緊急避難の手段としても注目! 正しく行う“車中泊”とは[3.11から10年 ~今、クルマで出来ること~]
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:MOTA編集部
2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年が経過した。その後も地震や台風など、多くの自然災害を経験してきた日本で、これからも生きていくために必要な備えとは。10年の節目となる2021年、我々の生活に密接な存在であるクルマを通して、これから出来ることについて改めて考えてみたい。
今回ご紹介するのは、災害に見舞われた際の緊急避難方法としても注目される「車中泊」だ。
災害時、避難所暮らしではなく車中泊を選ぶケースが増えている
熊本地震では避難者の7割が車での寝泊まりを経験
不幸にして震災や台風などの災害に遭い、緊急の避難所生活を余儀なくされた場合、あなたはどうするだろうか。昨今は、一定のプライバシー確保が可能な自家用車での車中泊を選択するケースが増えているという。
2016年4月14日と16日に相次いで発生した熊本地震では、自宅以外に避難した熊本県民のうち約7割がクルマでの寝泊まりを選択したという、県のアンケート結果も報告されている。
いっぽう、長時間同じ姿勢を強いられることで血流が悪くなり発症する「エコノミークラス症候群」といった体調不良のリスクを指摘する声も大きい。これは慣れない車中泊を続けたことによるものだ。
災害に遭遇する前に! 一度は経験しておきたい車中泊
しかし災害とは突然起こる。ある日突然、車中泊を余儀なくされることだってあり得ることだ。もし一度でも事前に経験していれば、リスクを回避出来る可能性も高まるし、心の余裕も出来る。
今から2年前の2019年3月2日(土)から3日(日)に日産が行ったイベント「#日産でやってみよう車中泊」での取り組みを振り返りながら、リスクを回避するための“正しく行う車中泊”について、ここで改めて考えてみよう。
いつもの自家用車でも十分に可能な車中泊
シートや荷室がフルフラットになるクルマは多い
車中泊とは、クルマの車内での仮眠や宿泊行為を指す。
キャンピングカーのように、車中泊を行うための快適機能を十分に備える車両でなくてもいい。普段使っている軽自動車やコンパクトカーでも、工夫次第で車中泊は出来る。
愛車の取扱説明書を読むと、シートの倒し方を紹介するページがある。当たり前過ぎて読むことなどなかったかもしれないが、改めて見返してみると多彩なシートアレンジの方法も記されていることがわかる。
愛車のシートアレンジ方法は事前にしっかり確認しておきたい
ヘッドレストを取り外し前席を倒すと、前後でフルフラットのベッド代わりになるクルマは多い。また後席を前倒しし荷室拡大すると、広大な就寝スペース代わりになる空間が誕生するかもしれない。
しかし、自家用車でこうしたアレンジが出来ることを知らないまま過ごしているユーザーも案外多いものだ。
そういえばカタログで見たことがある! と思い出しても、操作レバーの位置や使い方が良くわからないことも。いざというときに慌てないよう事前に良く確認し、操作をしっかり練習しておきたい。
いっぽうで、後席を倒しても荷室との大きな段差が生じるケースもあるかもしれない。その場合でも、隙間や段差を埋める工夫は色々とあるはずだ。身の回りにあるものを有効活用してみよう。
車中泊に備えておきたい3種の神器とは
2019年3月に行われたイベント「#日産でやってみよう車中泊」では、車中泊をより快適に過ごすためのヒントが紹介された。
車旅専門家の稲垣 朝則 氏は、車中泊に用意しておきたい3種の神器として「車中泊用マット」「サンシェイド」「照明」を挙げる。
3種の神器その1「車中泊用マット」
まず車中泊用マット。
座席や荷室の段差をやわらげ、睡眠しやすくするために必要不可欠のもの。車中泊専用で売られている商品のほか、キャンプ用のマットでも良い。
普段はコンパクトに収納しておき、バルブを緩めると自動的に空気を取り入れるタイプのものが厚みも出て便利だ。
3種の神器その2「サンシェイド」(もしくはレジャーシート!)
サンシェイドは、窓を覆ってプライバシーを確保する。車種別の専用品も多く売られている。
しかしそんな備えがなくても心配はいらない。レジャーシートを用意しよう。100円ショップでも売られている。洗濯バサミやクリップで窓のふちやサンバイザーとレジャーシートをつなぐことで、サンシェードの代用品として使える。
レジャーシートは、ピクニックなどで普段から何かと大活躍するアイテム。もしまだ持っていない人は、今すぐ車内に常備するようにしておこう。
3種の神器その3「手ぶらで使える照明」
最後に照明だ。中でも、手ぶらで使えるものがいい。稲垣氏は、首から下げて使うネックライトを推奨する。夜の登山などで用いるヘッドライトも有効だろう。夜だけでなく、停電時の建物内などでも大いに役立つ。
懐中電灯もいいが、がれきなど不安定なところを歩く際にも両手は開けておいたほうが良い。両手で荷物を抱えたりする場合もあるし、暗闇でやむを得ず作業や調理などをする際にも便利だ。クルマに定員分用意しておけば、夜のキャンプなどでも活躍出来るから、決して無駄にはならない。
「災害への備え」「防災」などと聞くとちょっと身構えてしまうが、車中泊ならばレジャーとしても気軽に楽しめる。この週末、愛車で車中泊を試してみてはどうだろうか。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル]
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