエラの方が全高と最低地上高が5mm増加している。

新型ジムニー・ジムニーシエラのボディカラーは?

新型ジムニー&新型ジムニーシエラには、モノトーンカラー9色と2トーンカラー3色が用意される。さらにジムニーXCには受注生産カラーとして、ブラックトップ2トーンと呼ばれる、Aピラーやボンネットまでブラックとなるカラーが設定されている。

なお、2トーンカラーは上級グレードのジムニーXC、ジムニーシエラJCのみの設定で、ベーシックグレードのジムニーXGはモノトーンカラーの4色のみの設定となっている。

新型ジムニー・ジムニーシエラの内装は一気に近代化

新型ジムニーの内装に関しては20年ぶりのフルモデルチェンジということもあり、一気に近代化が図られた。特にオーディオスペースがインパネ最上部に移動し、ナビを装着したときの視認性が大きく向上している。

また、パワーウインドウスイッチがドアパネルからセンターコンソール側に移動し、スイッチ自体も大型化がされた。これはグローブを装着した状態でも操作をしやすくするための配慮とのことで、エアコンの操作部分も同じ理由でダイヤル式へと変更がなされている。

一方で、内装色については運転に集中できる環境とするために黒を基調としたものとなっている。その中で空調の吹き出し口や操作パネルなどには金属色を採用し、機能部品を明確にする配色が取り入れられている。

内装の表面には耐傷付き性、汚れ除去性を考慮したシボが施され、上級グレードのシート表皮には撥水性のあるものを採用して、より一層本格クロスカントリー4WDという性格を強調している。

新型ジムニー・ジムニーシエラの内装の違いは何?

外観では大きな違いがあったジムニーとジムニーシエラだが、ボディ自体は共通だ。乗車定員4名という部分も含め、内装に関してはほとんど違いはない。

強いて言うならメーターがジムニーが140km/hスケール、ジムニーシエラが180km/hスケールになる程度だろうか。

新型ジムニー・ジムニーシエラともに新型エンジン採用

20年ぶりのフルモデルチェンジということもあり、ジムニー・ジムニーシエラどちらも新型エンジンが搭載されることとなった。なお、エンジンなどが載るジムニーの肝とも言えるラダーフレームも新開発のものとなっており、クロスメンバーが追加されたりX(エックス)メンバーを新たに採用したりしたことでねじり剛性が約1.5倍向上している。

また、新開発のボディマウントゴムは、上下方向の動きに対しては柔らかく、水平方向の動きに対しては硬くなる味付けで、操縦安定性が向上しているそうだ。

搭載されるエンジン

先代ジムニーはスズキの名機K6A型エンジンが搭載されていたが、新型ジムニーには後継機として開発されたR06A型エンジンが搭載され、K6A型エンジンは24年の歴史に幕を閉じることとなった(ケータハムセブン160には継続搭載されるが)。

スペック的には先代ジムニーに搭載されていたK6A型の47kW/103N・mに対して、新型ジムニーに搭載されるR06A型は47kW/96N・mと下がってしまっているが、走りやすさと信頼性を追求したということで、日常域での使い勝手は犠牲になっていないどころか、低回転域のトルク感が向上したことで、確かに走りやすさはアップしているような印象となっている。

一方のジムニーシエラは1.3リッターのM13A型エンジンから、新開発となる1.5リッターのK15B型エンジンへと変更された。排気量アップの恩恵は大きく、先代ジムニーシエラの65kW/118N・mから75kW/130N・mへと出力も大きく向上している。また、エンジン単体の重量も14.3kg軽量化され、サイズも全高23mm、全長21mm、全幅26mmコンパクトになっている点にも注目したいところだ。

新型ジムニー・ジムニーシエラの燃費

新型になって燃費表示がJC08モードからWLTCモードへと変更になった。そのため、パッと見の数値だと旧型の方が優れているように見えるが、実質的な燃費は向上しているといっていいだろう。特に5速MTの数値は先代ジムニーよりも大幅に向上しており、「ジムニー=燃費が悪い」というイメージを覆すかもしれない。

気になる数値は、4ATモデルのWLTCモード燃費が13.2km/L(市街地11.0km/L、郊外13.9km/L、高速道路14.2km/L)で、5速MTモデルのWLTCモード燃費が16.2km/L(市街地14.6km/L、郊外17.5km/L、高速道路16.5km/L)となっている。

新型ジムニーシエラは、排気量が拡大されたにもかかわらず、JC08モードの数値と比べても向上しており、4ATモデルのWLTCモード燃費が13.6km/L(市街地11.2km/L、郊外14.7km/L、高速道路14.6km/L)、5速MTモデルのWLTCモード燃費が15.0km/L(市街地12.8km/L、郊外15.8km/L、高速道路15.9km/L)となった。

新型ジムニー&新型ジムニーシエラの安全装備は?

もはや新型車には必要不可欠な装備となった先進安全装備は、ジムニー、ジムニーシエラともに抜かりなく設定されている。衝突被害軽減ブレーキのデュアルセンサーブレーキサポートを始め、車線逸脱警報機能、ハイビームアシスト、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、誤発進抑制機能(4ATのみ)がセットで装着される。

さらに、スペーシアで実装された標識認識機能は、車両進入禁止に加え、最高速度とはみ出し通行禁止の認識機能も追加されている。

この先進安全装備は上級グレードに当たるジムニーXCとジムニーシエラJCには標準装備、それ以外のグレードにはオプション(4万2120円)で装着可能となっている。

また、全車全グレードにフロントシートSRSサイドエアバッグとSRSカーテンエアバッグが標準化されているのも見逃せないポイントと言えるだろう。

新型ジムニー&新型ジムニーシエラの悪路走破性は?

先進安全装備が設定されたり、燃費性能が改善されたりとかなりの進化を見せる新型ジムニーだが、悪路走破性は一切犠牲になっていない。新型ジムニーのアプローチアングルは41°、ランプブレークオーバーアングルは28°、デパーチャーアングルは51°と先代とほぼ変わらない数値だ(ジムニーシエラはそれぞれ、36°、28°、50°となる)。

さらに副変速機を4Lに入れることで作動するブレーキLSDトラクションコントロールが新たに追加されており、これは空転した車輪にだけブレーキをかけて反対側車輪の駆動力を確保するというもの。他にもヒルホールドコントロールやヒルディセントコントロールを標準装備したり、悪路走行時のステアリングのキックバックを低減するステアリングダンパーを新採用するなど、本格的なクロスカントリー4WDとして正常進化を果たしたといえるだろう。

確かに価格帯は先代に比べてアップしてしまっているが、その内容を考えれば「値上げ」と結論付けるのは尚早であることがおわかりいただけただろうか。フルモデルチェンジして4代目になったジムニー・ジムニーシエラが今後何年販売されるかは分からないが、歴代モデルと同じく、プロユースから一般ユーザーまで、幅広い層に支持されるモデルになることは間違いなさそうだ。

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

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