“スバリスト(スバルヲタ)”視点から見る「スバル インプレッサ マイナーチェンジ」マニアックすぎる新型車解説/マリオ高野(3/5)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:小林岳夫・マリオ高野・富士重工業(株)
遮音に力を入れ「静粛性」が向上
二つ目の激変ポイントは「静粛性」です。
2011年11月のデビュー当初は同クラスの中でも静粛性は高い方だったと記憶しておりますが、さらにハイレベルな静粛性を備えた後発の競合車と比べると、相対的にややノイジーであることが目立ってきたこともあり、D型では遮音にかなり力を入れております。
その内容はグレードごとにより多少異なりますが、全車共通のものとしてはフロントサイドガラスの肉厚化と、ガラスのはめ込み部分にスポンジ的な素材を追加してシール性を高めました。
一般的なマイナーチェンジでは、何かを省いたり、肉厚を薄くして軽量化をはかることはよくありますが、ガラスの肉厚化は珍しいケースです。
これにより、特に高速域での風切り音の低減がはかられました。
レヴォーグやWRXなど〝車格が上〟のモデルで開発された技術がつぎ込まれた
さらに、2リッター車ではマッドガードにインシュレーターを入れてロードノイズを低減。さらにウェザーストリップのシールを一重から二重にしたなど、2リッター車では、国内外を問わずクラストップレベルの静粛性に達しております。
これらドアまわりの遮音性の向上は気密性の向上にもつながっており、結果として、ドアの開閉時の音やフィーリングに上質さが増すという副産物も得られています。
操縦性や静粛性、その他の質感の向上に関しては、去年発売されたレヴォーグやWRX、6代目レガシィなどのニューモデルの開発で培われた技術が応用されました。
かつて、軽自動車のヴィヴィオのサスペンションにレガシィのメカニズムが採用された例もあったように、車格が上のクルマ用に開発されたノウハウをエントリーモデルにも横展開して採用するというのは、販売車種が比較的少ないスバルならではの良き伝統といえるでしょう。
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